遊びから始める学び
岩瀬直樹(軽井沢風越学園設立準備財団副理事長)
他者やモノや情報が国や地域を超えて行き交う時代となり、 学校でも、地域、職場でも、多言語多文化状況が進んでいます。 このグローバル社会化がますます拡大するなかで、 子どもたちの活躍の舞台は世界に直接つながっていくでしょう。 このような時代を生きる子どもたちが未来を切りひらいていくために 必要な力は何でしょうか。
人と対話する力、共感できる力、 異なることば・異なる文化の人びとと協働し、 新しい何かを創造する力……。 わたしたちはこれらの力を育むために、日本と海外の子どもたちが、 互いのことばと文化を学び、交流する場をつくっています。
現在、私たちが直面する課題は、国際的なものから地球規模にまで広がり、国や地域を超えた協働が不可欠です。そこで、世界の青少年が日常の視点を地球の視点にかえ、広く物事を考えられるようになることをめざし、2021年度から2024年度まで「地球講座」事業を実施しました。2025年度からは、発展形として「チキュウノキボウ未来共創事業」を実施しています。
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りんご=隣語。文化の違いを楽しみながら、隣の人とつながるためのことばです。さまざまな隣語や文化にふれる場を一般の方や、中高生向けに企画し、2013年から2020年まで「学びのきっかけづくり」を提供しました。
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TJFが中国・大連教育学院と共同制作した第二外国語教育用教材『好朋友』にはさまざまな日本の文化が登場します。「生徒たちに実物で体験させたい」という先生の思いから「好朋友日本文化体験の場」づくりが始まり、広州、上海、大連、中山、ハルビンの学校のなかに体験の場がつくられました。TJFは2020年まで体験の場づくりや活用に協力しました。
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「好朋友」ウェブサイトには、『好朋友』(全5巻)に掲載されている書き下ろしのストーリー漫画「大連物語」、漫画に登場する表現の音声、日本語や中国語を学ぶ世界の中高生のコーナーなどがあります。
自分や地球の未来を想像し、未来像を希望的に共創することを通して、多様な他者との関係づくりをめざす交流プログラムです。地球規模のさまざまな問題を抱えている今、未来を共に生きるために必要な「仲間マインド」を育み、共創した未来像の実現のために自分にできることを考え、行動に移すことをめざします。
日本で暮らしている、多言語・多文化につながりや関心をもつ高校生が、演劇活動やダンス・身体表現を中心とする芸術をツールに交流する3泊4日のパフォーマンス合宿(PCAMP〈ピーキャンプ〉)からスタートした事業。2017年度から回を重ねつつ、開催地域を広げてきました。そして、PCAMPでの知見を生かし、体験ひろば(公募やアウトリーチワークショップ)、ティーチングアーティスト(TA)研修のプログラムも展開しています。2025年度に芸術関係者間の情報交換・学び合い・連携・発信をバックアップするためのネットワーク「T-ARTネット」の立上げを機に、PCAMPのコンセプトである「「多文化×芸術」を一連のプログラムを包括する事業名としました。
日本で韓国語を学ぶ中高生と韓国で日本語を学ぶ中高生がソウルで4泊5日寝食を共にし、それぞれの持ち味を生かしあいながらK-POPダンスの練習し発表する交流プログラムです。2012年度から2021年度まで、計10回実施しました(最後の2回はオンライン)。参加した中高生は、日本152名、韓国158名、あわせて310名にのぼります。
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2019~2021年、コロナ禍により、交流プログラムを対面からオンラインに切り替えて実施しました。さまざまな地域から参加することができるオンラインの良さを生かした交流プログラムとして、「新たな表現を探るオンライン交流」を実施しました。
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2015年に始まったプログラム。日本とロシアで互いの言語を教える教師、互いの言語を学ぶ高校生が、相互訪問を行い、日露教師の合同研修やことばの授業に文化理解と交流を取り入れた「交流学習プロジェクト」、日露高校生の合宿などを通じて、交流と学び合いを深めてきました。また、それらの取り組みをサポートするために、ロシアの学校に対し、日本語の図書、教材、教具、文化グッズの寄贈も行いました。2019年度はオンラインで日露高校生のパフォーマンス交流を行い、オリジナル作品を共創しました。
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日韓の互いのことばの教育や学校間交流を実現するカギを握るのは校長先生です。学校や街を訪問し合い、互いのことばを学ぶ高校生や留学中の大学生、高校教師、校長同士で交流する日韓の校長交流プログラムを2015年度から2019年度まで実施しました。
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学校、塾、家。いつもの自分の居場所ではないところで、ふだん出会わない中高生やオトナと過ごしてみる。言語表現、アート、身体表現、社会課題など、その道に詳しい人たちといっしょに思考したり、表現・創作したり、議論したり、探検してみたり。自分のなかに深くもぐったり、ほかの人たちから刺激をうけたりして、今までとちょっと違う視点や表現方法、自分や他者との関わり方を見つけて、また日常に戻っていく。中高生が自分の世界を広げていくきっかけのひとつになることをめざしています。
TJFが高校と大学の教育現場の教師と一緒に、高校からはじめる外国語学習の指針『外国語学習のめやす』(めやす)を作成し、2012年に発行しました。「めやす」では、言語と文化に加え、第三の領域としてグローバル社会を設定し、それぞれの領域で身につける能力は「わかる」力(知識・理解目標)、「できる」力(技能目標)、「つながる」力(関係性構築目標)の3つとしました。TJFが実施した「めやす」マスター研修を修了した英・韓・西・中・日・独・仏・露の「めやす」マスターは、それぞれの言語教育の現場で「めやす」的実践をするとともに、「めやす」をより広く共有するために国内外においてワークショップやセミナー、実践報告会を企画・実施し、TJFはそれらの活動をサポートしました。「めやすWeb」には、「めやす」(2012年版及びロシア語教育用)のPDF(無料でダウンロード)のほか、「めやす」を使った授業案が多く掲載されています。
変化の激しい時代であっても、子どもたちが自分の力で人生を切り拓き、多様な人びとが共生する社会づくりに主体的に関わっていく。そのための教育のあり方を模索する先生方が、探究をはじめさまざまな学びを体験したり、分析・デザインするためのワークショップやレクチャーを実施しています。
学生が関心のあるテーマで話を聞きたい人にインタビューし、聞き書きの手法でまとめた記事をウェブサイト「ときめき取材記」で発信するプロジェクト。2016年度から2024年度までTJFが大学などの先生方と連携して実施。2025年度より、大学の教員が中心となり発足した団体「対話を深めるインタビュー実践研究会(TAIWAS)」がウェブサイトの運営を引き継ぎました。「ときめき取材記」ウェブサイトのリンクは外部のサイトに移動します。
2012年度に開設し2021年まで更新。リアルな日本を伝えるために、モノやコトを超えて、「人」にフォーカス。メインコーナー「My Way Your Way」では、テーマを設けてそのテーマに関わる人が、そのことにハマったきっかけや思いなどを語った記事を掲載。また、コンテンツを使った日本語の学習活動のヒントを紹介するメールマガジン「Click Nippon News」のバックナンバーも掲載。日英韓中の4言語版で展開した。
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TJFは、ビジョン・ミッションに沿って、未来を担う子どもたちが希望をもち、仲間と対話し協働しながら自らの可能性を切りひらく自信を育んでいけるような経験と学びの場づくりを推進しています。同じ目的をもってプログラムを実施する団体を助成します。
子どもたちが生きていくこれからの社会をみすえ、さまざまな学びの場をつくる動きが広がっています。異なる年齢の子どもが混在するよさをいかした学校をつくろうとしている軽井沢風越学園、起業を巻き込みながら高校生が創造力を競う場を提供するCURIO SCHOOL、子どもだけでなく大人も探究できるプログラムを用意するこたえのない学校。
それぞれ、どのような学びをめざし、どのような場をつくっているのでしょうか。
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