公益財団法人国際文化フォーラム

つなげる報告

「そうだ! 地球に相談だ」 地球講座 第1回を開催

なぜ地球?

社会のグローバル化が進展し、多様な人と共生する時代を迎えました。現在、私たちが直面する課題は国際的なものから地球的なものにまで広がり、国や地域をこえた協働は欠かせなくなっています。そこで、世界の青少年が、球体(globe)で見て思考することによって、私たちの日常を、地球の目線へと拡張し、理解することができるようになることを目的として地球講座を実施しました。この講座では、NPO法人Earth Literacy Programが開発したインタラクティブ地球儀「SPHERE」(以下、「SPHERE」)を活用しています。

地球講座「そうだ! 地球に相談だ」

開催日 2022年2月28日(月) 13:00-16:00

  • 前半 「SPHERE」を活用し、参加者が地球を自分事として意識できるような講演
  • 後半 「私の地球」をテーマに作品を作成し、自由な表現方法で発表するワークショップ

「SPHERE」(http://sphere.blue/)は、半球体ディスプレイに科学的知見や統計に基づくデータから地球の過去、現在、未来、人口増加等の変化やリアルタイムの観測データで、地球の「今」を映し出すインタラクティブ地球儀です。「北極を中心に北半球の数十年間のCO2の流れを見る」など「時間の流れ」とともに変化する「球体」としての地球の姿から得られる様々な気づきをもとに、「SPHERE」を舞台にした活動を通じて、講座の参加者が「地球目線」を持つきっかけを提供します。

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講演で地球温暖化予測の2つのシミュレーション(RCP8.5/2.6)を比較している場面

また、本講座はオンライン開催で、会場に選んだのは、バーチャルオフィスツールのひとつである「SpatialChat」(https://spatial.chat/)です。2次元の仮想空間に参加者のアイコン(丸い小型のウィンドウ)が表示され、仮想空間上で近づいたアイコン同士が、音声と映像で会話ができる仕組みになっています。また、複数の会場を、自由に移動することができ、講座の構成に合わせて、背景や使い方を変えて活用しました。

内容

講演

ELP代表で京都芸術大学教授の竹村眞一氏を講師に迎え、「SPHERE」に搭載されているプログラム(移動する動物、台風・津波・海流の変化、地球温暖化シミュレーション、人口動態など)からグローバル(global)な事象が球体(globe、地球)上でおきていることを体感しながら学ぶ内容。以下のスライドにある具体的な事例をもとに、3つのつながりからなる地球感覚についての話がありました。

また「地球を眺めながら考え、対話できるような舞台」は、具体的にはどこなのかを考え、講演の会場を「月面」としました。地球は身近であるがゆえに実感することがとても難しい存在でしたが、宇宙から眺めることで、地球を俯瞰してみられると好評でした。

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竹村眞一氏による講演「地球感覚~3つのつながり」の様子

ワークショップ

ELPスタッフの井上靖隆氏によるファシリテートで、「私の地球を表現する」を目標とするワークショップが行われました。井上氏から「私の地球」を考えるヒントが提示されたあと、グループに分かれて前半の講演を振り返る時間をもちました。つづいて、どのような方法で「私の地球」を表現するか、どうしてその表現を選ぶのかなどについて対話しながら発表の準備を進めました。

井上靖隆氏のファシリテートで行われた後半のワークショップの様子

参加者の作品

日本からの参加者「Y」さん

「人間だけの都合で地球の環境がこわれていっていること。このプリントで表すと今が、このぐちゃぐちゃな状態。これが人間の都合でそうなっている。これを地球目線からみて、地球と人間の都合をあわせて地球の環境を改善していったらいいと思います。」

韓国からの参加者「JY」さん

「今、私の地球を表現すると「平均」です。グローバルにおける責任は均等であるということがひとつと、講義でお話しいただいたように地球に及ぼす人間の力をみんなが自覚することが第一歩だということ。もうひとつは私が興味をもっているESG経営の中にカーボンニュートラルの課題があります。個人の努力も大事なのですが、それよりもっと影響力をもっている企業の役割は大きく、そしてそれを管理する国家の影響力も大きく重要だということを知るべきだと思う。それで全世界が2050年までの目標に掲げているカーボンニュートラルの課題を達成することが大切だと思います。」

質疑応答から

参加者からの質問「地球が抱えている課題の中で一番早く解決しなければならないのは何でしょう。気になります。」

竹村氏の回答「何がひとつというものはないと思います。それはすべてが根底でつながっているからです。何が根底にあるかというと私たちの地球への影響力を自覚していないということです。例えば、いま地球の人口って何人かご存じですか?年間8000万人増えている。1日23万人規模で地球への負荷が増えているんです。なのに、いまだに20世紀と同じ方法でやっているから。だからいろいろな問題がおこっているんです。私たちの力を違う方向に全力で傾ければ、実は緊急な問題は一気に解決する可能性があると思います。だから、一番に取り組むことは、僕らが地球に大きな影響力をもっていることを自覚すること。自己認識を変えることだと思います。」

プログラムのこれから

地球講座は、グローバルについての理解を国際から地球へ拡げ、地球目線を持ったことばと文化の学びと交流という新たな視点を提示します。インターナショナルなコミュニケーションをプラネタリーなコミュニケーションへとアップグレードし、未来の地球社会を支える力へと育まれるように、そのきっかけを提供したいと考えています。

新に取り組みをはじめた本講座に、是非多くのみなさんのご関心をいただければ幸いです。まず6月には地球を体感する映像をLIVE配信する計画中です。その後、8月には中高生を対象とした講演とワークショップからなる講座を企画しています。情報はメルマガで随時配信いたしますので、よろしければこの機会にご登録ください。

メルマガ配信のお申込みは、以下のURLからお願いします。
https://www.tjf.or.jp/wayawaya/?=ml

(事業担当:中野敦、森亮介)
                        

事業データ

地球講座 「そうだ! 地球に相談だ」

期間

2022年2月28日(月)13:00-16:00

場所

オンライン

主催

TJF

企画制作

特定非営利活動法人Earth Literacy Program (ELP)

講演講師

竹村眞一(特定非営利活動法人Earth Literacy Program代表、京都芸術大学教授)

ワークショップファシリテーター

井上靖隆(特定非営利活動法人Earth Literacy Programスタッフ)

参加者

日本の高校生
広島県より7名
韓国の高校生
京畿道より2名