大学は終わりではなく始まりです

大阪大学

大学は終わりではなく始まりです

PEOPLEこの人に取材しました!

土本愼太郎さん

本田技研工業勤務

大阪大学外国語学部を2018年に卒業した土本愼太郎さんは学部時代にはタイ語を専攻し、現在は本田技研工業で働いています。愼太郎さんの経験はこれから専攻を選択する高校生や、就活を頑張っている大学生に役に立つと思うので、愼太郎さんにお話を聞きました。

専攻の選択と大学生活

Q:現在大卒者の27%だけが自分の専攻と関係する仕事に従事しています。これについて愼太郎さんはどう思いますか。そして、愼太郎さんは自分をこの27%の人として考えていますか。

そうですね、27%と聞いて、もしかしたら、少ないと思う人もいるけど、俺は多いと思いました。大学の専攻と同じ仕事をしていないといけないわけではないから、結構多いと思いましたね。でも多分、海外の場合は、もっと30%とか40%とか50%あるのかな。俺は27%の人なのかな。いいえ、多分違うと思います。タイ語使うけど、あまり使わないから、俺は27%じゃないと思います。

Q:愼太郎さんはどうしてタイ語を専攻として選びましたか。そして、もし愼太郎さんがもう一度大学に入学する機会あったら、タイ語をまた専門として選びますか、それとも、他の専門を勉強しますか。

タイ語を勉強したらいいと思ったのは、理由が2つあります。まず、タイはとても日系企業が多いという理由があります。そしてタイは親日国です。日本のことが好きな国です。専攻を決めていた時、中国語を勉強したいと思いました。なぜなら、ビジネスでは中国がとても影響力があるから。でも、中国語が話せる日本人はたくさんいましたが、タイ語を話せる日本人はあまりいませんでした。だから、俺はタイ語を話せる日本人になりたかったんです。それが1つ目の理由。2つ目は、タイのことをテレビで見て、タイにはいっぱいリゾートがあって、観光地がいっぱいあります。だから、俺は住みたいと思いました。

また入学する機会あったら、そうですね、タイ語を勉強するかな、多分。多分タイ語にすると思います。それか、エンジニアリングの仕事にもちょっと興味があるから、もしかしたら、基礎工学部に入っているかもしれません。ホンダは、エンジンを作るとき、工学の知識が必要だから、もしかしたら、基礎工学部で勉強しているかもしれません。

タイに行った時の写真

Q:ホンダの面接を受けるとき、言語以外で何かできますかという質問はありませんでしたか。

質問されました!だけど、何ができるとかの話よりも、俺ラグビーしていたから、「めっちゃ仕事するよ!」みたいな、そういう紹介をしました。例えば、仕事はとても厳しいし、たくさん働かないといけません。でも俺はラグビーしてたから、とてもタフと言いました。それがアピールになりました。だから、俺の勉強のことはほとんど言いませんでした。

ラグビー試合中の写真

Q:なるほど、だから、大学の4年間は勉強以外のバイトまたはサークルなどの活動も大切ですよね。愼太郎さんはどのようなバイトをしていましたか。そして、バイトの経験は、就職にどう役に立ったのでしょうか。

うん、それも大切です。俺はバイトもしていましたね。塾の先生のアルバイトをしていましたよ。英語と数学を中学生に教えていたんです。いま、会社で後輩ができて、アルバイトの経験は、その後輩に仕事を教えるときに役に立っている。バイトの経験は、就職のときはあまり話さなかったけど、でも良い印象を持ってもらえたと思います。

大学から社会へ

Q:愼太郎さんは、現在、会社でどんな仕事をしていますか。

私はホンダで海外営業をしています。海外営業は、ホンダヨーロッパの店にバイクを輸出する仕事です。会社ではね、バイクを輸出したり、ヨーロッパでの販売戦略を企画したりしています。こんなバイクが欲しいとかこういうバイクが売れるんじゃないかみたいなディスカッションをして、それをヨーロッパで販売するという仕事をしています。

Q:一般的に、外国語専攻の学生は将来、翻訳者または学校で語学の教師として仕事すると思います。愼太郎さんはタイ語を専攻しているのに、どうしてホンダに就職しようと思いましたか。

これも、理由が2つあって、1つ目は、俺は子供のころからバイクがとても好きでした。なぜなら、お父さんがバイクが好きだったから。お父さんと2人でツーリングに行きました。それで、バイクが好きだった。ホンダは世界で一番のバイクの会社だから、ホンダに入ろうと思いました。

2つ目の理由は、タイに留学した時に、タイではトヨタとかホンダの車がいっぱい走ってて、とても大きな企業だと思って、憧れました。だから、入ろうと思いました。東南アジアはとてもたくさんホンダが走っている。だから、ホンダで仕事できたらいいと思いました。

Q:愼太郎さんは大学にいたとき、4年間ずっと言語を習いましたね。けど今の仕事には言語以外の知識も必要だと思います。この知識はどこから習いましたか。

これは会社に入ってから全部習った。会社に入るまでは全く習ったことはありませんでした。だから、大学で習ったことはあまり使ってない、本当に。

Q:だから今は、タイ語を使っていないですか?

実は使います、なぜかというと、タイの方に大きな工場があって、そこでバイクを作っています。それをヨーロッパに輸出します。その時、タイの工場の人とタイ語で話をします。だから、ちょっと使う。けど、主な仕事とは関係はありません。

大学生、これから大学に入りたい人へのアドバイス

Q:愼太郎さんは大学の学位は本当に大切だと思いますか。

俺は大切だと思います。なぜなら、ここは日本だから、日本は大学に行っているか行っていないかで全然違うから。それは給料が違います。あとは周りの目が違います。だから、大学の学位は必要です。その考え方は少しずつ変わってきていて、大学に行ってなくても、すごい人はたくさんいると思うようになりました。でも今は大切だと思います。日本とか、韓国とか中国という国々は大学の学位はとても重要だと思います。

Q:専攻の選択や就活に悩んでいる大学生に何かアドバイスがありますか。

そうやね、あまり仕事のこととか、将来のことを考えずに、その時勉強したいと思ったこととか、興味のあると思ったこと、なんか役に立つかなと思ったこと、なんとなく思ったことに挑戦して、それが勉強できる専攻がいいと思います。これを勉強したから、仕事に就けるとかをあまり考えずに。こんなことをできたら、いいかな。こんなことができたら、楽しいかな。例えば、タイ語が話せたら、なんとなくタイ語が話せる人が少ないし、いいかなみたいな。

Q:勉強以外にサークルとか部活の大切さについても聞きたいです。日本の大学だったら、これも大切ですね。

そうそうそう、絶対やった方がいい。めっちゃおすすめします。友達もいっぱいできます。なんでもいい、スポーツでもいいし、ミュージックでもなんでも。本当になんでもいいけど。友達がいたほうが楽しい、多くなくてもオッケーだけど、一人でも二人でもオッケーだけど、友達を作った方がいい。

(インタビュー:2020年11月)

Related Articles関連記事

大学生活

NEW!

ご飯の力で学生たちを応援

大学生活

ご飯の力で学生たちを応援

(株)常翔ウェルフェア せっちゃん食堂店長
大中真代さん

摂南大学の食堂「せっちゃん食堂」に勤めて26年。今は店長として、調理や新メニュー開発などを担当している大中さん。学食に興味を持って、食事を作る方の話を聞いてみたいと思い、インタビューをしました。この仕事を始めた経緯、食堂での仕事内容やできご…(続きを見る)

私たちが
取材しました

摂南大学

ハングルを教えること

大学生活

ハングルを教えること

関西外国語大学 短期大学部 助教
ハン・へソン(韓恵盛)さん

関西外国語大学に留学し言語学の分野で博士号を取得、現在関西外国語大学で ハングル語1、2を教えていらっしゃるハン先生。韓国語を教えるようになったきっかけ、教授法などについて話をお聞きしました。…(続きを見る)

私たちが
取材しました

関西外国語大学

戸惑うとき、「惑星」に聞いたら?

大学生活

戸惑うとき、「惑星」に聞いたら?

大阪大学大学院理学研究科宇宙地球科学
増田賢人さん

分からないときや混乱しているときは誰にでもあると思います。そのとき、「どうすればいいのか?」と悩んでいる人が多いでしょう。占いではなく、天文学でも「惑星」に聞くことで、その悩みを解決することができるかもしれない。天文学での「惑星」に聞くプロ…(続きを見る)

私たちが
取材しました

大阪大学

橋渡しの使命

大学生活

橋渡しの使命

大阪大学法学部留学生相談室
近藤香苗さん

大阪大学法学部の留学生相談室を牽引する近藤香苗さんは、20年以上にわたるカナダでの生活経験を活かし、世界各国からの学生たちの夢を支えています。カナダでの留学、仕事、そして生活への深い理解を背景に、彼女は留学生と日本人学生の架け橋となり、国際…(続きを見る)

私たちが
取材しました

大阪大学

新たな世界への招待状:研究者の扉を開け

大学生活

新たな世界への招待状:研究者の扉を開け

大阪大学大学院理学研究科物性物理専攻ナノスケール物性研究室
新見康洋さん

大阪大学大学院理学研究科物性物理専攻に所属する新見康洋教授は、ナノスケール物性研究室で、物質を原子一層の厚さまで薄くするという驚くべき研究を進めている。彼の研究は、2005年に発見されたグラフェンのような2次元物質の探求から始まり、スピン流…(続きを見る)

私たちが
取材しました

大阪大学

めっちゃがんばる人を応援、大阪大学「ワニ博士」

大学生活

めっちゃがんばる人を応援、大阪大学「ワニ博士」

大阪大学公式マスコットキャラクター、大阪大学企画部広報課広報係長
ワニ博士、魚井慶太さん

大阪大学豊中キャンパスで発見されたワニの化石を元に誕生したマスコットキャラクター。阪大の「知性」と大阪の「明るさ」を持ち、阪大の学生と教職員の間だけではなく、学外の方々にも愛されている。「ゆるキャラグランプリ2018」でご当地ランキング部門…(続きを見る)

私たちが
取材しました

大阪大学

大学は人生の夏休み?大学で人生を教える先生!

大学生活

大学は人生の夏休み?大学で人生を教える先生!

大阪大学キャリアセンター副センター長・准教授
家島明彦さん

大阪大学の基盤教養教育科目「現代キャリアデザイン論Ⅰ」の担当教員、家島先生。大阪大学人間科学部の卒業生で、現在は大阪大学キャリアセンターの副センター長・准教授を務めている。日本キャリア教育学会の常任理事(近畿地区部会の代表)も務めていて、キ…(続きを見る)

私たちが
取材しました

大阪大学

勉強するのは何のため?

大学生活

勉強するのは何のため?

大阪大学名誉教授
下田 正さん 

京都大学理学部で原子核物理学の研究を行って理学博士の学位を取得。1980年から2018年まで38年間、大阪大学で学部1年生から大学院博士課程まで多くの学生を教えた。大阪大学を定年退職後、関西大学や大阪大学の日本語日本文化教育センターで非常勤…(続きを見る)

私たちが
取材しました

大阪大学

退学してからわかったこと -とり天屋店長が語る阪大生活-

大学生活

退学してからわかったこと -とり天屋店長が語る阪大生活-

とり天屋店長
嶋田将大さん

嶋田さんは和歌山県出身、元阪大法学部生で、今は石橋商店街のとり天屋「とき」の店長です。人と話すのが好きで、お店でお客さんと会話しながら楽しく働いています。明るい性格でお客さんに対する気遣いができるので、たくさんの常連さんが来ています。…(続きを見る)

私たちが
取材しました

大阪大学

留学生の日本へのなじみ方:日本にとけこむ秘訣!

大学生活

留学生の日本へのなじみ方:日本にとけこむ秘訣!

台湾 文藻大学学生
ゴシカンさん

ゴシカンさんは、台湾の文藻大学で英語を専攻し、副専攻で、日本語を五年間学んでいます。 2018年に横浜国立大学に1年間留学しました。サークル活動やアルバイトなど積極的に参加し、日本人ともとてもなじんでいて、その姿は、留学生である私から見て…(続きを見る)

私たちが
取材しました

横浜国立大学

横浜での日々―いつものこと

大学生活

横浜での日々―いつものこと

横浜国立大学キャップ野球チーム Sounds on Beach 副代表
ともさん

今までの人生で15回もの引越しを経験し、様々な環境で生活を送ってきたともさん。アメリカとマレーシアでの海外経験もあります。大学入学で横浜に来て、ひとり暮らしを始めてから一年。彼が今までどのような生活を送り、横浜でどんな思い出をつくり、どんな…(続きを見る)

私たちが
取材しました

横浜国立大学