アカペラで世界は一つになる

大阪大学

アカペラで世界は一つになる

PEOPLEこの人に取材しました!

杉田篤史さん

アカペラグループINSPiリーダー

大阪大学経済学部を卒業し、2001年にデビュー以来、現在まで20年以上にわたってアカペラグループINSPiのリーダーを務めている。また、株式会社hamo-labo代表取締役であり、ハーモニーを通じて人のコミュニケーションを助ける研究を続けている。2005年より日立のCMソング「この木なんの木」のアカペラを担当。

青春を楽しもう

Q:アカペラに興味を持った理由が知りたいです。

高校生の時はロックバンドでボーカルとギター役を担当するなど、音楽に興味がありました。アカペラについては、大学に入学してから友達に誘われて始めましたね。でも、アカペラを専門とするグループは大阪大学にはなかったので、INPSiをつくることになりました。アカペラのパイオニアみたいな気分はありましたね。

Q:学生時代、アカペラサークルの面白いエピソードがあれば教えてください。

私たちは毎週集まってアカペラを練習し、色々なところで公演しながらアカペラを楽しみました。そんななか、大阪大学で他大学との交流イベントがあって、私たちのサークルも参加したんですけど、それがきっかけで、大学の代表としてアメリカに行きましたね。カリフォルニア大学バークレー校の学生との交流で、音楽だったら言語を越えて交流できるということに気づきました。

Q:本格的にデビューしたのはいつですか?

大学生活を続けながらデビューするために努力しました。しかし、プロデビューは容易ではなく、メンバーのほとんどは途中から就職活動や大学院進学に専念することになって、私は卒業後入社する予定でした。ところが、その直前に「ハモネプ」(*若者のアカペラグループを紹介するテレビ番組)に出演して、意外なことに、プロデビューを果たしました。その時に、音楽の道を歩んでいけるような気がしました。

20年以上の活動、原動力は仲間とファン

Q:INSPiが活動して20年以上になりますが、今まで音楽活動を続けることができた理由は何だと思いますか?

まず、メンバーに恵まれていると思います。みんな真面目で、音楽に対して本気で活動してきました。また、ファンですね。いつも応援してくださるファンがいたからこそ、今まで前向きに活動してこられたと思います。 中にはデビューした時から今までずっと応援してくださるファンの方もいらっしゃって嬉しいですね。

INSPiのコンサート

Q:グループ活動を続けるには、杉田さんのリーダーシップも重要な要素だったと思います。

最初は強いリーダー像に憧れていました。徹底的に計画を立てる指導者の役割がグループを導くのに理想的ではないかなと思いました。でも、それは私のキャラクターとは合わないと思って、指導者ではなく、もっとメンバーとの関係を大事にしながら、お互いに向かい合って音楽を続けるような形で頑張ることにしました。ボスより、リーダーという表現が似合いそうですね。仲間たちにいつも感謝しています。

音楽から社会への貢献

Q:現在、音楽を通じてコミュニケーションを発展させることについて研究中だと聞きましたが、紹介していただけますか?

今は音楽のハーモニーを通じて人間関係を改善するため愛媛大学と共同研究をしています。人類は原始の時代から音楽を通じてお互いの感情を共有したり、組織を円滑に導いてきましたね。だが、そのような音楽の力は、現代社会ではうまく機能していないと思いました。なので、その力をより有効化し、音楽を通じて社会を調和させることを学術的に研究しています。

Q:hamo-laboという会社を運営していますが、簡単な紹介をお願いします。

hamo-laboは音楽のハーモニーから人間関係を学ぶ場所です。集まった人々が対等な関係で、一緒にハーモニーを合わせながら歌い、お互いについて深く知ることで人間関係に役立つ色々なスキルを学べるプログラムを用意しています。

これからの目標と学生たちへのアドバイス

Q:INSPiの目標はありますか?

INSPiの結成リーダーとして、これからもずっと活動したいですね。最初から応援してくださっている方はもちろん、最近知った方々とも一緒に年を重ねながら音楽を楽しみたいです。一緒に人生を歩んでいく気分です。

Q:夢について悩んでいる学生たちにアドバイスを一言お願いできますか?

一旦、挑戦することが大事だと思います。チャンスができたら、最初の一歩を踏み出してベストを尽くし、経験をたくさん積むのがいいと思います。今は私が大学生だった25年前より、時代の変化が激しく、闇雲に挑戦するのは難しい状況だとは思いますが、失敗してもいいので慎重に試していくのはどうですかね。

INSPiの活動はこれからも続ける

(インタビュー:2022年12月)