公益財団法人国際文化フォーラム

りんごをかじろう報告

先輩に話を聞いてみよう

文京区の中高生向け施設b-labと共催で9月には韓国語講座、2016年2月には中国語講座を実施しました。これらの講座では、初の試みとして、中高生が隣語を学ぶだけでなく、その隣語を高校生のときに学んでいた先輩大学生と交流する機会も設けました。

b-lab×TJF韓国語講座

やってみればいいんだ

堀川智聡
国士舘大学2年

「自分の経験を紙芝居にして中高生に話をしてほしい」と頼まれたとき、最初は断ろうと思いました。人見知りで、初めて会う人とのコミュニケーションが苦手なのです。でも、2014年に参加したTJF主催の交流プログラム「SEOULでダンス・ダンス・ダンス」の経験を思い出して、中高生に伝えたいことが湧き上がってきました。それは「自分から相手の心に歩み寄る」こと。ダンス・ダンス・ダンスでは、日韓の中高生36人がグループにわかれてK-POPダンスを踊るのですが、私のグループは相手のことばをしゃべれる子がいなくて、私が通訳の役を務めました。でも、細かなところまでは伝えきれなくて、コミュニケーションがまったくうまくいきませんでした。韓国の子が陰で悪口を言っていたことをプログラム後に聞いてすごくショックでした。でもそれ以上に、なぜそういうことになったのかその子の本心を聞きたいと思って、すぐにカカオトークでメッセージを送りました。すごく気の強い子だったので無視されるかと思ったのですが、「仲良くなりたいのにことばの壁があってできなかった、でも楽しかった」と返ってきました。私と同じ気持ちだったことがわかって、すごく嬉しかったんです。
そして中高生に伝えるために、自分の気持ちを振り返って整理するなかで気づきました。やってみなきゃわからない、やってみればいいんだって。中高生にちゃんと伝わったかどうか不安もありますが、すごくいい経験になりました。

参加者の名前がハングルで書かれた風船を見ながら、グループでハングルの表をうめていった。

b-lab×TJF中国語講座

参加者はゲームを楽しむなかで、中国語にふれた。隣語講座では、ことばを学ぶためにゲームをするのではなく、ゲームをより楽しくするためにことばが必要となる状況をつくるようにしている。
中国語講座で自分の経験を紙芝居にして語る大学生。

参加者の声

  • 「韓国語を勉強して、こんなことができるようになるんだってわかっておもしろかった」
  • 「ゲームで学べたので、中国語が身近に感じられた」
  • 「交流プログラムに参加した先輩の話を聞いて、ことばの壁を理由にしないで言いたいことをはっきり言うことが大切だとわかった」

事業データ

b-lab×TJF 隣語講座2015 韓国語

日時

2015年9月20日(日)

場所

文京区青少年プラザb-lab

主催

文京区青少年プラザb-lab、TJF

講師

張河林(東京大学大学院)

参加者

中高生8名

b-lab×TJF 隣語講座2015 中国語

日時

2016年2月21日(日)

場所

文京区青少年プラザb-lab

主催

文京区青少年プラザb-lab、TJF

講師

張玥(東京大学大学院)

参加者

中高生9名

※事業報告書『CoReCa2015-2016』に掲載。所属・肩書きは事業実施時のもの。