公益財団法人国際文化フォーラム

あけましておめでとうございます


コロナ禍ですっきりしない中、日本流行色協会(JAFCA)は年末に2022年の色を発表しました。明るい希望を描く、光満ちるコーラルというコンセプトで「ジョリーコーラル(Jolly Coral)」(蛍光色)を選んだということです。「蛍光みを帯びた軽く鮮やかなコーラルオレンジ。長く沈み停滞していた心にふわっと光が差すような鮮やかで軽い色、疲れた心身にビタミンと喜びをチャージする色」だと説明しています。また、米国のパントン社(Pantone、色見本帳で知られる)は2022年のカラー・オブ・ザ・イヤーは「ベリーペリ(Very Peri)」という赤紫の色味を帯びたブルー系で転換期を象徴する色を選んだと発表しました。ここに込められたメッセージには私たちの社会の空気が明確に表現され、時代の予感が表れているように思います。

もう一つ、カラーユニバーサルデザインについてご紹介しましょう。多様な色覚に配慮して、多くの人が等しく情報を認識できる配色を用いたデザインを心がけましょう、という考え方です。「色は誰にでも同じように見えているわけではありません、ある人にとって区別しやすい配色が、別の人には区別しにくいことがあります。逆にある人にとってよく似た色が、別の人には区別しやすい色であったりします。(東京都カラーユニバーサルデザインガイドラインより)」

あらゆる人が快適に暮らすための色彩や配色への配慮は、よりよい社会を築いていくための要素としてだけでなく、私たち一人ひとりがさまざまな背景をもっているということを再認識する大切な観点だということがわかります。

さて、皆さんそれぞれの今年の色は何色になるでしょう、そしてそれはどんなイメージでしょう。新たな気持ちを胸に、健やかで充実した一年となりますよう祈念申し上げます。本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

(事務局長/鈴木律子)