値段交渉はできる?決済手段は? ―日本と中国における購買行動の異同

値段交渉はできる?決済手段は? ―日本と中国における購買行動の異同

栁素子(やなぎ  もとこ)

栁素子(やなぎ もとこ)

中国ルーツの生徒と日本人生徒の協働による「中国文化理解」の授業である。様々なIT機器やアプリを駆使し、従来の買い物における値段交渉の話題のみならず、スマホ決済の最新事情までを扱い、リアルタイムの文化理解を試みている。また、学習内容と実際の中国研修旅行をつなげ、体験的、主体的な学びとしてデザインしている。学習プロジェクトで得た知見を学年集会で発信することによって、クラス外への中国文化理解の促進にも貢献している。

2017年10月1日

Category

言語
  • 中国語
対象
  • 中高生
活動タイプ
  • アンケート調査
  • インタビュー
  • フィールドワーク
  • プレゼンテーション
アウトプット
  • スライド
  • ワークシート
  • 台本
話題分野
  • 買い物

Tags

  • Dragon Dictation
  • iMovie
  • アンケート
  • インタビュー
  • エクセル
  • コンビニ
  • スマホ決済
  • ロイロノート
  • 値段交渉
  • 協働学習
  • 実習
  • 決済手段
  • 研修旅行
  • 買い物

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単元目標

・中国語の4技能(読む・書く・聞く・話す)の向上
(買い物をテーマにしたスキットを作成し、値段交渉の可否や決済手段について尋ねることができる。)
・日中文化の異同への理解および文化発信力の向上
(中国では店によっては値段交渉が可能であり、スマホ決済も普及していることを理解する。また、それを学年集会で他の生徒へ発信することができる。)
・情報機器の多面的な学習における活用 (個別・協働学習の促進,活動の効率化)
(発音矯正(Drangon Dictation)、動画作成(iMovie)、統計シート作成(エクセル)、プレゼンテーション(ロイロノート)などにおいて情報機器(アプリ)を活用することができる。)

インタビュー

このプランは実践したものですか。
実践してみようと思ったものですか。
実現の可能性はありますか。

実践したものです。(2017年度後期に実施)

どうしてこのプランを作ろうと思ったのですか。
発想の原点はなんですか 。

今回のテーマは、「『値段交渉はできる?決済手段は?』―日本と中国における購買行動の異同」というものでしたが、以下の点をふまえ立案しました。
①高校における実践ということで、使用テキストの内容と乖離したものではなく、4技能の向上も図ることが可能であること。
②今の中国について理解を深めることができ、高校生の生活にも関連する内容であること。(中国の購買手段の多様化については、最近ではよくニュースなどでも取り上げられ、日本国内(特に所属校のある大阪)においても中国人観光客がスマホ決済を行う場面が見られることが多い。)

実践してみて生徒の反応はどうですか。
実践していない場合、生徒のどんな反応が予想され、または期待していますか。

活動に消極的だった生徒もいましたが、おおむね好評でした。また、生徒のふりかえりの中には「今回の学習を通して、日本の支払い方法、中国の支払い方法の明らかな違いがよくわかりました。(中略)テレビで放送していた世界の支払い方法についても真剣にみていろいろ驚いたり、難しい話題についても面白いと思えるようになりました。学習できてよかったと思います。」というものもあり、テーマに対する興味関心も深まっていたようです。

このプランに対する自己評価を教えて下さい。
また、学習のめやすを取り入れた授業を試みるにあたって、どんな課題や効果があると思いますか。

今回も反省点が残りました。情報機器を使用する際は余裕をもって授業時間を設定すべきでした。また、購買行動においてもその異同に気づくことはできましたが、事由や背景までについては発見させることができませんでした。事由などについて考えることができるようヒントを出したり、リサーチ方法をアドバイスするなど教員側の配慮が必要でした。
「めやす」的授業実践の効果としては、リフレクションシートにも書かれていたように、生徒のモチベーションが向上したことが挙げられると思います。また、本実践(「中国文化理解」)のみならず、関連科目(「中国語A」)において積極的な態度が見られるようになったことも大きな収穫でした。

同業者仲間に向けて、ワンポイントアドバイスや感想を一言お願いします。

今回は日本国内の中国食材店、中華街、さらに中国国内においてインタビューを行いましたが、代替手段としてZoomやスカイプなどを利用できるのではないかと思います。
高等学校では、新学習指導要領への移行期間(2019年度~2021年度)を控え、「主体的・対話的で深い学び※」が求められるようになっています。しかしながら、高校における具体的な指導法についてはほとんど示されていないというのが現状です。その中で、「協働※」、「ICTの活用※」など「主体的・対話的で深い学び」と共通項の多い『学習のめやす』はその実践手法の一つとなりうるのではないかと考えています。
※「幼稚園、小学校、中学校、高等学校及び特別支援学校の学習指導要領等の改善及び必要な方策等について(答申)」(平成28年12月21日中央教育審議会)

執筆者

栁素子(やなぎ  もとこ)

栁素子(やなぎ もとこ)

「外国語学習のめやす」マスター研修(2015)の修了者。参加当時は大阪府立門真なみはや高等学校教諭(中国語担当)。

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