くりっくにっぽん活用術

日本をとびだして、自由に生きる

執筆:西村パーク葉子

話題/目標:人との付き合い、地域・世界とのつながりを認識する、地域社会と世界、教室の外とつながる、社会のために行動する、自分と身近な人々

2020.10

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元ロックミュージシャンで、現在フィリピンで多岐にわたる分野で活躍をしている三宅一道さんに、武蔵野美術大学の学生がインタビューをした。日本社会での困難をバネに海外に飛び出した三宅さん。このインタビュー記事を読み、彼の自由な発想・生き方を知り、レジリエンスというスキルを考える。

目 標

・三宅さんのフィリピンに来たきっかけを知り、その時の決断について考え、話し合う。
・三宅さんのフィリピンでの活動を知り、土地の人々への影響を考え、会話を作る。
・三宅さんのストーリーから発展させ、レジリエンスというスキルについて話し合う。さらにそのスキルの一つである「人の役に立つこと」を実行することによって、レジリエンスの片鱗を体験し、理解を深める。

対 象 高校生レベル以上
日本語レベル 上級レベル
準備するもの

手順

1. 内容確認のための質問

a) 三宅さんは中学生の時、どんな経験がありましたか。

b) 三宅さんは大学を卒業した時、どんな気持ちになりましたか。

c) 三宅さんがロックバンドを始めたのはどうしてですか。

d) 下線部分*dを見てください。バンドが解散した時の三宅さんの気持はどうでしたか。次の中から一番近いものをえらんでください。

I. I need to find a job in Japan. That's the only way I can survive.

II. It's no good for me to stay in Japan. I would be pulled back into the world where I was bullied and there's no freedom. I can't stay in Japan.

III. I have to form another band in Japan as soon as possible. I need to express my freedom through music. That's all I can do.

e) 三宅さんはどういういきさつでダバオに行ったのですか。

f) 三宅さんはダバオでどんなことをしましたか。


2. ディスカッションポイントとリサーチ

g) 三宅さんはダバオにいい影響を与えたと思いますか。どうしてそう思いますか。

h) 三宅さんは、海外に行ったことを、「ある意味『逃げ』だったかもしれません」と言っています。あなたはどう思いますか。「逃げ」だったと思いますか。「逃げ」はいつもわるいことでしょうか。いいことでしょうか。話し合ってください。

3. 表現活動のヒント

i) 三宅さんの大学の卒業生が三宅さんの授業や、ダバオに作った会社について話しています。その会話を作ってください。

j) グループで、三宅さんを表す言葉を集めてください。そして、その言葉を使って、どうしてそう思うのか、文を書いてください。
(例) クリエイティブな人:クリエイティブな人だと思います。日本語の授業で、ギターをひいたり、ラジオドラマを作ったりしたからです。

■発展問題
次のレジリエンスのスキルを読んで、話し合いましょう。

1: Cultivate a Belief in Your Ability to Cope. 自分は、なんとかできる力があると信じる。

2: Stay Connected With Sources of Support. 助けてくれる人たちとつながる。

3: Talk About What You're Going Through. 何がおこっているか、どんな気持ちかを話す。

4: Be Helpful to Others. ほかの人たちの助けになること、やくに立つことをする。

5: Activate Positive Emotion. 積極的にポジティブな気持ちを持つ。

6: Cultivate an Attitude of Survivorship. まけない、という気持ちを育てる。

7: Seek Meaning. 今おこっていることの意味を考える。
(Source: https://www.psychologytoday.com/us/blog/lifespan-perspectives/202003/seven-skills-resilience)

a) 三宅さんは、今日にいたるまでに、上のリストの中のどのスキルを使ったと思いますか。三宅さんのどの行動がそれを示していますか。話し合ってください。

b) あなたは、上のリストのスキルのどれかを使ったことがありますか。他にどんなスキルを使いましたか。あなたの経験をクラスメートとシェアーしてください。

c) 上のリストの四番目に「ほかの人たちの助けになること、やくに立つことをする」とありますが、グループで、自分達にどんなことができるか話し合ってください。そして、実際にやってみましょう。その後、どんなことをしたか、次のポイントを日本語で書いてください。

  • どんな状況でしたか。例:てん校生(a transfer student) がクラスに入って来ました。かれはベトナム人です。英語があまりわかりません。だから、いつも一人でランチを食べています。
  • 何をしましたか。例:私たちは、かれといっしょにランチを食べて、やさしい英語で話しました。
  • どう感じましたか。例:うれしかったです。かれはとてもうれしそうだったからです。かれは、おもしろい人です。私たちにかんたんなベトナム語を教えてくれました。
  • いいことをする前とした後では、気持ちに変化がありましたか。例:はじめは、ちょっとはずかしかったです。でも話してよかったです。ほかの人たちの助けになることは、そんなにむずかしくないと思いました。まただれかの力になりたいと思います。

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