EVENT REPORTS実施報告

「多文化×芸術」ワークショップ in アレッセ高岡

「多文化×芸術」ワークショップ in アレッセ高岡

2025.05.29

対象
NPO法人アレッセ高岡在籍中の外国につながる中高生
参加費
無料
期間
2025年4月26日(土)

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TJF、オーバード・ホール、NPO法人アレッセ高岡の共同主催で、4月26日(土)に「多文化×芸術」ワークショップを行いました。参加者はアレッセ高岡に在籍中の外国につながる中高生及び支援員、教職員の方々、計30名でした。東京在住で振付家・ダンサーの田畑真希さんがメインファシリテーター、富山在住で舞台俳優・専門学校教員の長谷川万葉さんがサブファシリテーターを務め、身体表現中心のアクティビティを参加者と行いました

NPO法人アレッセ高岡は、「言語的・文化的に多様な青少年(CLD青少年)が進学等によって自己実現を果たし、日本とルーツの国の架け橋として、また、地域社会の一員として活躍する人材となることを目標とし、学習・情報支援を行って」(HPより)いる団体です。

アレッセ高岡は「CLD青少年の教育を軸とした地方創生を目指しています」(HPより)。一方、TJFとオーバード・ホールがコラボして2024年より行っている中高生年代向けの「とやまPCAMP」や「<多文化×芸術>ワークショップin 富山」は、地域に生きる多様な十代が多文化共生社会の構成員であり創り手であることを体感してもらうためです。両者の目指すところには重なる部分が大きいです。このような経緯から、アレッセ高岡には「とやまPCAMP」の協力団体をお願いしています。そして、この度、オーバード・ホールの皆さんのご尽力、アレッセ高岡の青木由香理事長の全面バックアップのもと、はじめて支援教室でのワークショップが実現しました。

アレッセ高岡には、外国につながる中高生の日本語及び教科の学習支援教室を毎週火曜日の夜、土曜日の午前と午後に開いています。今回のワークショップは土曜日の午前学習と午後学習の間にある11:30~13:00の休憩タイムを利用しました。

学習時間の最後に青木理事長が終了のベルを鳴らすと同時に、ファシリテーターの田畑さんから「勉強で疲れたでしょう。少し遊びませんか」という声掛けからワークショップが始まりました。まだ勉強道具を広げたままの机と椅子を教室の壁際に寄せ、フロアーの真ん中を空けて、さっそくウォーミングアップをスタート。

田畑さんのリードで身体を伸び縮みしたり、音楽に合わせてフロアー内を縦横に移動したり、日本語の指示を聞いて隣の人と爪先同士(相手を変えて指、肘、頭など)をくっつける、1人でまたはペアで1本足、3本足、5本足になって歩くなど、どんどん難易度を上げていきました。子どもたちも支援員の方々も終始笑顔で、楽しそうにアクティビティに「巻き込まれて」いきました。 最初は恥ずかしがって壁に寄りかかっていた数人の生徒も、大人が近づいて指や爪先を出すと、はにかみながらも動きを合わせてくれました。そして、いつの間にほとんどの生徒がアクティビティの輪に入っていきました。あとで分かったことですが、壁際の子たちは春先に来日したばかりでまだ日本語での活動に慣れていなかったそうです。

身体の強張りがすっかりほぐれ、触れ合う楽しさの余韻が残る中、1時間程度でアクティビティが終了、お待ちかねのカレータイムとなりました。実は青木理事長のご紹介で、射水市にあるハラルのカレー屋さんに大量のカレーと米飯をつくってもらい、オーバード・ホールの担当者の車でワークショップ会場に運び込んでいました。カレーの香りがプンプンする中でワークショップを行ったという訳です。 「誰かカレーをサーブしたい人はいますか」と青木理事長が呼びかけると、生徒さんが手伝ってくれて、まるで学校の給食タイムのようでした。カレーはバターチキンとキーマの2種類でした。どちらもおいしい、おいしいと、みなさんはたくさんお替わりをしました。

終了後、ワークショップを最初から最後まで見学された保護者さんに感想を聞くと、日本語で「まる!」と即答してくれました。また、一緒に参加した支援者の方からは「子どもたちみんなが楽しそうでよかったです。これから他のイベントに参加するモチベーションも上がるでしょう」という感想が聞けました。

青木理事長から以下のご感想をいただきました。

支援員の皆さんが積極的に参加している様子を見て、子どもたちが喜んでいました。ここの生徒はムスリム家庭の子が多いのですが、今回のアクティビティはガンガン踊るのではなく体操の延長みたいな感じでしたし、参加者同士の関わり方も自由でしたので、参加しやすかったと思います。夏の「とやまPCAMP」にも関心を持つ子が出てくるといいなと思います。

ワークショップへの参加を呼びかけてもらった当初は数名しか参加の意思表示がなく、はっきりと「参加したくない」という声もあったと言います。結果的に子どもと大人を合わせて30名の参加はうれしい驚きでした。学習仲間や支援員の方々と一緒に身体表現を通じて交流できたことが、富山生活での楽しい経験になってくれたら、ワークショップは大成功と言えましょう。

事業担当:長江春子

事業データ

共同主催

公益財団法人国際文化フォーラム(TJF)、公益財団法人富山市民文化事業団(オーバード・ホール)、特定非営利活動法人アレッセ高岡

期間

2025年4月26日(土)

会場

特定非営利活動法人アレッセ高岡

参加者

アレッセ高岡に在籍中の外国につながる中高生及び支援員、教職員等 計30名

ファシリテーターチーム

田畑真希氏(メインファシリテーター、振付家・ダンサー)
長谷川万葉氏(サブファシリテーター、舞台俳優・専門学校教員)

運営チーム

運営チーム
長江春子(TJF)
税光華氏(オーバード・ホール)
東ひなた氏(オーバード・ホール)
※参加者の募集と取りまとめはNPO法人アレッセ高岡

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