
「多文化×芸術」ワークショップ in 富山(身体表現編)
2025.05.29
- 対象
- 小学生から大人までの市民
- 参加費
- 無料
- 期間
- 2025年4月27日(日)
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TJFは各地域において「多文化×芸術」をコンセプトとするワークショップを実施しています。4月27日(日曜日)、富山県富山市において、TJF×オーバード・ホール コラボ企画の一つ、「いっしょにおどって友達になろう!」と題するワークショップを実施しました。このコラボ企画は身体表現編(略して「おどる」ワークショップ)とシアターゲーム編(5月実施)があり、今回は「おどる」ワークショップについて報告します。


「おどる」ワークショップ
「おどる」ワークショップは午前の回と午後の回に分けて実施しました。対象はどちらも小学生から大人までとしました。プログラムの内容も午前と午後はほぼ同じで、市民の皆さんが都合のいい時間帯を選んで参加できるようにしました。午前の回も午後の回も20名を定員に公募しました。実際には午前の回には子ども6名も含む16名が、午後の回には子ども6名を含む20名が参加しました。メインファシリテーターは東京在住の振付家・ダンサーの田畑真希さんが、サブファシリテーターは富山在住の舞台俳優・専門学校教員の長谷川万葉さんが務めました。そして、富山在住のパッカーショニストのヤマダベンさんが駆け付け、午前の回の音楽を担当してくれました。



午前中のワークショップ
様々な動きによるアイスブレイク、ウォーミングアップを行い、道具を使わないペアワークに慣れてもらったと、紙風船とゴム風船を使ったアクティビティを行いました。一つの風船をつぶさないように、落とさないようにして二人の掌と掌、肘と肘の間に挟んで様々な方向に動かしていくというアクティビティです。ことばを使わず、パートナーがどの方向にどのように風船を動かしたいのか、風船を通して身体の意志を伝えあい、コミュニケ―ションを取りあいながらの共同作業です。






静かに会場の照明を落としていき、ベンさんの幽玄な生演奏の中で、どのペアも息ぴったりのパフォーマンスを繰り広げていました。フロア全体が身体表現の絵巻のように美しく、別世界の時間がゆっくりと流れていました。



ミニ発表会
終盤では3チームに分かれてミニ発表会をしました。紙風船を一人一つ持って自由に表現してもらいましたが、表現者と風船の関係性だけでなく、一緒に表現しているチームメンバーとの関係性も表出され、全体で一つのアンサンブル作品となっていました。


午前の参加者の感想(アンケートより)
- 今日はみんなでわくわくどきどきできてとてもうれしかった。
- 普段ダンスをしたことがなく不安だったが、感じるままにダンスすることができて楽しかった。
- 普段こんなことをしないので、少し恥ずかしかったけれど、だんだん自分の世界に入り込んだ感じでした。
- 新空間、新感覚、めざめ、よびさまし、快楽・嬉・浮・揺・飛・漫・雲・風・吹。
- 今まで体験したことのないことを35歳になって経験できて、新鮮な気持ちになり、童心に返れて楽しかったです。
- 表現できて楽しかったです。PCAMPは大人も対象としてほしいです。
- 年齢もバラバラでいろんな人と交流しながら体を自由に動かせることは心地よいです。
- さいごにふうせんをうかばせるのがじょうずになったからうれしかった。
- 素敵な照明と生演奏で自分と向き合うことができたと感じています。様々な世代が一緒にパフォーマンス(ミニ発表会)をすることで達成感がありました。
- 子供も大人も楽しく身体を動かせて、最後は自分もアートの一部になり、他のアートも鑑賞して個性を感じて、すべてよい。 ・できないこともできるようになりました。

午後のワークショップ
午後は午前の回と同じようにアイスブレイク、ウォーミングアップ、メインワークと進み、中盤と終盤に各1回のミニ発表会を行いました。1回目の発表は前半で行ったペアワークを自由に組み合わせて動き続けるというものでした。




2回目の発表はチームダンスでした。チームダンスは中高生年代を対象とする3泊4日間のパフォーマンス合宿(PCAMP)のプログラムの一部です。4、5人でチームを組み、各メンバーに好きなマイポーズを決めてもらい、それらを自由につなげて創ってもらいます。午後の回の参加者にもこの創作を体験してもらいました。


年代が違うからこそ
今回のワークショップの対象は小学生から大人までとしていました。実際に参加した最年少の方は年長児でした。最年長は小学生から見ての祖父母世代。実に年齢幅が大きいクワークショップでした。しかし、一緒にやってみると、表現することにおいて年齢差による支障はなく、むしろ、表現の幅と深みを感じさせるものとなりました。

午後の参加者の感想(アンケートより)
- みんなでダンスをつくってもっとみんなとなかよくなれたきがします。前に出たり、かんそうをいったりして、わたしはしゃべるのとか、すきだったから、すごく、たのしかったです。つらいことはありません。
- ダンスがつくるの楽しかった。みんなで協力してつくってとてもおもしろかったです。
- 参加者全員と少しずつ「一緒に動いて」どんどん仲良くなれて、楽しかった。
- 体でのおしゃべりが(相手の心を汲み取り表現する、相手を思いやる)とても楽しかったです。自分も他の人にも優しくなれる方法だと思いました。
- とても楽しませてもらいました!本当に富山の皆さんに知っていただきたいです!そして、また、ステキなWS等を開いてもらえると嬉しいです。
- 体を動かすのが不安でしたが、最初に少しずつあたためてもらえて汗をかくほどでした。二人でなにかを挟む動きは集中力が高まりよかったです。最後にダンスまで作れてびっくり!ほんとうに楽しかった。
- 純粋に体を動かすことのできる、言葉はないけど、心地よい素敵な時間でした。正解のないダンスの楽しさがぎゅっとつまっていました。
- とてもたのしく体をうごかせました。また大人も参加できるワークショップをやってほしいです。
- 言葉を使わずに相手に伝える事は本当に難しいですね。でも伝わった瞬間グッときますね。また受けたいです。
- はじめての方とダンス作品をつくるのが楽しかったです。全身使って心も体もほぐれました。PCAMP宣伝します!
- 小さい子からおばあちゃん世代まで広くふれ合うことができて良かったです!男性や他の国の方もいたらもっといいな!
- 笑顔あふれるワークショップ、ありがとうございました。ひさしぶりに全身を使ってとても気持ちよかったです。
- みんなでたのしくダンスをしてたのしかったです。ちょっとなかよくなりました。またやりたいです。
- 人とのコミュニケーションが言葉だけではなくても伝わるところが、今回の事を通じてよく分かりました。いつもとは違う経験をする事で子供も大人も貴重な物を得られました。
- 本かく的にむずかしいやつとかすると思っていた。思っていた感じじゃなくて、すごく楽しかったです。

ワークショップを終えて
多世代混在の楽しいワークショップの最後に、この夏に開催予定の「とやまPCAMP2025」についてお知らせしました。今度はぜひ周りの中高生年代に参加を勧めていただき、そしてPCAMPの最終日にエネルギー溢れる十代の若者による盛大なステージ発表をぜひ観覧していただきたいです。

事業担当:長江春子
事業データ
- 共同主催
-
公益財団法人国際文化フォーラム(TJF)、公益財団法人富山市民文化事業団(オーバード・ホール)
- 期間
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2025年4月27日(日)10:00~12:00/14:00~16:00
- 会場
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富山市民芸術創造センター 舞台稽古場
- 参加者
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午前のワークショップ:子ども6名を含む16名
午後のワークショップ:子ども6名を含む20名
- ファシリテーターチーム
-
田畑真希氏(メインファシリテーター、振付家・ダンサー)
長谷川万葉氏(サブファシリテーター、舞台俳優・専門学校教員)
ヤマダベン氏(午前の回音楽担当、パーカッショ二スト)
- 運営チーム
-
長江春子(TJF)
税光華氏(オーバード・ホール)
東ひなた氏(オーバード・ホール)
※その他、富山市民芸術創造センター技術スタッフ