公益財団法人国際文化フォーラム

チキュウノキボウ未来共創事業報告

大阪・関西万博で2度目のワークショップを開催しました!

ひとと違うって希望

2025年10月5日(日)に大阪・関西万博にて、5月に引き続き2度目の開催となる、当財団の「チキュウノキボウ未来共創事業」のワークショップ「The CONNECT」を開催いたしました。

本ワークショップは、公益社団法人2025年日本国際博覧会協会主催の「ジュニアSDGsキャンプ体験型プログラム」の一環として提供したものです。多様な背景を持つ参加者が、互いの「違い」を尊重し、新たな希望の物語を「共創」することを目指して実施しました。SDGsの各目標は孤立しているのではなく、全体を包括的に捉え、連携して取り組むことが重要とされており、本ワークショップの趣旨と親和性が高いものです。

当初、中学生・高校生を対象としていましたが、実際には幼児から成人まで幅広い年齢層の方にご参加いただきました。

The CONNECTの内容

本ワークショップは、「人と違うことは、新しい価値を生み出す希望である」という考えのもと、未来の物語を共創するという内容です。

プログラムは、国や地域のではなく、地球規模の世界観で進めることを共有した後、以下の5つのステップで「つながり」を実感できるようにデザインしました。最初の活動に「色」を取り入れたのは、色がことばよりも個人のイメージを自由に表現し、思考の偏りにとらわれにくいこと、また、受け手の解釈や批判にさらされずに率直に表現できると考えるからです。

ステップ1:個人作業/イメージを「色」で表現

「自分の過去」「自分の現在」「自分の未来」「大阪の未来」という4つのキーワードから連想する色を、当財団オリジナルの色相環図から選びます。

TJFオリジナル色相関図

ステップ2:個人作業/色から「ことば」を紡ぐ

次に、上記4つのイメージカラーについた番号を足したり、繋いだりして最後に導き出される数字の色から思い浮かぶ「ことば」を付箋に書き出し、貼りだします。

それぞれの色番号と色から発想することばを色相関シートに貼りだす参加者の様子

ステップ3:ペアワーク/ことばをつなぎ合わせる

ファシリテーターが、色相環図上で最も離れた場所にある付箋を2枚選びます。選ばれた付箋を書いた人同士がペアになり、互いのことばをつなぎ合わせます。

<生まれたことばの組み合わせ>
・にんじんぶどう
・光で反射した南極でミックスジュース
・春のプランクトン
・夕方の梨
・森林ときは
・夕焼け直前の水
・あおいみかん
・ゆうやけのはじまりはなやか
・アジサイの花畑
・桃型ドーナツ

ペアと自分のことばをつなぎ合わせる様子

ステップ4:ペアワーク/未来の物語を共創する

つないだことばが「地球の希望的な未来にとって鍵になるようなものだとしたら」という仮定で、その理由をペアと対話しながら考え、以下の構文を完成させます。
「チキュウの希望的な未来は●●●●●にかかっている。なぜなら◆◆◆◆◆だから。」

<対話して考えた理由>
●にんじんぶどう
   ◆農業の発展、自給自足の生活が大切だから
●光で反射した南極でミックスジュース
   ◆ストレスが多い人は南極に行くと、幻想的で心が癒されて、頭を働かせるのにも糖分が必要だから
●春のプランクトン
   ◆生命の誕生はチキュウにとって大事なことだから
●夕方の梨
   ◆食べることは生きることだから
●森林ときは
   ◆美しい自然には豊かな生命があるから
●夕焼け直前の水
   ◆再生可能エネルギーだから
●あおいみかん
   ◆多くの光が必要だから
●ゆうやけのはじまりはなやか
   ◆はなやかな気持ちできることが大切だから
●アジサイの花畑
   ◆幸せな想いをつなげるから
●桃型ドーナツ
   ◆食が人と人をつなげるから。

ペアと紡いだことばから、地球の希望未来を考える様子

ステップ5:全体ワーク/未来の物語を共有する

ペアで紡いだ未来の物語を、全体で共有します。六角形を2つつないだ形のワークシートを、色相環図シートの上に並べると、ぴったり隣とつながります。その様子はまるで、それぞれの物語にもつながりがあり、多様性が育んだ未来の可能性のように美しく見えました。

色相関シート上でつながった参加者たちの地球の希望未来

今後の展開

本事業の背景と目的は、前回の大阪・関西万博で実施したワークショップの報告 の中で記したとおりですが、今回、夏に開催した合宿型交流プログラムThe QUESTの成果も踏まえて再設計した内容を提供しました。

今回のワークショップの成功を通じ、多様な年齢層への提供の可能性を確認しました。今後の展開として、従来通り中学生・高校生に限った参加者に加え、企業や親子向けイベントなど、幅広いニーズに柔軟に対応できる内容に新たなプログラムとしてリニューアルすることを検討します。これにより、「関係性構築のきっかけ」づくりを支援する対象者の範囲を大きく広げます。

また、活動の成果をプログラム終了後に思い返すきっかけになるアイテムや仕組みを考案し、体験の深化と継続的な関与の実現を目指します。なぜなら、プログラムの成果は、ワークショップ以降の参加者それぞれの行動にみられるものだからです。

今回万博で提供した「The CONNECT」は、ご要望に応じて中学校・高等学校、大学、研究機関、企業などへ出張開催することも可能です。みなさまの学校や組織で、未来を共創するワークショップを開催しませんか。ご関心のある方は、以下のフォームよりお気軽にお問い合わせください。

(事業担当:中野敦、宮川咲)

事業データ

チキュウノキボウ未来共創事業 体験プログラムThe CONNECT

日時

2025年10月5日(日)13:00~14:00

場所

大阪・関西万博会場 フューチャーライフエクスペリエンス

主催

公益社団法人2025年日本国際博覧会協会

実施

TJF

参加者

22人