My Way Your Way

アイドルは好きですか?

vol.1

なりたかった「私」爆発!

まり(21歳) みさきんぐ(21歳) さおりーな(19歳)

2013.02

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myw_gakusei_label.png 「日本のおもしろさを再発見して世界に伝える」をミッションとする明治大学国際日本学部のゼミとTJFがコラボしました。

ゼミ生が「アイドルは好きですか?」と「気持ちを伝えるデコ」の二つのテーマに分かれて取材、執筆した記事をお届けします。

取り組んだ学生の声 

インタビューを申し込んでも断られることが続き、人選に苦労しました。引き受けてくださった方々も、スケジュールがタイトでアポ取りも大変でし た。

関連リンク

  • 『国際文化フォーラム通信』 第97号 「人に迫る」 PDF

なりたかった「私」爆発!

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地方のPRや活性化のために活動する「ご当地アイドル」は、日本全国に100グループ以上いるといわれている。茨城県下妻市で活動している「しもんchu」は2010年に誕生したご当地アイドルだ。6人のメンバーのうち、3人に話を聞いた。彼女たちは「アイドル」になることで、ふだんできないこともできるという。アイドルから見た「アイドル」とは...。

プロフィール

まり(21歳) 
趣味・特技:カラオケ・プリクラをとること・ショッピング・読書・書道・絵や図工

みさきんぐ(21歳)
趣味・特技:アニメを見ること

さおりーな(19歳)
趣味・特技:美味しいものを見ることと食べること、野菜の大食い、アニメ声

しもんchu公式サイト http://www.shimonchu.com/


Q.ふだんの活動を教えてください。

まり:月一回の定期公演をしもんchu劇場(※)で、3ヵ月に一度の特別公演をショッピングモールにある映画館で行ってます。

myw_cimonchu-2.jpgさおりーな:県外で茨城のPR活動もします。この間も、東京の銀座にある茨城マルシェ(茨城の名産品を販売しているお店)でイベントをやりました。歌って、茨城のお菓子を配ったんです。
こういうイベントとかライブの後には握手会や撮影会もやっていますよ。

※しもんchu劇場:下妻市内にあるコンドー楽器の3Fホールにある。

Q.アイドルになったきっかけは何ですか?

まり:私は高校の同級生の友だちに、下妻でアイドル募集するから一緒にやってみない?って言われて、すごい軽いノリで「楽しそうだね。やるやるー!」って感じで始めました。モーニング娘が小学校の頃好きで、よく友だちとダンスを踊ったりしていたので私もやってみたいと思っていました。

みさきんぐ:知人にしもんchuと関わっている人がいて、その人に「やってみない?」って言われて入りました。この時はまだオーディションはなくて、歌のテストだけでした。もともとアイドルとか見るのがすごい好きで、小学生のときもモーニング娘に憧れていたんですよ。でも、しもんchuのことは名前しか知らなかったのでいろいろ悩んでたんですけど、とりあえずやってみよう、と思って決断しました。

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©shimonchu

さおりーな:私は茨城が大好きで、茨城をPRしたいとずっと思ってました。でも、高校生が個人的にPR活動をするのは難しいじゃないですか。しもんchuが茨城のPRの活動もしていることを知って、これだ!って思って、二期生のオーディションに応募しました。それに、小さい頃からアイドルになりたいという思いはあったんです。ただ、私じゃ無理だろうなって諦めていたんですが、茨城をPRするという目標があったから一歩踏み出せました。


Q.アイドルになって嬉しいことは何ですか?

まり:しもんchuに会いにわざわざ遠くから来てくださる方を見ると嬉しくなります。「今日は来てよかったよー」とか「遠くから来たかいがありました」とか言ってもらうと、もっともっと練習を頑張らなきゃと思いますね。見に来てくれる人は自分の休みの時間をしもんchuに費やしてくれているので、それを絶対に無駄な時間だったとは思わせたくないし、その時間を楽しいものにするのが私たちの使命かなって思います。

みさきんぐ:来てくれた人が、「しもんchuおもしろかった」とかTwitterに書いてくれているのを見ると励みになります! せっかく来てくれたのに「つまんなかったから来なきゃよかったな」とか、「他に行けばよかったな」とか思わせたくないので、楽しい雰囲気をお客さんに伝えるために、まずは自分がめちゃくちゃ楽しんでやっています(笑)。

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さおりーな:私は、ファンの皆さんから「楽しい」ひと時をプレゼントしてもらっていると思っているので、そのもらったプレゼント以上のものをファンの皆さんへ自分らしく返していきたいです。

まり:この前UMUアワードっていうご当地アイドルナンバーワンを決めるイベントがあったんです。動画のアクセス数や着うたのダウンロード数で順位を決めるんです。それでたくさんの方がTwitterとかで、しもんchuのことを拡散してくれました。こうやってしもんchuのために自分の時間を使ってくれている人たちがいるんだってこと実感してすごく嬉しかったです。その人の人生にちょっとだけ関われているのかなって思いました。

Q.辛いことはありますか?

まり:ほめてくれる人ももちろんいるんですけど、厳しいことを言う人もいて、ネット上で「可愛くない」とか書かれたりもするんですよ。それが最初は辛かったです。今は結構強くなりました(笑)。発想を転換して、この人はこう思うんだなって考えるようにしています。

みさきんぐ:私も今はそういう厳しい書き込みとかがあっても「今に見てろよ! 見返してやる!」って逆にバネにしています(笑)。

まり:それから、レッスンしてもその成果が出せないときは辛いです。一生懸命やっているんですけど、本番で緊張して間違えちゃったり、トークショーのときに噛んじゃったりすると「ああー、だめだなー」とか思っちゃいます。

Q.自分がアイドルだなって思うのはどんなときですか?

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©shimonchu

みさきんぐ:ステージでファンの方から名前を呼んでもらうときですね。ステージに立っているときって、本当の自分じゃないように感じるんですよ! その瞬間が好きだし、自分が一番キラキラしていると思います。

まり:私は、ステージに上がる前に舞台そでで準備していて「さあ、行くぞ!」って舞台に出る瞬間が、アイドルだなって思います。気持ちを切り替えて、これからアイドルになるぞ!っていう感じになるんですよね。それと、カメラを向けられたときに、イヒッて自然に笑顔になることですね(笑)。

さおりーな:私はイベントに参加したときに、「しもんchu様」って書いてある控え室があったり、その控え室にお弁当があったりすると、「わーっ、なんかアイドルっぽい!」ってテンションが上がります(笑)。しもんchuのために準備してくれている人たちがいるってことを感じると、あ、アイドルなんだなって思いますね。

Q.アイドルとして行動するとき、ふだんの自分とは変わりますか?

みさきんぐ:衣装やメイク、小物とかを身に付けると自動的にアイドルに切り替わりますね(笑)。ふだんの自分はあまり人と関わることが得意じゃないんですけど、「しもんchu」になるとファンの方と上手くお話しできたりするんです。

まり:アイドルっていつもにこにこしていて、みんなに元気を届けるってイメージだと思うんですけど、私はふだんはそんな感じじゃないですね。静かです(笑)。でもアイドルになると、笑顔も増えるし、ハキハキしゃべれるようになります。

さおりーな:ふだんだと、茨城の話ばかりしたり踊ったりしたら変じゃないですか。でもアイドルになるとそういうことができるので、ふだん我慢している分アイドルに切り替わると爆発します(笑)。よーし!みたいな感じで、ぐわーってテンションが上がります。

Q.「ご当地アイドル」と呼ばれることについてどう感じますか?

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まり:メジャーなアイドルとは区別して「ご当地アイドル」って言われるのはってことですよね? いつか、全国区のアイドルになれたらすごく嬉しいですけど、まだ茨城どころか下妻さえ盛り上げられているかも危ういので(笑)。もうちょっと頑張らないとって思います。でも、「ご当地アイドルといえばしもんchuだよねー」って言われるぐらいにはなりたいですね。

みさきんぐ:できれば有名になりたいですけど(笑)、茨城と下妻を背負っていることは忘れないでいきたいです。自分の発言で茨城とか下妻のイメージを下げちゃうこともあるので、責任があると思っています。

さおりーな:もしAKBさんのような有名なグループに入れたとしても、私は嬉しいかどうかわからないです。ご当地アイドルをやっていることで地元の人と話せる機会が増えたり、茨城をPRできるっていうこともあるし、茨城の人のあたたかさをより感じられたりするので...。例えば、今だと近所の人が親戚の人を誘って私たちの定期公演に来てくれたりするんです。これがもし、全国区のアイドルだったらまた違うと思うんです。

Q.実際にアイドルになってみて、アイドルになる前のイメージとギャップはありますか?

まり:アイドルって可愛い衣装を着て、キラキラのスポットライトを浴びているイメージだったんですけど、陰での努力ってそうとうなものなんだなと思いました。私たちも週に2回3時間程度の歌とダンスのレッスンを受けたり、自主練したりしますけど、メジャーなアイドルはそれ以上にもっとすごいんだろうなって思います。ギャップというより真実を知ることができました (笑)。 

みさきんぐ:今まで思っていたアイドルのイメージとは違って、しもんchuはみんな、キャラ作りとかもしてないのに最初驚きました。でも、こっちのほうが、そのままの自分でいられていいです。

さおりーな:私は、自主練をたくさんしなくちゃいけないということに驚きました。でも、アイドルってステージでやったことがすべてで、自主練をいくらしても本番で失敗したらダメなんです。人前に立つ仕事は、過程ももちろん大切だけど、結果で評価されるんだなっていうのをしみじみ感じています。


Q.しもんchuの仲間はどういう仲間ですか?

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みさきんぐ:「友だち」「家族」「しもんchuのメンバー」というようにカテゴリーとしてくくれるくらい大事なものです。今の自分にはすごく必要なものですね。

まり:みんな個性豊かで、刺激も受けるし、なにより楽しいです。でもやっぱり友だちっていう感じではなくて戦友というか(笑)。少しでも縁があって一緒になった子たちなので、そのご縁を大切にして頑張っていけたらいいなって思います。

さおりーな:年齢も違うし、普通に生活していたら絶対に出会わないメンバーなんです。知り合わないはずの人間がこうやって一つになれたっていうその奇跡に感謝して、これからもよろしくお願いします(笑)。

まり・みさきんぐ:こちらこそー!(笑)

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©shimonchu


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