オーストラリアの教室で先生漫才コンビが大活躍! 中川隆二さんと早川雅人さん(後編)

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「どうも~、Hyogo Boysで~す! よろしくお願いしま~す!!」
Hyogo Boysを結成した、兵庫県の高校の英語教師、中川隆二さんと早川雅人さんの「んじゃめな!」体験レポートの後半です。

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漫才の基本はボケとツッコミ。
始まりのことばは、「どうも~。●●です。よろしくお願いしま~す!」。
ツッコミ役はボケ役に、「何でやねん!」と突っ込む。
ボケ続ける相手にツッコミ役は最後に「もうええわ」という。
そして「ありがとうございました~」で終わる。
このパターンを日本語の学習に持ち込んだ。生徒たちは与えられたトピックで、どうやってボケるかを考える。

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早川:初めて漫才を披露したのが10月やったね。
中川:初めて生徒たちに漫才をつくってもらったのが12月。
早川:登場シーンから、ぼくらの想像をはるかに超えてましたわ。
中川:確かにな。
早川:すごいテンションで入ってきて、紙投げるわ、大声出すわ。見てておもろかった。日本ではあんまり考えられん状態。
中川:ほんまやね。いちばん心に残ってるのは、ある高校でひとりの生徒が楽しそうに歌を披露してくれたこと。
早川:ああ、あったなあ。
中川:その生徒はあんまり日本語レベルは高くなくて、ふだんの授業ではおそらく目立つ子ではない。でも、漫才の形を利用しながら、自分を上手に表現して、それを周りの生徒が受け止めていた。もうすごく嬉しかったわ。
早川:生徒たちのネタもおもしろいんですけど、ぼくらのほどではなかったかな。
中川:なんでやねん。
早川:(笑)。「日記」がトピックのときに、大体は、「朝ごはんは○○を食べました」「○時に学校にいきました」という感じでネタを考えるのに、あるコンビがいきなり「今朝、おばあさんが私に手伝って猫を探してくださいといいました」と、自分の世界に引き込んだよね。漫才のいちばんいいところは無限に場面設定ができるところ。それをやったので、ぼくはめちゃくちゃうけました。

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2人は2014年3月に帰国し、兵庫県の高校に戻り英語教師として教壇に立っている。
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中川:学んでいることばを実際に使ってみる、下手でも、身振り手振りを使っても伝えてみる。コミュニケーションの楽しさを実感することが基本ラインだという認識が前よりも強くなりましたね。今、授業のはじめに1 minuteトークをやってます。たとえ間違っていてもOK。とにかく楽しむんです。
早川:生徒たちが何かをつくったり、自分のアイディアを使う活動を入れるようにしてます。生徒の可能性を以前よりもずっと信じるようになったんですね。

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Hyogo Boysは帰国直前、メルボルンで行われたビクトリア州日本語教師会の研究大会に招かれた。Key Note Speechならぬ漫才の授業を披露。爆笑の渦が会場におこったのはいうまでもない。自分もぜひ授業で取り入れたい!との声が多くの先生からあがった。今ごろあちこちの教室から「なんでやねん!」「もうええわ」が響いているに違いない。

▼Hyogo Boysの動画は下で見られます。
https://www.youtube.com/watch?v=vw82oKZkdFA

▼スクリプトは下のウェブ右下ページから。
http://www.hyogo.com.au/