ロシア語しか通じない教室で、ロシア語ができない中納さんのんじゃめな

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 わやわや 2015年5月6日
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◆◆ んじゃめな!
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今回の「んじゃめな!」は、文部科学省のREXプログラム(外国語教育施設日本語指導教員派遣事業)で、2005年にロシア・サハリンに派遣された中納淳裕(なかのう・あつひろ)さんの体験談。日本語の外国語指導助手(ALT)として赴任したはずが、ひとりで教壇に立つことに。ロシア語ができない中納さん、ロシア語しか通じない教室。困り果てた中納さんがとった行動は......。

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ことばがわからないから身についた対話力
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サハリンでの登校初日。まずは日本語の授業を観察しようと、教室でビデオカメラを構えて待っていた。しかし、いつまで経っても先生はやって来ない。代わりにやってきた英語担当の教頭先生に、「日本語の先生は誰ですか?」と聞くと、返ってきた答えは「You」。

頭が真っ白になった。なんでも、日本語の先生が突然辞めたという。私はロシア語ができない。教室の中学1年生は、まだほとんど日本語が話せない。もちろん、授業は惨憺たるものだった。その日そんな授業をあと10回繰り返した。11の学年が日本語を学んでいるのだ。

こんな授業をこれから2年間続けるのかと悲惨な気持ちで帰宅し、ふと思い出したのが近くにある残留日本人協会。何かヒントがあるかもしれないとさっそく訪ねて、何か困っていることはないか、自分にできることはないかをそこにいたおばあさんたちに聞いてみた。すると、サハリンで生まれた孫と日本語で話したい、日本語が得意じゃない息子や娘に誰かが教えてくれたらいいのになあと言う。

「じゃあ、私が無料で教えましょう」

ここで日本語を教えながら、授業に必要なロシア語を学ぼうと思いついたのだ。こうして、週2回の中級日本語講座が始まった。例えば、まず日本語で「教科書を開いてください」と言って、みんなに意味を尋ねる。わかった人に「ではロシア語では何と言いますか?」と聞く。相手は日本語、私はロシア語の表現を覚えるのだ。

翌週の学校の授業で驚いたのは生徒たち。「えっ? 先生がロシア語をしゃべってる!」

困難はほかにもあった。着任して3日目。私を招聘した教育長が収賄で逮捕された。後任の教育長は、私の妻にはビザを出さないという。そこで私は申し出た。

「2人分働きます。私はパントマイムができるから、サハリン中の幼稚園で公演しましょう」

幼稚園を回るうちに、芸術学校に呼ばれコンサートに出演。さらに市議会の議場でやってくれと頼まれ、「賄賂」をテーマに演じた。するとこれがみんなに受けて、市長が「すごくよかった。私にできることは何かないか?」と言う。妻のビザのことを相談すると、ものの1分で話はついた。

子ども番組でコーナーをもったり、大学でも教えたりと活動の場が広がっていった。帰国するときには、トップニュースで取り上げられた。ALTだけの活動だったらこうなってはいなかっただろう。ラッキーだったと思う。

当時ロシア語はわからず、相談できる人もいないなか、自分ができることは何かを考え続け毎日必死だった。そんな状況だったからこそ、コミュニケーション力、特にノンバーバルコミュニケーションの力が格段に上がったと思う。場の空気を読み、相手のペースに合わせて空気をつくっていく。サハリンの2年間で得た大きな収穫だ。サハリンに行く前と行った後で、自分の授業は確かに大きく変わった。

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◆◆ スタッフのつぶやき
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こんにちは、スタッフの柴田幹子です。

もうすぐ、年に1度の定期健康診断がやってきます。日ごろの運動不足がたたり、毎年健診直前に「しまった、体重が、血液が」と後悔しているのですが、そんな私もスポーツクラブに入り浸っていた時期がありました。仕事を辞めて暇だったころでもあり、近くのジムになんとなく通うようになりました。

最初はほんの暇つぶしでしたが、徐々に体脂肪を落とすことに喜びを感じるようになり、午前中はマシンジムで準備運動、エアロビクスや筋力トレーニングのスタジオレッスン、午後はアクアビクスに水泳と運動三昧でした。

眉間にしわを寄せ、ダラダラ汗を流しながら一心不乱に筋トレに打ち込む姿は、鬼気迫るものがあったかもしれませんが、自分では「美しい体になっていく~」とご満悦。しかし、アスリートでもないのに1日でも行かないと「体がなまってしまう!」と罪悪感を感じる精神状態は、明らかに不健康でした。

仕事復帰と同時にそんな毎日からも遠ざかりましたが、1年に一度も体重計に乗らず健康診断におびえる今の生活も、決して健康的ではないなぁと反省しております。

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