旅の出会いがつながって日本語教師に。布尾勝一郎さんの「んじゃめな!」

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┌[参加者募集]───────
●7/4(土)「りんごをかじろう ベトナム語辞典を編む」
https://www.tjf.or.jp/jp/information/2015/inf2015_03.html

●9/20(日)第一回 隣語講座「韓国語」
(文京区青少年プラザ b-labとの共催)
http://b-lab.tokyo/event/1830
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 わやわや 2015年7月1日
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◆◆ んじゃめな!
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今回の「んじゃめな!」は、佐賀大学で日本語を教えている布尾勝一郎(ぬのお・かついちろう)さんの体験談。新聞記者から発展途上国を旅するバックパッカーとなり、さらには日本語教師に転身。運命の分かれ道となった、海外での出会いとは......。

◎辺境で出会った日本語教科書

「へえ。日本語の教科書って、こんなふうになっているのか」

日本語の教科書を初めて見たのは、メキシコ南部の地方都市、オアハカに滞在中のことだった。当時、私は新聞記者の仕事を辞めて、学生時代の旅の続きのようなことをしていた。学生時代の南米の旅は、言葉がわからなくてどうも消化不良だった。だから、今度はスペイン語が学びたかった。

安いスペイン語学校に入学したところ、先生たちの教え方が、どうも怪しい。町のものを指さして、単語を繰り返すようにと言うばかり。説明もあいまいだ。こんなところにお金をかけてはいられない。そこで地元の大学で日本語を学んでいるメキシコ人学生を自力で探して、スペイン語を教えてもらう代わりに、日本語を教えることになった。

「なかなか、しゃべれるようにならない」。そう悩むメキシコ人学生が見せてくれたのが、彼らが授業で使っている日本語の教科書だった。「スパナ」など工場で使う語彙が紹介されていて、大学生に適した内容だとは思えなかった。

◎旅の出会いがつながって

ふと思い出したのが、知人の日本語教師だった。タイに旅行中に出会ったのだが、偶然にも同じ高校の先輩だった。インドネシアで日本語を教えているという近況は聞いていた。

「こういう教科書って、普通なんですか?」

メキシコの片田舎から、ジャカルタにメールを送った。すると回答とともに、こんな返信があった。

「日本語教育に興味があったら、やってみる?」。

ちょうどバックパッカー生活も一年。次はどうしようかと思っていた。思い切って、インドネシアの私立大学の日本語専任講師に応募したところ、合格をもらった。同じ時期に、彼が卒業した大阪の大学院言語文化研究科に進もうと、アドバイスをもらいながら勉強した。こちらも合格できた。人の縁とはありがたい。

◎周辺からこそ見える気づき

変わった経歴だと、よく言われる。日本語教師の養成講座で学んでいないというコンプレックスはある。だから帰国後に、資格を取ろうと日本語教育能力検定試験を受験した。今年3月に博士論文も提出した。ただ、知識は技術になるけれど、「授業はこうしなきゃいけない」と凝り固まらないようにしたい。

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◆◆ スタッフのつぶやき
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私にはSOUL MATEと呼んでいる女友だちがいます。小中高が同じ学校で、家もすぐ近くで、私が日本に来る直前の直前まで、何をするにもいっしょでした。物理的に距離が離れても手紙や電話でよく連絡をとりあっていて、私が休みで韓国に帰ると、飲みながら夜な夜な溜まった話をするのが決まりです(笑)。彼女とは心が通じ合っている+会うと不思議と元気が湧きます。そんな彼女との関係を仲よしという言葉で表すのは、何か物足りないので、SOUL MATEと呼んでいます。

そんな彼女が、この6月めでたく結婚しました! 韓国で一般的な盛大な結婚式ではなく、ソウル市内にあるこぢんまりとした、でも由緒のある伝統家屋での結婚式です。参列者は新郎新婦の両親と兄弟のみ。衣装もウエディングドレスや高級チマチョゴリではなく、新婦は清楚な白いワンピース、新郎はカジュアルなリネンシャツにチノパンという格好。カメラマンも雇わず、写真は家族みんなで撮り合ったそうです。昔から彼女が話していた理想の結婚式でした。

韓国出張の日程を終え、式から一週間が経った彼女に会いました。式の写真を見せている彼女は本当に幸せそうで、私も胸がいっぱいになりました。結婚祝いのプレゼントは日本のお守りがよいというので、あじさいが綺麗な鎌倉長谷寺のお守りを渡しました。もうすぐ旦那さんとオーストラリアに移住する彼女。もう韓国に帰っても会えないのは寂しいですが、オーストラリアで再会して、また夜な夜な新婚の話を聞くのもなかなかよいなと思います。

(シム・ヒョンミン)

===〔お役立ち情報〕=====

他団体が主催する、参加者募集中のイベントをご紹介します。
詳細は、各団体にお問い合わせください。

●波多野ファミリスクール大蔵守久先生の「年少者の日本語指導の工夫に学ぶ」
(主催:朝日カルチャーセンター/8月開催)
https://www.asahiculture.jp/shinjuku/course/7a51dc31-b516-62ac-21fe-554217a921a7

●高校生のための中国語無料講座
(主催 :日中学院/9月開催)
http://www.rizhong.org/info/img/2015koukousei.pdf

●「中学生韓国派遣事業」派遣団員募集(参加費無料)
(実施運営: 一般社団法人国際フレンドシップ協会/10月実施)
http://www.ifa-japan.org/PDF/jenesys20/JENESYS20_2015_Junior_High_Students_Interchange_Korea.pdf

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最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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◆発行元:公益財団法人 国際文化フォーラム
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