ニュージーランドの医学生が日本語にはまったワケは?

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┌[参加者募集]───────
●小中高校教員向けWS「探究する学びをデザインしよう〜プロジェクト学習で言葉と情報をフル活用する単元づくり」〔2017/3/26(日)、東京〕
https://www.tjf.or.jp/jp/information/2016/inf2016_10.html

●【5/12〆切】日韓のことばを学ぶ中高生交流プログラム、「SEOULでダンスダンスダンス2017」参加者募集中!
http://sfml.jp/?c=2592627&o=0031000000f78hzAAA&v=ec79fce2
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 わやわや 2017年3月1日

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◆◆ んじゃめな!
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2016年ニュージーランド日本研究学会(JSANZ)が主催する全国日本語スピーチコンテストで優勝した医学生のナサニエルさん。両親の離婚、再婚などで、小さい頃から引越しの連続。高校までに14回も転校したといいます。つらいときに日本語に支えられたとスピーチで語りました。今回はそんなナサニエルさんの「んじゃめな!」

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心を明るくしてくれた「サクラ色」
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私はニュージーランドのタウランガという町で生まれました。オークランドから車で南に2時間半行ったところです。その後、いろいろな町に引っ越し、そのたびに転校しました。そして、11歳のとき9番目の小学校で日本語にであいました。といってもあまりいい思い出はなく、授業で勉強させられた日本語は私にとってはただ難しい言語でした。

その後、中学生のときにオーストラリアのダーウィンに移り住みました。通うことになった中学校では日本語、中国語、インドネシア語、ギリシャ語のなかからひとつを選ぶことになっていて、私は日本語を選びました。こうして再び日本語の授業をうけることになったのです。最初の授業で、自分が覚えていた日本語でできるあいさつをしました。

「こんにちは。ナサニエルです。ニュージーランドから来ました」
すると、みんなはびっくり。私を日本人じゃないかと言う友だちさえいました。それで、日本語に自信がもてるようになったのです。

そんなとき、授業で先生がアンジェラ・アキの「サクラ色」と「孤独のカケラ」を聞かせてくれました。特に「サクラ色」はピアノの音色がすごく美しくてすぐに好きになりました。繰り返し聴いて、単語を辞書で調べながら、自分で英語に翻訳しました。詞の意味がわかるともっと好きになりました。

◎学べば学ぶほど難しい
その頃、いちばん苦手な教科は英語で、いちばん得意なのが日本語でした。日本語はいつもA。アニメやマンガから入って日本語が好きになる人が多いのですが、私はそうではありません。日本語そのものが好きでした。語順が英語と違う。なぜだろう。そんなことを考えるのもおもしろかったのです。

高校に入ると、外国語を2つ選べたので、日本語と中国語をとりました。中国語は入り口が難しいのですが、そのあとは大丈夫。逆に日本語は入り口は易しいのですが、勉強すればするほど難しくなるんです。知れば知るほど、知らないことが増えていく感じさえしました。

◎口ずさんだアンジェラ・アキの歌
転校が多く、2年以上同じ学校にいることがなかった私は、いつの間にか、友だちをつくっても意味がないと思うようになっていきました。すぐに友だちはできるのですが、すぐにバイバイしなくてはいけないから、仲良くなっても仕方ない。そのうち、バイバイすることも悲しいと思わなくなりました。母と長い間、口をきかなくなったときもあります。そんなつらいときでも日本語を勉強することはとても楽しく、いい気分転換になりましたし、「サクラ色」を何度も口ずさみました。

大学で言語を専攻するか医学を専攻するか悩みましたが、中学生のときから憧れていた医者になろうと決めました。医学部の勉強は大変なのですが、日本語コースもとっています。日本語に現われる考え方が医者になったときにも役に立つと思います。例えば、「来い」ではなく、「こちらにいらっしゃってください」と言ったほうが丁寧で患者さんにとっていいと思うからです。そして何よりも日本語を勉強するのが楽しいのです。



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◆◆ スタッフのつぶやき
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こんにちは、宮川です。
3月ですね、春ですね、陽が伸びてきましたね。
ついこの前までは、17時には既に外が真っ暗だったのに、今は定時(フォーラムの定時は17:30です)で上がって外に出る頃もまだ明るさが残っていて、「わあ、陽が伸びたなあ」なんてつい声に出してしまいました。

こうしてどんどん暖かくなって、お外で遊ぶのが楽しい季節がやってきますね。(わたしは虫が嫌いなので、お外では遊びませんが)

その頃になると、「ソウルでダンス・ダンス・ダンス」の募集の締め切りの日が近づいてきます。今年は日韓2名ずつ増やしてそれぞれ20名を募集します! 日韓でお互いの言語を学んでいる生徒同士が、一緒に5日間を過ごしながらたくさんの経験を共にします。

5月12日締め切りですので、韓国語を勉強している中3生から高3生の方は是非、ご応募ください! 一緒にソウルに行きましょう!

毎年、5日間のソウル生活をきっかけに変わっていく参加者を見て、勝手に親のような気持ちになります。年齢的には5~8歳くらいしか離れていないんですけどね。
今年はどんな方たちと一緒に行けるのか、楽しみです^^



===〔お役立ち情報〕=====

他団体が主催する、参加者募集中のイベントをご紹介します。
詳細は、各団体にお問い合わせください。

●【参加者募集】中国語教育学会第5回研究会「中川正之先生講演+ワークショップ」〔主催:中国語教育学会、3/11(土)、大阪府立大学I-siteなんば、定員:40名(事前登録が必要、非会員も参加可)〕
http://kokucheese.com/event/index/447215/

●【参加申し込み受付中】第5回JACTFLシンポジウム「外国語教育の未来を拓く:つながり始めた多言語・複言語教育」
大谷泰照大阪大学名誉教授による基調講演「新時代の異言語教育の考え方―歴史の教訓に学ぶ」があります。〔主催:JACTFL、上智大学国際言語情報研究所、特別協力:TJFほか、 3/12(日)、上智大学四谷キャンパス〕
http://www.jactfl.or.jp/



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最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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