日本の小学生生活

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~日本人の生活について~

■ 食生活

日本人の食生活は、和食、洋食、中華、韓国料理やタイ料理など、バラエティに富んでいます。それらの料理が一緒に食卓に並べられることもあります。たとえば、朝食にごはん(和食)、みそ汁(和食)、オムレツ(洋食)、ソーセージ(洋食)を食べたりします。一般的に主食はごはんを食べますが、朝食にパンを食べる人や昼食に麺類を食べる人も多くいます。また、魚介類の摂取量が多いのも特徴です。

○ 米

米は日本の主食で、日本人は米をよく食べます。稲作は、中国あるいは朝鮮半島から日本に伝わりました。その時期は、弥生時代(紀元前300年~300年)とも、それより古い縄文時代とも言われています。

米は、形や成分、生態などによって、ジャポニカ米とインディカ米、その中間のジャワニカ米に分けられますが、日本人が普段食べているのは、ねばりがあるジャポニカ米です。

米の調理法には、煮る方法と蒸す方法がありますが、日本の調理法はその中間の特殊な方法です。また、米から、あられ、せんべい、団子、酒、酢、みりんなどの加工品も作られます。

パンや麺類の消費量が増えたことなどにより、米の消費量は年々減少していますが、本来稲作は宗教的な意味を持っており、日本人の、米に対する特別な意識は、現在でも伝統芸能や収穫祭のような形で残っています。

○ みそ汁

日本人はふつうごはんを食べるとき、汁物として、みそ汁を飲みます。みそ汁は、だし汁(鰹などの魚の加工物や干し昆布からとったスープ)で具を煮たあと、みそを溶かして作ります。みそ汁の具には、大根などの根菜類や野菜、わかめなどの海藻類、とうふ、貝類などいろいろな物が使われます。

みそは、米からできたこうじを、蒸した小麦または大豆にまぜ合わせ、2~3か月発酵させて作ります。しょうゆとともに、和食の基本的な調味料の一つです。7世紀に中国から伝わり、室町時代(1333~1568年)に広まりました。みその色やにおい、味は材料の成分によって異なるため、産地によってさまざまなものがあります。

○ おかず

ご飯とみそ汁以外の食べ物を「おかず」といいます。おかずは一つの皿に盛られ、食卓の上で各自が好きなだけとって食べます。このように全員が食卓で一つの皿からおかずをとるのは中国式の作法ですが、家庭ではよく行われています。しかし、正式な日本料理の作法では、主食もおかずも、それぞれ個別の食器にあらかじめ盛られているのが普通です。

○ おやつ

小学校の児童が家に帰るのは3時ごろです。家に帰ると、おやつを食べる児童が多いようです。おやつは、お母さんが作ったり、買っておいてくれたりしますが、自分の小遣いで買う場合もあります。アイスクリームやチョコレート、ポテトチップスなどのお菓子は100円ぐらいで買えます。

■ 住生活

日本の伝統的な部屋は、床板の上に畳が敷いてありますが、現在の日本の住居は、畳が敷いてある和室と、フローリングや絨毯敷きの洋室の両方がある家が多く見られます。洋室では、いすやソファが使われます。

○ 畳

畳は植物の茎で作ったマットです。1枚の大きさは地域によってやや異なりますが、180センチ×90センチ(72×36インチ)ぐらいで、部屋の大きさを表すときに6畳、8畳のように畳の数が用いられます。本来はベッドとして使われたものですが、17世紀、江戸時代の初めごろからはカーペットのように部屋全体に敷き詰めて使われるようになりました。

畳はカーペットより厚みがあり、断熱効果が高いので、部屋を冬は暖かく、夏は涼しく保ちます。また湿度が高いときは空気中の水分を吸収し、低いときには水分を放出するので、湿度の高い日本の気候に適しています。

日本の伝統的な家屋では、いすを使いません。畳の上に直接、または座布団という小さな布団を敷いてその上に座ります。

○ 寝具

夜は、敷布団を畳の上に敷いて、掛布団を掛けて寝ます。朝起きたあと、布団を畳んで押入れにしまいます。ですから、昼間は部屋を広く使うことができます。畳の上に布団を敷いて寝るのは、日本の伝統的な生活スタイルですが、ベッドで寝る人もだんだん多くなってきました。

○ 風呂

典型的な日本の風呂は、トイレや洗面所とは別になっています。また、風呂は、湯の入った浴槽と、体を洗う洗い場に分かれています。浴槽の湯は一人ずつ替えるのではなく、家族全員が同じ湯を使います。ですから、洗い場で体をきれいに洗ってから浴槽に入るのです。最近は若い人を中心に、シャワーだけですます人も増えてきました。一人暮らし用の部屋やホテルなどではトイレと浴室が一つになったユニットバスが一般的です。

また日本では、家族とだけでなく、隣人や友人と一緒に銭湯に行ったり、旅行先で温泉に入ったりして、コミュニケーションを楽しむ習慣があります。現在はほとんどの家に風呂がありますが、銭湯や温泉も人気があります。そのほか、四季の行事に合わせて、香りのよい植物などを浴槽の湯に入れる習慣があります。たとえば、5月5日(子どもの日)に菖蒲を入れたり、冬至の日にゆずを入れたりします。

日本は水資源の豊富な国です。日本は世界の中でも降水量の多い国で、年間降水量は1000ミリから3000ミリに達し、水に不自由することは珍しいことでした。そのため、日本語には「湯水のように使う」という言葉があります。制限なしに大量に使うという意味です。このような自然環境が、水をふんだんに使う日本式の「湯浴」を生み出したと考えられています。

現在の日本では、ほとんどの家庭に「風呂」があります。多くの日本人は毎日、あるいは一日おきに入浴します。

○ 玄関

日本の家に入るときは、玄関で必ず靴を脱ぎます。玄関には、脱いだ靴を入れる「下駄箱」という箱が置いてあります。和室のないマンションでも、ドアの内側には、必ず靴を脱ぐ場所が作られています。また、家の床は地面より高くなっており、日本語では「家に入る」ことを「家に上がる」と表現します。

コピーライト The Japan Forum
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