マイ・ストーリー
坂井(さかい)未知(みち)
さかい みち


わたしはこんな(ひと)
 

 はっきり()って、がんこ(もの)です。がんこなのは(ちい)さいころからで、小学生(しょうがくせい)のとき、(はは)先生(せんせい)(おこ)られても「自分(じぶん)のここが(わる)かったんだ」と納得(なっとく)するまでは、絶対(ぜったい)にあやまりませんでした。また、慎重(しんちょう)なところがあって、すぐには決断(けつだん)しません。でも、一度目標(いちどもくひょう)(さだ)めてしまうと、それに()かってまっしぐらに(すす)んでいきます。ちょっとやそっとの障害(しょうがい)では方向(ほうこう)()えません。
 コンピュータのことはよくわからない、メールよりも手紙(てがみ)のほうが()き、トレンディードラマよりも落語(らくご)※4時代劇(じだいげき)()きという「アナログ人間(にんげん)」です。そのせいで、小学(しょうがく)5年生(ねんせい)から中学(ちゅうがく)1年生(ねんせい)まで、(とも)だちに「ばあちゃん」と()ばれていました。わたしは、「生活(せいかつ)のなかで(たの)しめることは、(たの)しんじゃえ!」と(おも)っています。(なに)ごとにも自分(じぶん)から積極的(せっきょくてき)()りくんで(たの)しみます。

 

おいたち
 

(ちい)さいころ
 わたしは、1983(ねん)千葉県(ちばけん)※1()まれました。(ちい)さいころは、(そと)(あそ)ぶことが(おお)元気(げんき)()でした。(とし)(ちが)()(あそ)ぶことが(おお)かったので、(ひと)づきあいも自然(しぜん)(おぼ)えました。
 (ちい)さいころはコロコロに(ふと)っていました。(そと)(はし)りまわっているわりには運動(うんどう)神経(しんけい)(にぶ)くて、幼稚園(ようちえん)のときにブランコから()ちて(あたま)1針(はり)ぬったり、(はこ)ブランコに(あし)をはさんでしばらく(ある)けなくなったりと、けがもよくしました。風邪(かぜ)をひくことはあまりありませんでしたが、扁桃腺(へんとうせん)をはらして高熱(こうねつ)()すことがよくあったそうです。

小学生(しょうがくせい)のころ
 小学生(しょうがくせい)のころから昆虫(こんちゅう)動物(どうぶつ)大好(だいす)きでした。(はは)によると、昆虫(こんちゅう)動物(どうぶつ)図鑑(ずかん)を「なめるように」()ていたそうです。(ちい)さいころは(いえ)(ちか)くにアマガエルがたくさんいて、よく(つか)まえました。アリ、チョウ、カブトムシ、カタツムリ、トカゲ、カエル、金魚(きんぎょ)(かめ)など、いろいろなものを()いました。動物園(どうぶつえん)水族館(すいぞくかん)()きで、とくに上野(うえの)動物園(どうぶつえん)にはよく()きました。(ちち)(はは)()たせて、動物園(どうぶつえん)1人(ひとり)で2(しゅう)も3(しゅう)もしていました。とくに猿山(さるやま)はおもしろくて、ずっと()ていても()きません。どれがボス(さる)()てたりしていました。(ちい)さいころはただ動物(どうぶつ)(なが)めているだけでしたが、そのうち、(ほん)()んで()知識(ちしき)をもとに、いっしょに()った家族(かぞく)にあれこれ説明(せつめい)するようになりました。
 学校(がっこう)ではずっと学級(がっきゅう)委員(いいん)※5班長(はんちょう)をやっていました。けっこう仕切(しき)()なのです。放課後(ほうかご)は、(しゅう)に1(かい)習字(しゅうじ)(なら)いに()っていました。それ以外(いがい)()は、(いえ)(かえ)るとすぐ近所(きんじょ)(とも)だちと(そと)()(あそ)んでいました。(いえ)(まえ)道路(どうろ)がおもな(あそ)()で、縄跳(なわと)びやおにごっこ、ドッジボールなどをして(あそ)びました。
 (そと)(あそ)ぶのも()きでしたが、(いえ)読書(どくしょ)をしたり、祖母(そぼ)祖父(そふ)(むかし)(はなし)()いたりするのも()きでした。

中学生(ちゅうがくせい)のころ
 中学生(ちゅうがくせい)になって剣道部(けんどうぶ)(はい)りました。(となり)(いえ)(おさな)なじみが剣道(けんどう)をやっていたので、自分(じぶん)もやってみようと(おも)ったのです。(かる)気持(きも)ちで(はい)ったのですが、剣道部(けんどうぶ)市川市(いちかわし)※2大会(たいかい)優勝(ゆうしょう)したり千葉県(ちばけん)大会(たいかい)出場(しゅつじょう)したりするほど(つよ)かったので、練習(れんしゅう)はとても(きび)しくてつらいときもありました。
 あいかわらず動物(どうぶつ)()きものが()きで、関係(かんけい)のありそうな(ほん)をかたっぱしから()んでいました。学校(がっこう)図書館(としょかん)にあった動物(どうぶつ)関連(かんれん)(ほん)()()しカードには全部(ぜんぶ)、わたしの名前(なまえ)(はい)っていたくらいです。
 学校(がっこう)から(かえ)ってくると、(はは)夕飯(ゆうはん)()いものに()きました。そのあとひまなときは、2(かい)祖父母(そふぼ)部屋(へや)()って、いっしょにテレビを()たり落語(らくご)()いたりしていました。わたしの(いえ)は2世帯(せたい)住宅(じゅうたく)で、2(かい)父方(ちちかた)祖父母(そふぼ)使(づか)い、1(かい)両親(りょうしん)とわたしたち姉妹(しまい)()んでいます。祖父(そふ)祖母(そぼ)(はなし)をするのは、(とも)だちと(はなし)をするのとは(ちが)(たの)しさがありました。とくに(むかし)(はなし)()くのが()きでした。また、夕飯(ゆうはん)をつくったり、()みものをしたりしている祖母(そぼ)様子(ようす)()ているのも()きでした。なぜかゆったりとした気分(きぶん)になって、()ちつくのです。

標茶(しべちゃ)とのであい
 わたしが中学生(ちゅうがくせい)のころ、千葉県市川市(ちばけんいちかわし)北海道(ほっかいどう)※3標茶町(しべちゃちょう)※6は、「標茶(しべちゃ)市川(いちかわ)少年(しょうねん)(ふね)」という交流(こうりゅう)プログラムを実施(じっし)していました。このプログラムには、小学生(しょうがくせい)から大学生(だいがくせい)まで参加(さんか)し、毎年(まいとし)交互(こうご)相手(あいて)のまちを(ふね)(たず)ねて交流(こうりゅう)していました。北海道(ほっかいどう)に、しかも(おお)きな(ふね)()くというので、わたしも参加(さんか)したいと(おも)いました。
 しかし、東京湾(とうきょうわん)から標茶町(しべちゃちょう)までの2泊3日(にはくみっか)船旅(ふなたび)は、(じつ)につらいものとなりました。ひどい船酔(ふなよ)いにずっと(くる)しめられたからです。(ふね)(うえ)(うみ)にかかる(にじ)()たことだけが、船上(せんじょう)唯一(ゆいいつ)のいいおもいでです。標茶(しべちゃ)(みなと)()えたときは、(こころ)(そこ)から「(たす)かったー」と(おも)いました。(おか)()がるとすっかり元気(げんき)になって、カヌーや乗馬(じょうば)標茶町(しべちゃちょう)中学生(ちゅうがくせい)との交流会(こうりゅうかい)、バーベキュー、キャンプファイヤーなどを(たの)しみました。このときに、標茶(しべちゃ)高校(こうこう)(はじ)めて訪問(ほうもん)し、校内(こうない)見学(けんがく)をしたり、バターづくりをしたりしました。「なんて(ひろ)くてきれいな学校(がっこう)だろう」と(おも)いました。

 
 

高校(こうこう)生活(せいかつ)
 

標茶(しべちゃ)高校(こうこう)
 中学(ちゅうがく)3年生(ねんせい)になって、どの高校(こうこう)受験(じゅけん)しようかと(まよ)っていたときに、標茶(しべちゃ)高校(こうこう)のことを(おも)いだしました。標茶(しべちゃ)高校(こうこう)には(りょう)があって、北海道(ほっかいどう)以外(いがい)地域(ちいき)からでも進学(しんがく)することができるのです。獣医(じゅうい)になるのが小学生(しょうがくせい)のころからの(ゆめ)で、高校(こうこう)卒業後(そつぎょうご)北海道(ほっかいどう)大学(だいがく)(すす)みたいと(おも)っていたので、北海道(ほっかいどう)高校(こうこう)(かよ)っていたほうが情報(じょうほう)(おお)()られると(かんが)え、標茶(しべちゃ)高校(こうこう)受験(じゅけん)することにしました。家族(かぞく)(はな)れることや寮生活(りょうせいかつ)をすることに(たい)する不安(ふあん)不思議(ふしぎ)とありませんでした。両親(りょうしん)最初(さいしょ)(おどろ)いたようですが、とくに反対(はんたい)はしませんでした。北海道(ほっかいどう)()くのが3(ねん)(はや)まっただけのことだと(おも)ったのではないでしょうか。
 標茶(しべちゃ)高校(こうこう)入学(にゅうがく)すると同時(どうじ)寮生活(りょうせいかつ)(はじ)まりました。(りょう)では、規則正(きそくただ)しく生活(せいかつ)しなければなりません。食事(しょくじ)やそうじなどの時間(じかん)()まっているので、いつも時間(じかん)()にして行動(こうどう)しなければなりません。それが、(すこ)しきゅうくつに(かん)じることもあります。でも、なかなか(はなし)をする機会(きかい)のない上級生(じょうきゅうせい)とも(なか)よくなれるのは寮生活(りょうせいかつ)のいいところだと(おも)います。

週末(しゅうまつ)ホームステイ
 (りょう)は、2日(ふつか)以上(いじょう)連休(れんきゅう)になると()まることになっています。だから、土曜日(どようび)授業(じゅぎょう)のない週末(しゅうまつ)(だい)2(しゅう)(だい)4(しゅう)土日(どにち))には、ほとんどの寮生(りょうせい)(いえ)(かえ)ります。わたしは市川(いちかわ)(いえ)(かえ)るのはたいへんなので、同級生(どうきゅうせい)(なお)ちゃんの(いえ)にホームステイをしています。(なお)ちゃんの(いえ)は、学校(がっこう)から40キロ(はな)れた標茶(しべちゃ)町虹別(ちょうにじべつ)酪農(らくのう)(いとな)んでいます。(なお)ちゃんのお(とう)さんとお(かあ)さん(わたしは「パパさん」「ママさん」と()んでいます)、おじいさん、(なお)ちゃん、(なお)ちゃんの(おとうと)のよしきくん、それと(なお)ちゃんのお姉さんが3(にん)の8人家族(にんかぞく)です。また、酪農(らくのう)仕事(しごと)手伝(てつだ)っている研修生(けんしゅうせい)()みこみで(はたら)いています。ホームステイをする(しゅう)は、金曜日(きんようび)(よる)におじいさんが(くるま)(むか)えに()てくれます。土曜日(どようび)は、よしきくんの相手(あいて)をして半日(はんにち)くらい(あそ)びます。あとは、()いものに()ったり、リビングでくつろいだり、勉強(べんきょう)したりして()ごします。そして、日曜日(にちようび)夕食後(ゆうしょくご)(りょう)(もど)ります。
 標茶(しべちゃ)高校(こうこう)(はい)(まえ)唯一(ゆいいつ)心配(しんぱい)週末(しゅうまつ)のホームステイでした。でも、実際(じっさい)にホームステイをしてみると、とてもいい(ひと)たちだったので安心(あんしん)しました。最初(さいしょ)こそ緊張(きんちょう)しましたが、(いま)はとてもリラックスしています。自分(じぶん)(いえ)だとだらけがちですが、ホームステイをすることでメリハリのある生活(せいかつ)ができるのはとてもいいことだと(おも)います。
 ホームステイをしない(だい)1(しゅう)(だい)3(しゅう)土日(どにち)は、(りょう)(とも)だちと()ごします。残念(ざんねん)なのは、まちに1(けん)しかない本屋(ほんや)さんが日曜日(にちようび)(やす)みなことです。(くるま)がないので、学校(がっこう)(ちか)くにしか()けません。だから、ホームステイをしない週末(しゅうまつ)(すこ)しつまらないです。

標茶(しべちゃ)高校(こうこう)について
 わたしは標茶(しべちゃ)高校(こうこう)()きです。校内(こうない)には(ゆた)かな自然(しぜん)があります。動物(どうぶつ)姿(すがた)()にすることはまれですが、(とり)のさえずりを(みみ)にしたり、動物(どうぶつ)足跡(あしあと)()にすると、(かれ)らの存在(そんざい)実感(じっかん)できます。
 また、先生(せんせい)たちがとてもユニークで個性的(こせいてき)です。バードウォッチングやスノーボード、()りなど多彩(たさい)趣味(しゅみ)をもつ先生(せんせい)(おお)く、そういう(はなし)になると()まらなくなってしまいます。わたしたちが()んでいる(りょう)には、毎晩(まいばん)先生(せんせい)たちが交代(こうたい)2人(ふたり)ずつ()まりこみます。宿直(しゅくちょく)先生(せんせい)たちと(はなし)がはずんで、()がついたら2時間(じかん)たっていたということもあります。
 それから、天体(てんたい)望遠鏡(ぼうえんきょう)やホロスコープ、バイオ技術用(ぎじゅつよう)設備(せつび)といった最新(さいしん)設備(せつび)()りいれたり、総合(そうごう)学科制(がっかせい)※7導入(どうにゅう)したりするなど、(あたら)しいことに積極的(せっきょくてき)にチャレンジしています。

高校生(こうこうせい)自然(しぜん)環境(かんきょう)サミットに参加(さんか)
 1年生(ねんせい)の8(がつ)群馬(ぐんま)県立(けんりつ)尾瀬(おぜ)高等学校(こうとうがっこう)主催(しゅさい)した高校生(こうこうせい)自然(しぜん)環境(かんきょう)サミットに参加(さんか)しました。このサミットは群馬県(ぐんまけん)(おこな)われ、環境(かんきょう)教育(きょういく)積極的(せっきょくてき)実践(じっせん)している全国(ぜんこく)の16の高校(こうこう)から51(めい)生徒(せいと)参加(さんか)しました。標茶(しべちゃ)高校(こうこう)からは、わたしを(ふく)めて4(にん)生徒(せいと)引率(いんそつ)先生(せんせい)参加(さんか)しました。サミットは「地球(ちきゅう)環境(かんきょう)」をキーワードに、情報(じょうほう)交換(こうかん)をしたり、自然(しぜん)人間(にんげん)とのかかわりについて(かんが)えたりして、環境(かんきょう)学習(がくしゅう)をさらに(ふか)めていくために企画(きかく)されました。日光(にっこう)国立(こくりつ)公園(こうえん)※8(ない)尾瀬(おぜ)(はら)※9水質(すいしつ)調査(ちょうさ)植物(しょくぶつ)観察(かんさつ)をしたり、参加校(さんかこう)高校生(こうこうせい)たちと交流(こうりゅう)(ふか)めたりしました。ふだん、(とも)だちとは動物(どうぶつ)(はなし)をあまりしないのですが、サミットの参加者(さんかしゃ)はみんな動物(どうぶつ)植物(しょくぶつ)知識(ちしき)豊富(ほうふ)で、(はなし)をしていてとても(たの)しかったです。
 (いま)いちばん大切(たいせつ)だと(おも)っているのは、このような(ひと)との「であい」です。ちょっとしたきっかけで北海道(ほっかいどう)にやってきて、たくさんの(とも)だちと()うことができました。自然(しぜん)環境(かんきょう)サミットでは、群馬(ぐんま)鹿児島(かごしま)などほかの地域(ちいき)高校生(こうこうせい)とも(とも)だちになれました。地元(じもと)高校(こうこう)入学(にゅうがく)していたら、こういう「であい」はなかったでしょう。(かんが)えてみれば、わたしが坂井家(さかいけ)()まれたのも不思議(ふしぎ)なことです。奇跡(きせき)とも()えるこれらの「であい」を大切(たいせつ)にしたいと(おも)います。

 

将来(しょうらい)について
 

 小学校(しょうがっこう)低学年(ていがくねん)のころは、動物園(どうぶつえん)飼育係(しいくがかり)になりたいと(おも)っていました。そのうち、(ほん)やテレビを()獣医(じゅうい)という仕事(しごと)があるのを()って、獣医(じゅうい)にあこがれるようになりました。(いま)は、高校(こうこう)卒業後(そつぎょうご)北海道(ほっかいどう)大学(だいがく)獣医学(じゅういがく)(まな)び、獣医(じゅうい)になって南米(なんべい)やアフリカで野生(やせい)動物(どうぶつ)保護(ほご)仕事(しごと)(たずさ)わりたいと(おも)っています。
 「人類(じんるい)自然(しぜん)破壊(はかい)することで発展(はってん)してきた」とよく()われますが、21世紀(せいき)(いま)まで(こわ)してきたものを再生(さいせい)させる時代(じだい)だと(おも)います。世界(せかい)規模(きぼ)公害(こうがい)地球(ちきゅう)温暖化(おんだんか)などさまざまな環境(かんきょう)問題(もんだい)解決(かいけつ)するためには科学(かがく)(ちから)必要(ひつよう)ですが、それ以上(いじょう)1人(ひとり)ひとりの(こころ)がけが大切(たいせつ)だと(おも)います。たとえば、あき(かん)やペットボトルを資源(しげん)ゴミ※10として()す、(みず)電気(でんき)をむだづかいしない、こういう(ちい)さなことを1人(ひとり)ひとりが実践(じっせん)していかなければならないと(おも)います。わたし自身(じしん)はそういったことを(こころ)がけていますが、(とも)だちなど身近(みじか)(ひと)たちにも(かんが)えてもらい、だんだんその()(ひろ)げていきたいと(おも)います。

 

家族(かぞく)(とも)だち
 

■わたしの家族(かぞく)
 わたしにとって家族(かぞく)は、「ふるさと」とか「()」という(かん)じがするものです。(はな)れていても(かなら)ずそこにあって、いつでも(かえ)ればあたたかく(むか)えてくれる。わたしのいいところも(わる)いところも、(なに)から(なに)までうけいれてくれる。そんな「()」があるから、わたしはどこにでも()くことができるのです。その「()」はなくなることのない、しっかりとしたものなので、ホームシックになることはありません。標茶(しべちゃ)高校(こうこう)への入学(にゅうがく)(まよ)うことなく()められたのも、家族(かぞく)(はな)れることに不安(ふあん)がなかったのも、しっかりした「()」があったおかげだと(おも)っています。

■わたしの(とも)だち
 (とも)だちはとても大切(たいせつ)です。中学生(ちゅうがくせい)のとき、練習(れんしゅう)がきつくても剣道部(けんどうぶ)をやめずにがんばれたのは(とも)だちが(はげ)ましてくれたからです。高校生(こうこうせい)になって(はじ)めたバスケットボール()練習(れんしゅう)をがんばれるのも「だいじょうぶだよ。できるよ」と()ってくれる(とも)だちがいるからです。それに、家族(かぞく)(はな)れて()らしているので、(たの)しいことや(かな)しいことを(なん)でも(はな)せる(とも)だちがいるのはとても心強(こころづよ)いことです。(りょう)(とも)だちがときどき「(いえ)(かえ)りたいよー」と()うことがあります。そんなときは、「みんなもそうなんだなあ」と(おも)って安心(あんしん)します。(よわ)いところを()せてくれるのもうれしいし、それがわたしへの(はげ)ましにもなるのです。
 (とも)だちからのプレゼントはみんな宝物(たからもの)です。(おさな)なじみからもらった指輪(ゆびわ)写真(しゃしん)()て、手紙(てがみ)写真(しゃしん)など、どれも大切(たいせつ)です。
 (とも)だち関係(かんけい)での(なや)みは、たとえばわたしはAさんもBさんも()きだけれど、BさんはAさんが(きら)いだとか、その(ぎゃく)だとか、(いた)ばさみになることがときどきあることです。

 

わたしのまち
 

学校(がっこう)のあるまち、北海(ほっかい)道標茶町(どうしべちゃちょう)
 (はじ)めて()たときの「歩道(ほどう)(ひろ)くてきれいなまち」という印象(いんしょう)は、()みはじめた(いま)()わりません。(ゆた)かな自然(しぜん)親切(しんせつ)な人々に(かこ)まれた環境(かんきょう)は、わたしにとてもあっていると(おも)います。
 標茶(しべちゃ)()らしはじめていちばん(おどろ)いたのは、北海道(ほっかいどう)のことばです。たとえば、てぶくろを「はく」と()ったりします。「はく」というと「(くつ)をはく」「靴下(くつした)をはく」など、(あし)関係(かんけい)するものにつかうと(おも)っていたので、とても不思議(ふしぎ)でした。それから、「ゴミを()てる」ことを「ゴミを()げる」と()うのにも(おどろ)きました。そのほか、居心地(いごこち)がいいことを「あずましい」、居心地(いごこち)(わる)いことを「あずましくない」と()うのも、標茶(しべちゃ)()()ったことばです。

(いえ)のあるまち、千葉県市川市(ちばけんいちかわし)
 自宅(じたく)千葉県市川市(ちばけんいちかわし)にあります。市川市(いちかわし)江戸川(えどがわ)(なが)れ、(みどり)(おお)いところです。広々(ひろびろ)とした(そら)(ひろ)がる江戸川(えどがわ)土手(どて)散歩(さんぽ)するのが、とても気持(きも)ちよくて()きです。羽田(はねだ)空港(くうこう)成田(なりた)空港(くうこう)短時間(たんじかん)()ける便利(べんり)場所(ばしょ)です。東京(とうきょう)通勤(つうきん)する(ひと)たちのベッドタウンとして発展(はってん)する一方(いっぽう)、『万葉集(まんようしゅう)※11にうたわれている(ふる)いお(てら)などがあったりする新旧(しんきゅう)()りまじった「ふるさと」です。わたしの()きな(きゅう)部分(ぶぶん)と、便利(べんり)(しん)部分(ぶぶん)両方(りょうほう)があるところが魅力(みりょく)です。

 

ミチってどんな人?
 

■お(かあ)さん
 まじめでコツコツ(かた)(ちい)さいときから(たの)んだことはきちんとやってくれました。がんこで、正義感(せいぎかん)(つよ)いです。あまり(ひと)にながされないマイペース人間(にんげん)自分(じぶん)興味(きょうみ)のあることには積極的(せっきょくてき)です。自立(じりつ)していて、がまん(つよ)くあまり感情(かんじょう)(そと)にださないので、だれとでもうまくやっていける()です。(SM-P09参照(さんしょう)。)

(いもうと)
 無口(むくち)だと(おも)ってたら、けっこうウザかった。いちいち()うことがムカつく。ときどきは勉強(べんきょう)(おし)えてくれる。(SM-P08参照(さんしょう)。)
勉強(べんきょう)(おし)えたのは『ときどき』じゃないはず。(むかし)はかわいかったのになあ……」

■お(ねえ)さん
 ()わり(もの)一見(いっけん)(くら)そうなのに(じつ)はすごい行動派(こうどうは)。ちょっと尊敬(そんけい)する。(SM-P08参照(さんしょう)。)
「わたしってそんなに(くら)そう? 自分(じぶん)じゃそう(おも)ってないけど……。“()わり(もの)”っていうのはほめことばだよね?」

担任(たんにん)(つつみ)先生(せんせい)
 一言(ひとこと)()うと、「(かしこ)()」です。相手(あいて)との間合(まあ)いをとるのが上手(じょうず)です。中学生(ちゅうがくせい)のときにやっていた剣道(けんどう)でつちかったったものではないかと(おも)います。ひくところ、()ちこむところのタイミングが絶妙(ぜつみょう)です。それから、大志(たいし)をもっています。中学生(ちゅうがくせい)のときに()めた目標(もくひょう)()かって一直線(いっちょくせん)(すす)んでいる高校生(こうこうせい)(すく)ないと(おも)います。 
 バスケットをしている未知(みち)は、教室(きょうしつ)でみる未知(みち)別人(べつじん)です。なかなかうまくいかず、ミスして「しまった!」という表情(ひょうじょう)をするのを(たの)しみ(?)にしています。「万能(ばんのう)人間(にんげん)はいない」といったところでしょうか。(SM-P06参照(さんしょう)。)

■クラスメイトのさっちゃん
みっちゃん*は、(ほん)内容(ないよう)(あら)さがしをします。そんな彼女(かのじょ)に、わたしは筆箱(ふでばこ)(かみ)くずを()れたり、ちょっとしたいたずらをしたくなります。でも、みっちゃんは(おこ)ったりしない、()(こころ)のひろーい(ひと)なので、わたしのいたずらはエスカレートするばかりです。みっちゃんスキ。ラブです。
*ミチの呼称(こしょう)
「『(あら)さがし』っていっても、率直(そっちょく)感想(かんそう)()べてるだけなんだけどなあ。いくら(こころ)(ひろ)いわたしでもあんまりいたずらすると爆発(ばくはつ)するわよ……」

(とも)だち
「お(かあ)さん、いや、おばあちゃんみたいな(ひと)地味(じみ)におもしろかったり。コケるし」
「しょっちゅう()われるけど、これは(よろこ)ぶべき? (かな)しむべき?」

「すごくしっかりしているし、(たよ)りになる。勉強(べんきょう)いつも未知(みち)(たす)けてもらってる。ありがちょー。(あたま)はいいけど、(なに)かがたりないよーな。ごめん、みち。」
「『天然(てんねん)ボケ』ってこと?ボケてなんかないよ~」

「みっちゃんはものしりでツッコミが上手(じょうず)で、まとめるのも上手(じょうず)!」
保護者(ほごしゃ)っぽい。よくめんどうみてくれる」
「みんなに(あい)されて(?)、みちは今日(きょう)going my way。でも、みんな!わたしはみんなと(おな)16歳(さい)なのよ――!!けっして80歳(さい)ではないからね――」
(SM-P10参照(さんしょう)。)

 

(ちゅう)
 

※1
西(にし)東京(とうきょう)隣接(りんせつ)する(けん)人口(じんこう)集中(しゅうちゅう)する北西部(ほくせいぶ)は、東京(とうきょう)横浜(よこはま)大都市圏(だいとしけん)衛星(えいせい)都市(とし)として住宅地(じゅうたくち)工業(こうぎょう)地域(ちいき)形成(けいせい)近郊(きんこう)農業(のうぎょう)のほか、東京(とうきょう)(わん)太平洋(たいへいよう)(がん)での漁業(ぎょぎょう)(さか)ん。人口(じんこう)(やく)5,961,000(2001(ねん))。地図(ちず)[GIF Image, PDF]参照(さんしょう)

※2
千葉県(ちばけん)北西部(ほくせいぶ)江戸川沿(えどかわぞ)いの()東京(とうきょう)通勤(つうきん)する人々(ひとびと)()(じゅう)宅地(たくち)となっている。また、京葉(けいよう)工業(こうぎょう)地帯(ちたい)一部(いちぶ)で、重化学(じゅうかがく)工業(こうぎょう)工場(こうじょう)(おお)い。人口(じんこう)(やく)454,000(2001(ねん))。地図(ちず)[GIF Image, PDF]参照(さんしょう)

※3
日本(にほん)最北端(さいほくたん)にあり、日本(にほん)主要(しゅよう)4(とう)で2(ばん)めに(おお)きい(しま)気候(きこう)日本(にほん)のほかの地域(ちいき)(くら)べ、気温(きおん)(ひく)く、降雨量(こううりょう)(すく)ない。1868(ねん)明治(めいじ)維新後(いしんご)新政府(しんせいふ)北海道(ほっかいどう)経済的(けいざいてき)発展(はってん)重視(じゅうし)し、()地域(ちいき)からの移住(いじゅう)奨励(しょうれい)した。広大(こうだい)土地(とち)利用(りよう)した欧米式(おうべいしき)大規模(だいきぼ)農業(のうぎょう)牧畜(ぼくちく)豊富(ほうふ)水産(すいさん)資源(しげん)背景(はいけい)とした漁業(ぎょぎょう)特色(とくしょく)人口(じんこう)(やく)5,708,000(2001(ねん))。地図(ちず)[GIF Image, PDF]参照(さんしょう)

※4
演芸(えんげい)のひとつ。(はな)()落語家(らくごか))が表情(ひょうじょう)(こえ)をかえ1人(ひとり)何人(なんにん)もの登場(とうじょう)人物(じんぶつ)になり()わって、滑稽(こっけい)なドラマを(えん)じる()(げい)

※5
●クラスの代表(だいひょう)委員(いいん)。クラスの(はな)()いのまとめ(やく)をしたり、全校(ぜんこう)代表(だいひょう)委員会(いいんかい)などにクラス代表(だいひょう)として出席(しゅっせき)したりする。

※6
北海道(ほっかいどう)東部(とうぶ)(まち)面積(めんせき)1099.56 km2中心(ちゅうしん)市街地(しがいち)釧路市(くしろし)北東(ほくとう)40kmに位置(いち)する。根釧(こんせん)台地(だいち)(くし)()湿原(しつげん)(ひろ)がる。冷涼(れいりょう)多湿(たしつ)日照(にっしょう)(とぼ)しく、戦前(せんぜん)()産地(さんち)戦後(せんご)酪農(らくのう)地帯(ちたい)として発展(はってん)した。人口(じんこう)(やく)9,600(2001(ねん))。地図(ちず)[GIF Image, PDF]参照(さんしょう)

※7
高等(こうとう)学校(がっこう)には、国語(こくご)数学(すうがく)などの普通(ふつう)科目(かもく)中心(ちゅうしん)(まな)普通科(ふつうか)工業(こうぎょう)商業(しょうぎょう)などの専門(せんもん)学科(がっか)将来(しょうらい)進路(しんろ)(かんが)え、普通(ふつう)科目(かもく)専門(せんもん)科目(かもく)にわたる幅広(はばひろ)選択(せんたく)科目(かもく)のなかから生徒(せいと)自分(じぶん)科目(かもく)選択(せんたく)して(まな)総合(そうごう)学科(がっか)がある。総合(そうごう)学科(がっか)は、生徒(せいと)1人(ひとり)ひとりの個性(こせい)興味(きょうみ)対応(たいおう)するために、1994(ねん)設置(せっち)された。総合(そうごう)学科(がっか)必修(ひっしゅう)科目(かもく)のひとつに、「産業(さんぎょう)社会(しゃかい)人間(にんげん)」がある。

※8
福島(ふくしま)栃木(とちぎ)群馬(ぐんま)新潟(にいがた)の4(けん)にまたがる国立(こくりつ)公園(こうえん)山岳(さんがく)地域(ちいき)位置(いち)し、火山(かざん)(たき)(みずうみ)寺社(じしゃ)などの名所(めいしょ)旧跡(きゅうせき)があり、観光客(かんこうきゃく)参詣者(さんけいしゃ)でにぎわう。

※9
尾瀬ヶ原(おぜがはら)標高(ひょうこう)1,400m、面積(めんせき)8km2の、日本(にほん)最大(さいだい)高層(こうそう)湿原(しつげん)本州(ほんしゅう)中央部(ちゅうおうぶ)群馬(ぐんま)福島(ふくしま)新潟(にいがた)県境(けんきょう)にあり、()瀬沼(ぜぬま)とともに、日光(にっこう)国立(こくりつ)公園(こうえん)一部(いちぶ)

※10
古紙(こし)やあき(かん)、あきビン、ペットボトルなど、再生(さいせい)技術(ぎじゅつ)によりリサイクルすることが可能(かのう)なゴミ。

※11
現存(げんそん)する日本(にほん)最古(さいこ)歌集(かしゅう)(ぜん)20(かん)長歌(ちょうか)短歌(たんか)旋頭歌(せどうか)など、合計(ごうけい)4,516(しゅ)収録(しゅうろく)

※12
●3(がつ)3()(おこな)われる(おんな)()のための(まつ)り。ひな(だん)(もう)けてひな人形(にんぎょう)(かざ)り、ひしもちや白酒(しろざけ)(もも)(はな)などを(そな)える。

※13
毎年(まいとし)6(がつ)札幌(さっぽろ)(おこな)われる(おど)りを主体(しゅたい)とした(まつ)り。高知(こうち)のよさこい(まつ)りを()感銘(かんめい)をうけた北海道(ほっかいどう)学生(がくせい)が、1992(ねん)によさこい(ぶし)北海道(ほっかいどう)のソーラン(ぶし)をいっしょにして創作(そうさく)した。現在(げんざい)375チーム、30,800(にん)(おど)()参加(さんか)する北海道(ほっかいどう)初夏(しょか)代表的(だいひょうてき)なイベント。

※14
米国(べいこく)National Geographic Societyが1888(ねん)から発行(はっこう)している月刊誌(げっかんし)日本版(にほんばん)日経(にっけい)BP(しゃ)から発行(はっこう)されている。

※15
北海道(ほっかいどう)東部(とうぶ)釧路(くしろ)平野(へいや)(ひろ)がる日本(にほん)最大(さいだい)湿原(しつげん)で、国立(こくりつ)公園(こうえん)指定(してい)されている。釧路(くしろ)(がわ)などの河川(かせん)蛇行(だこう)する。ほとんど自然(しぜん)のままの湿原(しつげん)野生(やせい)動植物(どうしょくぶつ)宝庫(ほうこ)で、特別(とくべつ)天然(てんねん)記念物(きねんぶつ)のタンチョウヅルの生息地(せいそくち)として有名(ゆうめい)

※16
全国(ぜんこく)交通(こうつう)安全(あんぜん)週間(しゅうかん)のこと。交通(こうつう)事故(じこ)増大(ぞうだい)対策(たいさく)として、内閣府(ないかくふ)警察庁(けいさつちょう)総務省(そうむしょう)などの主催(しゅさい)で、1948(ねん)から実施(じっし)されている。春期(しゅんき)秋期(しゅうき)(ねん)2(かい)(かく)10日間(かかん)開催(かいさい)される。

※17
養護(ようご)学校(がっこう)には知的(ちてき)障害(しょうがい)身体(しんたい)障害(しょうがい)病弱(びょうじゃく)などの児童(じどう)生徒(せいと)(かよ)っている。障害(しょうがい)があっても、本人(ほんにん)希望(きぼう)し、()()(こう)了承(りょうしょう)()られる場合(ばあい)には、一般校(いっぱんこう)通学(つうがく)する(れい)もある。