文化を取り入れた日本語の授業アイデアコンテスト(現在は実施しておりません)

目的

外国語教育の対象者の低年齢化が世界的に進んでいる。日本語教育もまた同様に、この十数年の間に大学・研究者レベルから中等教育レベル、さらには初等教育レベルへと学習者の裾野を広げている。国際交流基金の調査によれば、1990年代以降、世界の日本語学習者の60%以上が初等中等教育レベルである。

初等中等教育レベルにおける外国語教育において重要なのは何であろうか。学習者の年齢や発達段階あるいは興味・関心にあった題材・教材・教授法の選択などが必要不可欠である。また、外国語教育の目的は単に言語の習得だけではない。特に、日本語教育においては、グローバル教育、文化理解教育という特徴が顕著である。しかし、初等中等教育レベルにおける日本語教育に関する調査研究や教材は不足しており、文化の捉え方、文化理解の目標設定もまちまちで具体的な方法も確立されていない。現場の創意工夫ある先生方の実践にゆだねられているのが現状である。

このような状況のもと、財団法人国際文化フォーラム(TJF)は、1995年度より海外の初等中等教育レベルの日本語教師を対象に「文化を取り入れた日本語の授業アイデアコンテスト」を開催している。初等中等教育における日本語教師のネットワークを築くと同時に、実際にどのような授業が行われているのか実践例を収集し、多くの教師に共有できるようにすることが目的である。

コンテストを開始した1995年からの5年間に、初等中等教育における日本語教育はさらに発展してきた。また文化理解のための日本語教育、外国語教育という視点も定着しつつあり、文化といっても、生徒の興味・関心をひくため、コミュニケーションを円滑にするための知識だけではなく、社会文化的な背景の考察、他教科・コミュニティとの連携、全人的な教育と、その位置づけを幅広いものにしていることがコンテストを通じて確認できる。

このホームページでは、第1回~第3回コンテストに応募された作品のうち、入賞作品と第一次選考通過作品を収めている。現場の熱意ある教師の試みを参考に、教室に合ったレッスンプランが生まれ、教師のネットワーク、情報の共有が促されれば幸いである。

選考結果報告

[第3回] 入賞者と作品紹介   第3回コンテスト概要 (募集は終わりました)

[第2回] 入賞者と作品紹介

[第1回] 入賞者と作品紹介

アイデアコンテスト作品集(部門別ダウンロードリスト)

- 初等教育部門

- 中等教育部門

今後の展開

TJFでは1995年から隔年で「文化を取り入れた日本語の授業アイデアコンテスト」を行ってきました。毎回、多くの国の小中高校の先生からすばらしい作品をご応募いただき、そのアイデアを他の先生方と共有することができました。またその先生方の熱意は私たちの励みでもありました。
しかし、ここ数年、英語圏においては「文化を取り入れた日本語教育」が自明のものとなりつつあること、また、英語圏以外の国々からの応募も増加し、各国の教育事情を考慮して個別に選考する必要性が生じてきたことなどから、これまでの一律的な選考基準にもとづくコンテストはその役割を終えたものとして、昨年の第3回をもって終了することといたしました。

今後は、英語圏向けにはTJF Website上にレッスンプランのコーナーを新設して、これまでに収集したレッスンプランを継続して掲載していくとともに、新たにすぐれたプランを発掘して随時追加掲載し、多くの先生方と共有していく方向を考えていきたいと思います。
また、英語圏以外の国や地域に対しては、別途コンテストを開催するかどうかを検討していきたいと考えています。

詳細は、今後の『フォーラム通信』でご案内いたします。これまでコンテストにご協力くださった先生方に心から感謝いたします。

なお、第1回から第3回までの作品集をご希望の方はTJFまでお問い合わせください。
また、過去3回のレッスンプランはこのページにも掲載されており、PDFファイルでダウンロードできますので、ご活用いただければ幸いです。