日本の小学生生活
ぬいぐるみ交換交流プロジェクト
西川尚子 (オーストラリア・マロンビーナ小学校)

「ぬいぐるみ交換交流プログラム」は、生きたことばを子どもたちに体験させるすばらしいプログラムです。1学期間だけでもいいですし、さらに長く続けることもできます。日本で姉妹校を見つけられない場合も、同じ州や国内で相手校を探し、交流してはいかがでしょうか。
対象学年:
2年生以上 (このサンプルは3年生と4年生で行ったものです。)
プロジェクトの主な段階:
学習内容:
  1. クラスの友だちが日本に行くことになったと想定し、日本に行く前に、日本や日本の学校について知っておかなくてはならないことを学ぶ。 (プロジェクトについて説明したあと、その友だちというのは実はぬいぐるみだということを種明かしする。)
  2. 自分の国と学校について説明する。
  3. 自分たちの学校や国についてのポスターを作る。
  4. 日本に行く前にどんな日本語の日常会話を覚える。
  5. 日本からの交換留学生がいる間、日記をつける。
  6. ウェブ会議[オプション]
  7. パワーポイント/ビデオインタビューレター/フォトレター[オプション]
準備:
  1. ぬいぐるみ――相手校でも交換用に準備します。
  2. 写真教材「日本の小学生生活」ホームページ
    http://www.tjf.or.jp/shogakusei/index_j.htm(日)
    http://www.tjf.or.jp/shogakusei/index_e.htm (英)
  3. 単元で取り上げる内容を紹介するための写真(必要に応じてデジタルカメラ)
  4. Webcam/デジタルカメラ/MS Movie Maker(ソフトウェア)/MS Photo story(ソフトウェア)[オプション]
  5. 色厚紙、色ペン、色鉛筆
  6. お土産
  7. * 「ぬいぐるみ交換交流プロジェクト」の進め方の詳細は、補足情報をご参照ください。
「ぬいぐるみ交換交流プログラム」の単元例
単元 (テーマ) 交流前 交流中 交流終了直前 考えられるアクティビティおよびトピック
自己紹介
– (名詞) は (形容詞) です。
名前/ニックネーム/年齢/学年など
  1. ポスター
2. 手紙
3. Email
家族 (ペットを含む)
– (名詞) が (何人/何匹) います。
  1. 家族の写真
2. Family puppets
3. 家族の人形作り/ロールプレイ
好きなもの (好ききらい)
– (名詞) が すき/すきじゃない です。
名詞の例:スポーツ、食べ物、色、科目、活動などの名前
  1. 学級アンケート(何が好きか、好きじゃないか)
→発表 (クラスまたはグループ単位の活動)
物の説明
– これ は (物の名前) です。
1. 学校について
2. 地理について
場所
– (場所の名前) に (物の名前) が あります/ (人、生き物) が います。
  1. 学校について
2. 地理について
3. 家族/家庭
現在形の動詞と時を表す表現
– (時間) に (活動の名前) を します。
– (曜日) に (活動の名前) を します。
  1. 日常生活
2. 学校の時間割
動詞の過去形
– (活動の名前) を しました。 (物の名前) を みました。 (食べ物の名前) を たべました。 (場所の名前) に いきました。
  1. 絵日記を書く
美術、音楽、司書、体育、ITの教師や、ほかのクラスの担任など、他教科の教師と協力できれば理想的である。他教科と連携して単元を作ることができる。
たとえば、子どもたちがホームルームで自分たちの国の地理を勉強している場合、担任の教師に子どもたちがこれまでに学んだこと、これから学ぶ予定のことを聞いておく。司書の先生の協力を得て、子どもたちは図書館で日本の地図と自分たちの国の地図を見つけ、それぞれの地理的特徴を比較する。日本語教師は、子どもたちが自分の国の地理について発見したことを、日本語で言えるようにして、理解を促すことができる。
例: (地名) に (物) があります/ (人、生き物) がいます。
または、美術の時間に制作した作品を「これは (物の名前) です」と説明をつけて日本の子どもたちに送ったり見せたりすることもできる。
A. 「ぬいぐるみ交換交流プログラム」交流前の授業例

<子どもたちは、グループごとに日本の小学校について調べる。>
  1. 子どもたちに「ぬいぐるみ交換交流プログラム」について説明する。
  2. 子どもたちに、日本の小学校や小学生についてどんなことを知りたいか尋ねる。同時に、どんなことを知っているかを尋ねてもよい。
  3. 子どもたちは、写真教材「日本の小学生生活」を参考にしながら、日本の小学校や小学生について調べる。
    校舎:
    http://www.tjf.or.jp/shogakusei/6-1/donna/kousya_e.htm (英)
    http://www.tjf.or.jp/shogakusei/6-1/donna/kousya_j.htm (日)
    一日の生活:
    http://www.tjf.or.jp/shogakusei/6-1/donna/ichinichi_e.htm (英)
    http://www.tjf.or.jp/shogakusei/6-1/donna/ichinichi_j.htm (日)
  4. 調べ終わったら、日本の学校と自分たちの学校の違うところ、似ているところを比べる。
  5. 子どもたちが発見した内容を使いながら、文型例を示す。
    例:きょうしつ に こくばん が あります。
         ほけんしつ に ほけんの せんせい が います。
  6. 子どもたちは、学んだ語彙を使って、日本の小学校について簡単な口頭発表をする。
  7. さらに、学んだ文型を使い、自分たちの小学校について、パンフレットやポスターを作成する。
  8. (オプション) 作成したパンフレットやポスターについて、グループごとに口頭で発表する。
  9. (オプション) 聞き取り練習:子どもたちに学校の見取り図と物の絵が書かれたワークシートを配り、日本語でどこに何があるか話す。子どもたちは場所と物の絵をつなぐ。

語彙

文法

既習事項

評価

準備

場所の名前、学校にある物の名前:
きょうしつ、としょしつ、こうてい、たいいくかん、おんがくしつ、びじゅつしつ、ほけんしつ、いりぐち (げんかん) 、おくじょう、いっかい、にかい、さんかい、こくばん、うんどうじょう、ぷうる (プール) 、どうぶつ、うさぎ、あひる、こうちょうせんせい、ほけんのせんせい、など。
* 子どもたちは、このリストから使いたい単語を選び、使用する。  
・ (場所の名前) に (物の名前) が あります/ (人、生き物) が います。 ・自己紹介 (名前、年齢)
・数
・これは (物の名前) です。
・日本の小学校、文化に対する理解
・ 発表:手書きの作品、文法および文化理解<
・写真教材「日本の小学生生活」
・ホームページ
・ ワークシート (文型例、文法練習)
異文化間の相互理解
・日本の小学校の校舎や周辺の環境など
・ 時間割
・ 科目
・ 学校の係(班や学級の係り等も含む)の比較
・ 学校で働く人の違い (たとえば、オーストアリアビクトリア州では、養護教員のいる学校は少ない。)
* 子どもたちに、興味を持ったトピックについて、調べてみるように促す。
B. 「ぬいぐるみ交換交流プログラム」交流中の授業例

<子どもたちは、相手校から届いたぬいぐるみをそれぞれ1~3日ずつホームステイさせ、日記を書く。>
  1. 相手校からぬいぐるみが届いたら、子どもたちに紹介する。
  2. 子どもたちが行く場所 (スポーツ、課外活動、遠足、社会科見学、授業など) にぬいぐるみを連れて行き、一緒に写真を撮ってくるように促す。
  3. 絵日記の記入例と、単語・例文辞書を渡す。
  4. 写真教材「日本の小学生生活」の中の「けんたろうくんの一日」と、その写真を使った絵日記のサンプルを見せる。
    (* 子どもたちが家で確認したい場合は、ホームページで見ることもできる。)
    http://www.tjf.or.jp/shogakusei/6-1/donna/ichinichi_e.htm
    http://www.tjf.or.jp/shogakusei/kentaro/index_e.html
  5. ホワイトボードを使って日記を書く練習をする。子どもたちは絵日記のサンプル辞書を参考にして、簡単な文章を書く。
  6. 子どもたちは順番にぬいぐるみと絵日記セット (日記帳単語・例文辞書) を家に持ち帰る。
  7. * ぬいぐるみをホームステイさせることは子どもたちにとって楽しみなことなので、ホームステイ中の出来事を喜んで書いてくれる。
  8. * 日記は、全部日本語で書く必要はない。子どもたちのレベルに応じて、最低3つの日本語の文章と写真、絵を入れる、などと条件をつけるとよい。辞書にない単語は英語で書いてもよい。
  9. * 注意:日記帳で日本語の間違いを訂正するのはやめたほうがよい。ぬいぐるみをホームステイしている間は、間違えてもいいから何か書くことが大切である。間違いを訂正する際は、その子どもの書いたページをコピーして、間違いを直し、渡すとよい。

語彙

文法

既習事項

評価

準備

にっき、てんき、はれ、あめ、くもり、ゆき、ときどき、ひづけ、がつ、にち、うみ、かいもの、すいえい、てれび、えいが、ぴざ、すし、おもしろかった、たのしかった、など。
* 子どもたちは、このリストから使いたい語彙を選び、使用する。  
・ (活動の名前) を しました。
・ (物の名前) を みました。
・ (食べ物の名前) を たべました。
・ (場所の名前) に いきました。
・自己紹介 (名前、年齢)
・数
・これは (物の名前) です。
・丁寧さ
・発表
・文型 (語順) の正確さ
日記帳
単語・例文辞書
絵日記のサンプル
・デジタルカメラ (オプション)
・写真教材「日本の小学生生活」
・ホームページ
異文化間の相互理解
・学校の活動
時間割
・ 科目
・ 学校の係(班や学級の係り等も含む)の比較
・課外活動
・ 遠足、社会科見学
・ 小学生の生活
* 子どもたちに、興味を持ったトピックについて、調べてみるよう促す。

子どもたちが書いた絵日記はこちら