公益財団法人国際文化フォーラム

日露交流報告

一人ひとりが結びつく

2017年度は、モスクワ、サンクトペテルブルク、ノボシビルスク、ペルミの中高校で日本語を教える教師と、その生徒たちを日本に招聘しました。まずロシア語教育を実施している青森県立青森南高等学校を訪ね、全校挙げての歓迎会、書道や茶道、ロシア語を学ぶ生徒の家でホームステイを体験しました。東京に戻ってからは、日本の高校でロシア語を教える先生とその生徒たちも加わり、先生と生徒に分かれて2泊3日の合宿生活を送りました。

©劉成吉

演劇的手法を取り入れた生徒の交流では、じゃんけんや押し相撲など軽い動きから始め、徐々に身体を動かしていくことで、少しずつ打ち解けていきました。日本語やロシア語、英語、ジェスチャーも交えてコミュニケーションをとりながら、『にじいろのさかな』(マーカス・フィスター作)のストーリーから連想して寸劇をつくりました。

後日、参加者のひとりがロシア・ノボシビルスクで開催された日本語弁論大会で、今回の日本訪問についてスピーチして1位になりました。今回の訪日がきっかけとなり、日本に留学することが将来の目標になったと語りました。

青森南高校での歓迎会
書道の体験授業を受ける

教師研修

生徒が交流プログラムに参加している間、先生方は教授法に関する研修です。日本でロシア語を教える先生方は、教育目標、内容、教材の扱い方から発音の指導法までさまざまな講義を受けました。それぞれが持ち寄った教科書の特徴や使い方について一人ひとり紹介し、活発に意見交換をしました。教科書の単元を追うことに終始していたが、教科書を教えるのではなく教科書で教えることに気づかされた、使っている教科書をすべてなぞらなくていいと聞いて目からうろこだった、といった声が上がりました。

ロシアで日本語を教えている先生方の研修では、来日してから集めた資料を活用して授業案をつくります。小学生向けのドリルや観光パンフレット、青森や東京で集めた木の葉も教材になります。早速授業に生かしたいと多くの先生が感想を述べました。

夜は日露の先生がひとつの部屋に集まり、ふだん抱える悩みや課題を語り合って交流を深めました。

生徒の合同合宿

絵を見て話し合い、物語をつくる

各グループ、つくった寸劇を演じる

振り返る

参加者の声

  • ロシアの中高生のほうが積極的だろうと思っていたが、人それぞれ。先入観で決めつけるのはよくないと気づいた。
  • 私たちが男女でハグしたり仲良く話をすることに日本の高校生は驚いていた。逆に、私たちは日本の高校生は男女が話さないことが不思議だった。
  • 学んだ表現がとっさに出てこない悔しさはあったけど、なんとしても伝えようとする姿勢があればなんとかなることに気づいた。

事業データ

ロシアの中高校日本語教師・生徒の日本招聘

期間

2017年9月11日(月)~19日(火)

場所

青森・東京

助成

(一社)尚友倶楽部、(公財)東芝国際交流財団

協力

青森県立青森南高等学校

輸送協力

JAPAN AIRLINES

参加者

教師9名、中高生16名

日露教師・生徒合同合宿

期間

2017年9月16日(土)~18日(月)

場所

大学セミナーハウス(東京都八王子市)

助成

ルースキー・ミール財団

中高生交流
協力

創価大学、同ロシアセンター

コーディネーター

田室寿見子(演劇ユニットSin Titulo 代表)

ファシリテーター

柏木陽(演劇百貨店店長)、青山公美嘉(演劇百貨店メンバー)、とみやまあゆみ(演劇百貨店メンバー)

参加者

日本語を学ぶロシアの中高生16名、ロシア語を学ぶ日本の高校生30名

ロシアの日本語教師研修

講師

金孝卿(大阪大学准教授)*、ボンダレンコ・オクサーナ(富山県立伏木高等学校ほか講師)*主任講師

参加者

9名

日本のロシア語教師研修

協力

日本ロシア語教育研究会

講師

林田理惠(大阪大学教授)*、小田桐奈美(関西大学助教)、カザケウィッチ・マルガリータ(富山大学教授)、北岡千夏(関西大学ほか講師)、東シャトヒナ・ガンナ(外務省研修所講師)*主任講師

参加者

15名

※事業報告書『CoReCa2017-2018』に掲載。所属・肩書きは事業実施時のもの。