公益財団法人国際文化フォーラム

日露交流報告

ロシアの人びとの暮らしにふれる

2015年度から開始した日露交流プログラムの2年度めは、高校のロシア語教師とロシア語を学ぶ生徒、計19名をロシアのモスクワとシベリア地方にあるノボシビルスクに9日間派遣しました。日本からノボシビルスクへの直行便はなく、モスクワで国内線に乗り換えて約5時間。短期間の日程で2都市の訪問はタイトなスケジュールでしたが、モスクワだけではないロシアを見てもらうためでした。そして、日本語学習者との交流を含め、さまざまな学校や機関への訪問、ホームステイを盛り込みました。

ノボシビルスクで訪れた音楽学校では伝統楽器や民族舞踊を体験しました。この学校は一般の学校とは違い、生徒たちが自分の興味関心にあわせて放課後に通う学校です。音楽のほかに体育や美術などに特化したものもあります。また理系を重視しているノボシビルスク工科大学附属ITリツェイでは体育や芸術などの授業を受けたり、日本語の授業を見学したりしました。日本側の教師は日本語を履修していない生徒を対象に、動物の鳴き声や数え方を使った手遊び、空手の授業などを行いました。2泊のホームステイでは、ダーチャに連れて行ってもらった生徒もいました。ダーチャは初夏から秋まで毎週末を多くのロシア人が過ごす菜園つきのセカンドハウスです。モスクワでは、小学校を訪問し小学生と話をしたり、ロシア正教会では手作りのお菓子でもてなされたりするなど、多くの貴重な体験をしました。

教師のプログラムとして、互いのことばを教える日露教師の合同研修をモスクワで実施しました。今回の交流に向け、事前に日露の教師はペアになり、学習活動を準備しました。そして、高等経済学院附属高校の生徒と日本から派遣した高校生の合同模擬授業を行いました。

こうした交流は日本語学習への動機づけにもつながり、ノボシビルスクの学校から、交流前と比べて日本語履修希望者が倍増したという報告が届きました。

2017年度はロシアから日本語教師と生徒を招聘し、交流を深める予定です。

友好関係を続けるために

イリーナ・プーリク
ノボシビルスク市シベリア・北海道文化センター副センター長

当センターは、姉妹都市である札幌市との交流を通して、日露友好関係の発展をめざしています。友好関係を築くには、まず相手に興味をもち、話をして理解しあい、一緒に何かをしていくことが必要です。そしていったんできた友好関係を続けることも大切だと思います。高校生がロシア語と日本語を互いに学び、ことばを通して文化を学び、気持ちを伝え合って、共同で何か楽しくやることで、友情は続くだろうと思い、当センターはTJFの日露交流事業に参加することを決めました。

ノボシビルスクを訪れる日本の高校生たちには、とにかくロシアの文化を体験し、ロシア人の心の広さと優しさも感じてもらいたいと思いました。そこで、ロシアの家庭やライフスタイルにふれられるホームステイ、情緒豊かな調べで安らぐ音を奏でる民族楽器の体験、そして、ロシアの代表的な料理であるピロシキを食べながら、伝統的な遊びも楽しめるピロシキパーティを企画したのです。
今回の交流での大きな成果はロシア語教師と日本語教師のネットワークができたことです。新しい交流プロジェクトに向けて情報交換が続き、両国の高校生に新たな友情が築けることを期待しています。

ノボシビルスク 9/17 ~ 9/20

@ ノボシビルスク工科大学附属IT リツェイ

演劇の授業では「大きなかぶ」を実演し、
体育の授業では春のお祭りでおなじみの踊りを体験した

@ オペラ・バレエ劇場

舞台に上がったり、
道具倉庫を見学したりした

@ 音楽学校

ロシアの伝統的な楽器を体験
さまざまな伝統楽器
ロシアの踊りを一緒に踊った

@ シベリア北海道文化センター

ピロシキパーティでは、地元の楽団による歌や踊りが披露されるなか、
民族衣装を試着したり、
何種類ものピロシキとサモワールでいれたお茶を楽しんだ

モスクワ 9/21 ~ 9/23

@ 第1223 番学校

玄関でパンと塩で客をもてなすのがロシアの伝統

@ ロシア正教会

手作りのお菓子とお茶でもてなされた

@ 高等経済学院

日露の合同教師研修で行われた模擬授業を受ける日露の生徒たち

@モスクワ市内

お土産のいちばん人気はマトリョーシカ

事業データ

高校のロシア語教師と高校生のロシア派遣

期間

2016年9月16日(金)~24日(土)

場所

ロシア・ノボシビルスク、モスクワ

助成

(一社)尚友倶楽部

協力

ノボシビルスク市シベリア・北海道文化センター、高等経済学院(モスクワ市)、国際交流基金モスクワ日本文化センター

輸送協力

JAPAN AIRLINES

企画協力

JALPAK

旅行取扱

(株)Jトラベルセンター

参加者

高校のロシア語教師7名、ロシア語学習者12名

日露教師合同研修

期間

2016年9月21日(水)~22日(木)

場所

モスクワ

講師

横井幸子(大阪大学准教授)

コーディネーター

大田美紀(国際交流基金モスクワ日本文化センター日本語教育専門家)、ストリジャック・ウリアナ(高等経済学院准教授)

参加者

互いのことばを教える日露の教師12名

※事業報告書『CoReCa2016-2017』に掲載。所属・肩書きは事業実施時のもの。