りんご記念日応援団毛丹青さん

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中国で話題になっている日本文化情報月刊誌『知日』。多いときは10万部が売れるといいます。その主筆を務めるのは、作家で神戸国際大学教授の毛丹青さん。今なぜ「知日」なのでしょうか。

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▼知への好奇心を刺激しよう
外国語を学ぶことで想像力は倍増します。ことばが一つ増えることは、1+12ではなく、ある元素と別の元素が化学反応を起こして別のものが生まれることに似ています。

また外国語を学ぶことは鏡を見るようなことでもあります。正面しか映さなければ一つの顔しかわかりませんが、鏡の位置を変えると別の顔に気づきます。外国語が鏡の働きをするのです。

中国で日本文化をテーマにした月刊誌『知日』が売れているのは、「日本を知りたい」という機運が中国で高まっているからです。中国では「知日」の動きが大きくなっていますが、日本ではどうでしょうか。「知中」が生まれるような機運は感じられません。中国についての情報は偏りがあり、「中国を知ろう」とする人は少ないように思います。ここに日中の間に知識格差が出てくるのではないかと心配です。相手を知ることは相手への理解が深まるだけではありません。それによって自分自身のことを考えるようになり、結局は自分が人として豊かになるのです。

「知日」の2文字を縦に並べてみてください。「智」となります。知ることが智恵につながっていくのです。特に若い人たちには、外国語を勉強することで知識を増やし、それを智恵にしていってほしいと願っています。