旬の初がつおでモルディブのカレーを

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新緑の美しい季節になりました。江戸時代の俳人・山口素堂の詠んだ「目には青葉 山ほととぎす 初鰹(がつお)」という俳句は、皐月(さつき)の頃に江戸の人びとが好んだものを季語として3つ並べた作品ですが、現代でも初夏の始まりのさわやかな情景が目に浮かぶ名句です。

そ んなわけで、今回のテーマは「かつお」。かつおには初夏と秋の二度の旬があり、「戻りがつお」と呼ばれる秋のほうが、身に脂が乗っていておいしいはずなの です。にもかかわらず江戸の人びとは、「初物を食べると寿命が長くなり、福を呼ぶ」縁起物として、さっぱりとした初がつおのほうを、高値でも熱狂して手に 入れようとやっきになっていました。

太平洋のかつおは、黒潮に乗って南から北上して回遊します。かつお漁の本場といえば、高知や鹿児島の 枕崎が有名です。枕崎に初がつおがやってくるのは2月頃で、まだ脂が乗っていません。しかし、それを加工することで、かつお節という商品になります。今で は枕崎は、日本一のかつお節の生産地として知られるようになりました。

一方、枕崎より少し北上した高知は、5月頃にちょうど脂の乗り出す おいしい初がつおの漁場。身の表面を藁焼きした「かつおのたたき」は、高知を代表する郷土料理でもあります。海の幸を豪快に盛った皿鉢(さわち)料理にも 欠かせない一品で、私も高知で体験して、そのおいしさにいっぺんで参ってしまいました。

ところで、かつおを愛してやまない高知と、一本釣 りによりかつおやまぐろ漁を行っている、インド洋に浮かぶ島国モルディブの在日大使館がコラボした「モルディブカレー&初鰹を食べ尽くす会」という催しが 昨年、開催されました。モルディブは、「モルディブ・フィッシュ」という、かつお節によく似た乾燥魚のだしの素の特産地でもあります。

一本釣りも、かつお節も、別の場所で偶発的に誕生したのか、それとも、海のシルクロードを経由してどちらかがどちらかに伝えたのか......。定かではないそうですが、日本人としてはとても親近感を感じてしまいますね。

というわけで、今回は、かつおを使ったモルディブのスープカレー「クルヒ・リハ」のレシピをご紹介します。かつおとカレーという、ちょっと変わった組み合わせをお楽しみください。


クルヒ・リハ(モルディブのかつおカレー)レシピ
【材料】3~4人分
かつお......400g(食べやすい大きさにカット)
たまねぎ......中1個(うす切り)
にんにく......4片(すりおろす)
しょうが......小さじ1(すりおろす)
キャノーラ油......大さじ3(うち大さじ1はかつお用)
ターメリック粉......小さじ1(2倍の水で溶いておく)
カレー粉......小さじ3
赤とうがらし粉......小さじ1/2
シナモンスティック......1本(もしくは、シナモンパウダー 小さじ1/3)
ココナツミルク......400ml(1缶)
塩......小さじ1.5~2
こしょう......小さじ1/2
コリアンダーの葉......飾り用(あれば)
ごはん......人数分

【作り方】
1. かつおの身に、水で溶いたターメリックをすり込み、15分ほど置く。
2. フライパンに大さじ1の油をひき、1の表面を軽く焼く。
3. 別の鍋に大さじ2の油をひき、にんにく、しょうがを香り立つまで炒め、たまねぎを加えてきつね色になるまでさらに中火で炒める。カレー粉、赤とうがらし粉、シナモンスティック(もしくは、シナモンパウダー)を加える。
4. 3に2のかつおを加えて混ぜ、ココナツミルクを加えてひと煮立ちさせる。
5. 4に塩、こしょうを加えて味を調える。
6. 5をボウル皿に盛り、コリアンダーの葉を飾る。ごはんを添えて、できあがり。


おいしい話あります!で紹介したレシピが写真付きで掲載されています。
http://www.tjf.or.jp/wayawaya/oishihanashi/

〔文・レシピ:青木ゆり子(各国郷土料理研究家・世界の料理情報サイトe-food.jp運営)〕


▼ インターネットラジオ「ごちそうリミックス」
今回紹介した「クルヒ・リハ」を作る時のワンポイントアドバイスや世界のかつお事情について話を繰り広げています。
http://www.tjf.or.jp/gr/2016/05/5.html

▼ iTunes「ごちそうリミックス」番組ページ
https://itunes.apple.com/jp/podcast/gochisourimikkusu/id1076774250?mt=2