孫悟空に魅せられて高校卒業後劇団を立ち上げた高取さんの「んじゃめな!」

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 わやわや 2018年3月7日

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◆◆ んじゃめな!
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福岡で黒龍舞術団を主宰する高取優耶(たかとりゆうや)さん。中国に伝わる門外不出の芸である変面や獅子舞、椅子の倒立芸などを演じる。高取さんはTJFが2007年に実施した第1回日中の高校生サマーキャンプの参加者だ。黒龍舞術団を立ち上げたのは高校を卒業してすぐの頃。高取さんの「んじゃめな」!

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ぼくをかえた孫悟空
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高校に入ってすぐにCMで知っておもしろそうだと思って吉林省京劇院の公演を観にいきました。上演されたのは西遊記。きらびやかな衣装、聞きなれない音楽、完成された芸。なかでも孫悟空がかっこいい、と純粋に思いました。その直後にサマーキャンプのことを先生から聞いて、これだと思ってすぐに応募しました。全国の高校生100人とは、それぞれが中国への思いをもっていたからかすぐに仲良くなりました。北京のあと訪れた大連では京劇を鑑賞することになっていました。孫悟空がすごく好きな参加者がいるとTJFのスタッフの方が京劇団に話をしたところ、演目を西遊記にかえてくれました。素晴らしい舞台だったことを今もはっきり覚えています。そして何よりもひとりのために演目をかえてくれたことに感動しましたし、その心は演じる側になった今のぼくに生きています。

翌年、高2の夏休みに、アルバイトでためたお金でひとりで北京に行きました。本当は孫悟空を習いたかったのですが、ツテもないので語学学校に通うことにしたのです。幸運なことに舞台を観にいったときに、北京京劇院の一級俳優さんを紹介されて、マンツーマンで習えることになりました。週に1、2回、2ヵ月教えてもらいました。語学の授業と孫悟空のレッスン、その合間には演劇道具、獅子舞の面や衣装などを買いました。日本に帰ってから獅子舞同好会を同級生や後輩10人ぐらいでつくりました。初めて演じたのは獅子舞で、舞台は学校の文化祭でした。

◎黒龍舞術団を立ち上げる
高校卒業後、地域のイベントから声がかかるようになり、黒龍舞術団を名乗るようになりました。といっても、所属するのは自分ひとりで、イベントや公演にあわせてフリーでやっているパフォーマーに声をかけています。口コミで依頼が増えてきて、ステージでもらう報酬で一人暮らしができるようになったときは感慨深いものがありました。それから4年、今年6月には12人が演じるこれまでで最大の舞台を北海道で行うことになっています。

実はぼくは人一倍引っ込み思案でした。そんなぼくをかえてくれたのが西遊記です。高1で初めて見た京劇公演の最後に、孫悟空を演じた俳優さんが小道具をプレゼントするという場面がありました。目があってぼくのほうに投げてくれたんです。なのにぼくは手を伸ばすことができず、ほかの人の手に渡ってしまいました。そのときの喪失感と敗北感。このままではいろいろなものを取り逃がしてしまうことを身をもって知ったからこそ、アルバイトを始めましたし、サマーキャンプにも参加し、ひとりで語学留学にも行ったのです。ぼくの人生のなかで孫悟空は本当に大事です。

変面や京劇を好きな気持ちは今も変わりませんが、中国にこだわるのではなく、いろいろな国や地域の芸、さらに伝統的か新しいかにもこだわらず、自分がいいと思ったもので舞台を構成したい。自分の芸もまだまだ磨いていきたいのですが、それよりもパフォーマーの人たちに出たいと言ってもらえるような舞台を演出したい。これが今の大きな目標です。



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◆◆ スタッフのつぶやき
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こんにちは、室中です。
先日、札幌のワークショップで、北海道の北見地方(カーリングで有名になりましたね)から参加した先生が持ってきてくださった「玉ねぎパイ」を忘れられずにいます。

玉ねぎの風味がしっかりと残っていて、甘すぎず、しょっぱすぎず。何枚でも食べ続けられる、とても美味しい、けれどダイエット的にはとても恐ろしい(笑)パイでした。

いっしょに食べた若手スタッフいわく、「わー、玉ねぎ!」「めっちゃ、玉ねぎ!」「すごい、玉ねぎ〜!」(以下、リピート......。笑)

北見の玉ねぎは、土と水がいいせいか、臭みがなく、さらっとした味で、いくらでも食べられるんだと北海道の先生方がおっしゃっていました。

残念ながら、ネットや北海道のアンテナショップでは売ってないんですよね。
ああ、北見に行きたい。。。



===〔お役立ち情報〕=====

他団体が主催する、参加者募集中のイベントをご紹介します。
詳細は、各団体にお問い合わせください。

●【参加申し込み受付中】第6回JACTFLシンポジウム「豊かな人間性を育む多言語・複言語教育」〔主催:JACTFL、上智大学国際言語情報研究所、特別協力:TJFほか、 3/11(日)、場所:上智大学四谷キャンパス6号館、参加費:会員無料、一般1,000円、先着順〕
http://www.jactfl.or.jp/

●外国語授業実践フォーラム 第15回会合<すべての学習者>の学びを保障するために我々は何を変えるべきか 〔主催:外国語授業実践フォーラム、日時:3/31(土)、場所:関西大学千里山キャンパス、参加費:1,500円、〆切:3/20(火)〕
http://kokucheese.com/event/index/496833

●日本語プロフィシェンシー研究学会の第3回研究例会「できるってな~に?ールーブリックによる評価とその方法ー」〔主催:日本語プロフィシェンシー研究学会、日時:3/24(土)、3/25(日)、場所:京都嵐山「花のいえ」、〆切:3/8(木)〕
http://proficiency.jp/?p=1818

●高校生向けセミナー「かわいいロシア」 日本語の「カワイイ」はロシアでも定着しつつあります。ロシア語のミニ講義やロシア民話を通じて、ロシアの「かわいい」にふれます。〔主催:関西大学高大連携センター、日時:3/27(火)10:00~15:00、場所:関西大学千里山キャンパス、参加費:無料、〆切:3/13(火)〕
http://www.kansai-u.ac.jp/koudai/news/2018/02/post-36.html



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