スタンプは絵ではなく言葉!?

スタンプは絵ではなく言葉!?

PEOPLEこの人に取材しました!

ヨッシースタンプ

LINEスタンプのクリエイター

彫刻や絵画だけではなく、ファッション(LINEスタンプ)など身近なものも、アートとして認められるようになって来たように思います。そのため、趣味から仕事に発展するスタンプクリエイターの経緯が面白いのではないか。新しい仕事の形なのではないかと考えました。
私たちは、LINEスタンプで有名なヨッシースタンプさんに、スタンプを作るようになったきっかけやワークスタイルを聞きました。

<プロフィール>
代表作である「うさぎ100%よくつかう」はLINE Creators Stamp AWARD 2016、2017(*1)にて準グランプリを受賞し、現在ではグッズ展開やコラボカフェがオープンされるなど、LINEユーザーに絶大な人気を誇っている。
ヨッシースタンプ 公式ホームページ:http://yosistamp.co.jp

*1:LINE株式会社が主催するLINEスタンプのコンクール。LINEユーザーが投票で、年度ごとにスタンプのグランプリを決める。


スタンプはアートか?

Q1.LINEスタンプをアートだと考えていますか。

スタンプは絵を売るんじゃないんですよ。そもそも文字なんです。
スタンプの前は、絵文字があって、絵文字の前には顔文字がありますよね?スタンプは顔文字の発展なんです。それらは、一人で使うものではないですよね。相手がいて、その相手に何かを伝えるために使う道具ですよね。なので、スタンプは絵ではないんです。
もし絵だけだったら使いませんよね。あくまでコミュニケーションツールなので文字と同じです。
私は、キャラクターについては一人歩きしてくれるのが一番良いと思っています。描くのは私じゃなくても良いかなって思ってるくらいで。私自身は自分をイラストレーターだと言ったことはなく、あくまでスタンプクリエイターです。

スタンプとの出会い

Q2.デザインをどのように学びましたか。

大学を卒業したあと、専門学校の文化服装学院に通いました。
絵はデザイン画の授業で描いたことはありました。大学や短大を卒業した人達の専門の学科があって、一年間でデザインのパターンや構成を詰め込む学科があったんです。それに一年通わせてもらいました。それから、アパレルの仕事をして。アパレルでの仕事はグラフィックデザイナーでした。要はTシャツとか、わかりやすくいうと、その23(カメラマンが来ていたTシャツに23という番号がプリントされていた)のようにプリントのデザインをする仕事がメイン。なので技術はあったんですよ。

Q3.スタンプをつくり始めたきっかけを教えてください。

アパレルの職場で、休憩時間にLINEクリエーターズマーケット(*2) が出来たというニュースを見ました。面白そうだなと思ってその場で作りはじめたのがきっかけです。
一番初めのスタンプ(40個)は、四、五時間で作りました。
そこで、これは面白い、作っていて楽しいと思ったんです。そのあとハマりました。

*2:自作したスタンプや着せ替えをLINEユーザーに販売するシステム。

Q4.LINEスタンプの魅力って何ですか。

イラストレーターの仕事だったら、クライアントがいて、依頼を受けてその依頼を形にしてカスタマーに届ける。これが基本の流れです。でも、LINEクリエーターズマーケットなら自分の作りたいものを自分の意思で自由に出品できる。ヤフオク (*3)やメルカリ (*4)と近い感覚ですね。ただ、スタンプの場合は物ではないし、いつでも誰でも参加することができますよね。

*3:元はYahoo!オークション。インターネット上で行われる競り。
*4:日本およびアメリカでサービスを提供しているフリーマーケットアプリケーション。

スタンプの制作について

Q5.キャラクターはどのようにして生まれたのでしょうか。

キャラクターは元々、ものすごい数作っています。
スタンプというのは商品なので、みんなにダウンロードしてもらってみんなに使ってもらう。使ってもらって初めて意味がでます。じゃあ、使ってもらえるのはどういうスタンプなのか、どういうキャラクターなのかというのを研究しました。クマ・うさぎ・猫とかが人気なのか。じゃあ作ってみようという感じです。キャラクターも、可愛いものから少しグロテスクなものまでいろいろ作ってみましたね。いろいろ作ったなかで人気が出たのが、たまたまうさぎ100パーセントだったという感じです。
なので、最初から人気が出るだろうと思って作られたキャラクターではないですね。評価するのはカスタマーなので。
どんなスタンプが使われるのかというのはデータでわかるので、それが蓄積されていくと、このスタンプは使えないのか、またはこういうスタンプはよく使われるんだなという傾向がだんだんわかってくるので、当然ですがそこに合わせて作っていきますね。

Q6.スタンプの制作において考えていることはありますか。

人間関係の上でどういった表現が使われるのか。会話を予想するというか。例えば、恋人同士だったら「好き」なのか、はたまた「愛してる」なのか。ハートマークよりもキスのマークがいいかもしれない。選択肢は無数にあるわけです。ちょっとしたニュアンスで伝わり方や内容は変わるわけです。なので描く時間よりも表現に悩む時間の方が長いです。目のほんの一ミリの差だけでも表情は変わるんです。そういったディテールの部分に時間を使いますね。今では1セット作るのに二週間くらいかかります。
なので当時の四、五時間で作ったものとは内容の濃さが違うと思います。

Q7.ワークスタイルで決めていることはありますか。

特にルールはありません。ただ唯一決めているのは365日毎日作る。スタンプだけじゃなくても創作は必ずするようにしていますね。それ以外は基本自由に活動しています。

Q8.スタンプを作る上で参考にしている事やアイデアの源を教えてください。

いろんなものを見ます。ネットであれば、言葉を調べるときは「若者言葉」とか。私自身は若者じゃないから若者言葉がわからないんですよね。それとSNSなどで若い子がどういう事を話しているのかを見て参考にしたりしています。「この言葉なんだろう?」とか「マジ卍 (*5)ってなに?」みたいに。そしたらマジ卍って検索しようって。自分の知らない言葉は、積極的に理解しようとしますよね。知り合いに聞いたりもしますし。今はインターネットという便利なものがあるので、そこで調べられることは調べています。

*5:嬉しさや悲しさ、調子の良さなどを表す。”まじ”は本気、”卍”(まんじ)はヤバイを意味すると推測されている。しかし、出どころは定かではなく、用法や使用される場面は曖昧。

(インタビュー:2018年5月)

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  • たった1ミリで表情が変わる…というのが絵はことばというところに通ずるなと思い、興味深く読ませていただきました。 私自身はあの素人ですが、日本語教師なので、授業準備で絵カードを描くことが多く、ちょっとしたことで伝わり方が変わるなーというのを実感しているので、たしかに!と共感しておりました。

    2018-9-14

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