みんなのフォトエッセイ

私のあだ名、｢はりちゃん｣というのは中学一年生のときに友達が付けてくれたものです。中学に入学したての家庭科の授業で私は腕時計のように腕につけるタイプの針山を使っていました。その様子を見て友達が「はりちゃん、はりちゃん」と呼んだのが始まりで、今ではすっかり浸透しています。浸透しすぎて「フルネームなんだっけ？」と聞いてくる子まで。このあだ名は気に入っているけれど、いろんな人に「何ではりちゃんなの？」と聞かれるたびに説明しなくてはならなくて少し面倒くさいな、と思うときがあります。

「はりちゃん」というあだ名からわかるように、私は裁縫が大好きです。裁縫だけではなく、美術も大好きで部活も美術部に入っています。しかし美術部といっても私が絵を描くことはほとんどありません。今年は文化祭で人形劇を上演するのでそのための人形を作っています。演目は「ヘンゼルとグレーテル」、小学生向けです。人形はすべて私一人で作っていて完全オリジナル。お菓子の家は後輩たちが作ってくれています。文化祭までに完成させられるのかどうか心配ですが、作っている過程がとても楽しいです。

ところで、私は読売新聞の中にあるジュニア記者団、｢ヨミウリ・ジュニア・プレス｣の一員として、週に１ページ朝刊に掲載されるページに小学校５年生の頃から記事を書いてきました。私がこの｢ヨミウリ・ジュニア・プレス｣に入ったきっかけは面白くも何ともなく、ただ単に｢こんなのあるけど、やってみない？｣と母が言ってきたからでした。母が見せてきたのは新規記者募集の小さな記事で、そこには試験作文課題が載っていました。課題は｢21世紀｣。｢まだ今年は99年だよ。｣と課題に対して文句を言った記憶があります。そしてその課題を見て何を思ったか、私は「近所の空き地が団地になった」という話を書きました。今はもうその作文が残っていないので、その話がどのように｢21世紀｣というテーマに繋がったのかは自分でもわかりませんが、その後、面接試験を受け私は晴れてジュニア記者となったのでした。気付けば入団からもう７年。はじめは何をしていいのかまったく分からず、ただ先輩たちの後を追っていた私ですが、今では先輩よりも後輩のほうが多くなってしまいました。高校生になってからは責任も仕事もずっと増えました。私は昔から、人と話すのが好きでしたが、自分から声を掛けることが恥ずかしくて「話したいのに話せない」ことが多く、自分に対して歯がゆい気持ちがありました。しかし、ジュニア記者は初対面の人に話しかけ、その人が様々なことを話せるような環境を一瞬で作らねばなりません。いまだに恥ずかしがってしまう部分がありますが、７年前の自分と比べたら雲泥の差です。ジュニア記者になって必要に迫られたこの「初対面の人に話しかける」ことが徐々に得意になってきました。ジュニア記者としての活動はもうすぐ終わってしまいますが、貴重な経験をたくさんすることができたこの活動は私の一番の自慢です。