ご当地グルメ千歳バーガーを海外からの観光客にプロモーションしよう

ご当地グルメ千歳バーガーを海外からの観光客にプロモーションしよう

山崎秀樹(やまざき  ひでき)

山崎秀樹(やまざき ひでき)

ご当地グルメ「千歳バーガー」をテーマに、地域活性化を図るプロジェクトを英語の授業で実践。千歳バーガー協議会、レストランのオーナーやシェフ、地元メディアも巻き込んでの一大プロジェクト。その成果物を地元で活用してもらうという実用性から、社会貢献・社会参画型言語学習の範例となる。

Category

言語
  • 英語
対象
  • 中高生
活動タイプ
  • インタビュー
  • フィールドワーク
  • 資料制作
  • 資料調査
  • 鑑賞
アウトプット
  • メニュー
話題分野
  • 交通と旅行
  • 地域社会と世界
  • 買い物

Tags

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  • fastfood
  • ご当地グルメ
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  • レストラン
  • 地域活性化
  • 地産地消
  • 観光
  • 食育

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単元目標

学習レベル3
○海外の観光客の方に理解してもらい、それがよい宣伝効果になるような英語表現を学ぶ。
○食育、地産地消、地域の産業について英語の記事やニュース映像に触れ世界の取組を知る
○情報の受け手の立場になって考え、どんな情報をどのような媒体で発信するかを学ぶ。
○協働で議論や作業を行い、取材、英語表現の研究、英語版メニューを作成する。
○地産地消と観光による地域経済の活性化の課題に関して実践を通して理解を深める。

<この単元のセールスポイント>
唯一の正解のない課題に納得解を提示するために、リサーチで様々な情報を得て、それを聞き手など対象者に説得力を持ってプレゼンする能力という点で、語学力にとどまらない効果があります。今回は、各店舗への取材、デザイン、PCスキル、プレゼンテーションと観光客に正しく伝わる英語の工夫という点で非常に有効だと思います。

インタビュー

このプランは実践したものですか。
実践してみようと思ったものですか。
実現の可能性はありますか。

実践済みです。2014年10月~2015年1月の間で、北海道千歳高等学校国際教養科3年生「生活英語」で行いました。地域の企業、市役所観光課、地域住民の皆様にも大変好評でしたし、本校としても、商品の特徴や店舗、店のイメージを考えたり、外国人観光客に正しく伝わる英語とその使い方を学べたのは大きな成果でした。

どうしてこのプランを作ろうと思ったのですか。
発想の原点はなんですか 。

本校国際教養科は異文化理解や英語を高いレベルで学びますが、社会で働く人や地域の接点のような、実体験が少なかったからです。またアクティブラーニングの要素を取り入れるきっかけにしようと思いました。生徒はいずれ社会に出て、公共サービスやビジネスに関わります。キャリア教育的にも有効で、ビジネス応用が可能な授業展開を行い、地域の高校のために地域の「プロフェッショナル」からも助言や支援がいただけると期待したからです。私自身、商業と英語の教員免許を持つことや、本校の国際流通科(商業科)がこれまで築いた地域との連携の実績や信頼もいい方に作用しました。

実践してみて生徒の反応はどうですか。
実践していない場合、生徒のどんな反応が予想され、または期待していますか。

生徒の興味関心は非常に高く、モチベーションも高まりました。実際に観光客が見るお店のメニューを、期日までに正確な英語版メニューを作成するという責任感も手伝ったと思います。デザインやマーケティング、コミュニケーション学にも関わりますので、生徒は一歩進んだ授業に期待は大きかったです。また、海外の映像や記事で、スローフード運動、食育、生活習慣病、給食、世界遺産としての和食について読むなど、グローバルな視点で導入し、ローカルな視点で行動するというところが良かったようです。

このプランに対する自己評価を教えて下さい。
また、学習のめやすを取り入れた授業を試みるにあたって、どんな課題や効果があると思いますか。

課題点としては、教授・注入式の授業に慣れすぎて、協働学習に慣れていない生徒をどう継続的にプロジェクトに関わらせるかでした。自己評価としては、今回初の導入でしたが、地域との連携や協力関係を作ることができたこと。新聞やテレビなどのメディアに取り上げられることで、本校や本学科の広報活動にも役だったこと。何よりも、生徒の地元に関する知識や郷土愛、地産地消や観光資源開発などグローバルな視点でローカルに行動できる生徒の育成のきっかけになったことです。

同業者仲間に向けて、ワンポイントアドバイスや感想を一言お願いします。

たとえば学校の偏差値や入試点、普段の生活態度や学習態度で、「このようなプロジェクトは無理だ」と決めつけてしまいがちですが、このような取り組みは成績や学力にかかわらずできるものですし、そのように教員がファシリテーターとして関わって行くことが必要です。むしろ、教員が社会をみて学校内外、地域と生徒をつなげていく役割を担うものです。社会で必要なスキルが何かわかるという点で、私も大変勉強になりました。

執筆者

山崎秀樹(やまざき  ひでき)

山崎秀樹(やまざき ひでき)

北海道千歳高等学校 教諭・国際教養科主任 新千歳空港に一番近い高校に勤務しています。国際観光客が多い地の利を生かし、国際交流や異文化理解、外国語学習に力を入れています。昨年、通訳案内士資格を取得しました。地域の国際交流、英語絵本読み聞かせ、市内の通訳ボランティア等にも参加しています。

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