日本の文化・社会をテーマに論文を書く

日本の文化・社会をテーマに論文を書く

櫻井千穂(さくらい ちほ)

櫻井千穂(さくらい ちほ)

留学生の論文執筆に対する不安と教員側の負担を軽減するために計画された論文指導のプロジェクト。学習者は関心のあるテーマを選び、研究計画をまとめ、最終的な論文執筆に取り組んでいく。ピアラーニングやディスカッションを取り入れた学習者中心の活動にすることで、学生の達成感や満足感も高めることができる。

2016.3.28 閲覧者数163人 コメント数0件

Category

言語
  • 日本語
対象
  • 大学生
活動タイプ
  • プレゼンテーション
  • 資料制作
アウトプット
  • スライド
  • レポートや作文
話題分野
  • 人とのつきあい
  • 地域社会と世界
  • 行事
  • 趣味と遊び

Tags

  • アンケート
  • インタビュー
  • 文献
  • 日本文化
  • 日本社会
  • 日本語
  • 研究計画書
  • 調査
  • 論文執筆

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単元目標

学習レベル4
1.日本の文化・社会に関して理解を深めるために、自分が興味のあるテーマについて調べ、分析できる。
2.聞き手、読み手にわかるよう、ポスターにまとめて発表できる。
3.論文にまとめることができる。

インタビュー

このプランは実践したものですか。
実践してみようと思ったものですか。
実現の可能性はありますか。

2015年度の秋学期から実施したものです。本実践対象の留学生は、9月に来日し、これからの1年間、日本で日本語と日本文化、社会について学びます。ですから、秋学期に実施したものではありますが、1年間のプログラムの前半のセメスターの位置づけになります。

どうしてこのプランを作ろうと思ったのですか。
発想の原点はなんですか 。

本実践対象の留学生は、母国で2~4年程度、日本語と日本文化を専攻として学んでおり、将来日本についての研究者や専門家になったり、日本と関わりのある仕事につくことを目標としている学生が多いのですが、自分の母語でも調査をしたり、論文を書いたりしたことがない学生がほとんどです。また、彼らのほとんどが初来日で、来日当初の日本語力も日本語能力試験N3~N2レベル(中級、中上級)と、さほど高いわけではありません。一方で、本プログラムの終了課題として論文執筆が義務づけられています。以前は、論文執筆は(個別指導の必要性から)授業外の課題とされていたのですが、論文執筆に対する学生の不安も負担も非常に大きく、また、年度末に個別指導担当教員に負担が集中してしまい、効果的な指導が難しいことから、1年間かけて授業内で徐々に論文指導をしていくことにしました。

実践してみて生徒の反応はどうですか。
実践していない場合、生徒のどんな反応が予想され、または期待していますか。

学生の反応は非常によいものでした。今回は、前半のセメスターの実践だけで、研究計画の立て方とその発表までを扱いましたが、学期終了時のアンケートでは、修了論文を書くのに役立ったと全ての学生が記述していました。特に、学期開始時に、修了論文に対する不安が大きかった学生たちから、「日本語で論文が書けそうな気がする」という声が上がった点が良かったと思っています。

このプランに対する自己評価を教えて下さい。
また、学習のめやすを取り入れた授業を試みるにあたって、どんな課題や効果があると思いますか。

日本国内における日本語学習は、外国語学習となる他の言語と異なり、学習者にとって第二言語習得となるため、運用に結びつく授業実践の必要性はある程度周知され、既に多くの実践がなされていると思います。論文執筆に至る全てを学生の第二言語である日本語で行った本実践もそのプロセスそのものが学習であり実践であると考えますが、それは、他の多くの実践で既に行われていることであり、決して新しい取り組みではなかったと思っています。しかし、今回こうして授業プランを一から考え、記述したことによって、授業評価がより客観的にでき、良かったと思います。

同業者仲間に向けて、ワンポイントアドバイスや感想を一言お願いします。

論文執筆ができるほどの十分な日本語力がない学生の場合、アンケートやインタビューなどの結果の分析がしやすい調査を入れると、論文構成が比較的やりやすいと感じました。また、文献のまとめというプロセスを指導に組み込むことによって、引用が難しい留学生の問題にも対処できると実感しました。論文指導は、とかく個人指導になりがちですが、ピアラーニングやディスカッションを上手に取り入れることで、授業運営がやりやすくなりました。一方で、誤用が多かったり、全体の意味理解に支障をきたすグローバルエラーを頻繁におこす学生の伸び(変化)が、今回の論文指導の家庭ではあまり感じられなかったので、そういう学生への指導方法は今後の課題だと考えます。

執筆者

櫻井千穂(さくらい ちほ)

櫻井千穂(さくらい ちほ)

「外国語学習のめやす」マスター研修(2015)の修了者。参加当時は大阪大学特別研究員(日本語担当)。

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