韓国人留学生に地域の行事やイベントを伝えよう

韓国人留学生に地域の行事やイベントを伝えよう

中川正臣(なかがわ  まさおみ)

中川正臣(なかがわ まさおみ)

学外で行われるイベント(地域行事、企業のイベントなど)について調べ、まとめた情報を韓国人留学生に伝え、質問の受け答えや、感想を聞くことができることを目標にした活動。仮想的で擬似的なタスクではなく、自分や他者、あるいは社会に「役立つ!」と実感してもらえるように設計されたもの。

2013年12月5日

Category

言語
  • 韓国語
対象
  • 大学生
活動タイプ
  • インタビュー
  • 交流
  • 資料制作
  • 資料調査
アウトプット
  • パンフレット
話題分野
  • 交通と旅行
  • 地域社会と世界
  • 日常生活
  • 自分と身近な人びと

Tags

  • 企業
  • 地域
  • 留学生
  • 行事

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単元目標

学外で行われるイベント(地域行事、企業のイベントなど)について調べ、まとめた情報を韓国人留学生に伝え、質問の受け答えや、感想を聞くことができる。

■この単元案のセールスポイント
韓国語教育機関では、さまざまな制約の中(教育機関の教育方針、学習時間、学習者数など)、教育が行われている。そのような中でも、学習者が、今、学んでいることが自分や他者、あるいは社会に「役立つ!」と実感できた時、学習は大きく促進されると思われる。そこで、この授業では、学習レベル1,2の学習者であっても実現可能な、社会参加のための韓国語の授業を示す。と言っても、プロジェクトのような大きな活動ではなく、現在の教育環境で手軽に扱える学習活動でもある。

インタビュー

このプランは実践したものですか。
実践してみようと思ったものですか。
実現の可能性はありますか。

2013年に某大学の教養科目としての韓国語(入門レベル)で実践したものです。韓国語をはじめて学ぶ学生を対象に1年間かけて実践しました。

どうしてこのプランを作ろうと思ったのですか。
発想の原点はなんですか 。

教材をベースにすると、どうしても韓国に行って買い物したり、電車に乗ったり、あるいは日本で留学生と約束するなど、仮想的で、擬似的なタスクが最終ゴールになってしまいます。でも、このようなタスクは、実は学生にとって身近な出来事ではないのでは?と考えていました。学生の周りにあるリソースを使っても十分、韓国語を使う意味や意義のある授業ができるかもしれない、そんな思いから学生に提案し、議論を重ねながら実践していきました。

実践してみて生徒の反応はどうですか。
実践していない場合、生徒のどんな反応が予想され、または期待していますか。

学期終了後、アンケート調査を実施した結果、授業に対する満足度はとても良かったのですが、私は「この授業をとおして一番学んだものは?」という記述式の設問に対する答えに注目しました。以下は学生が書いた内容です。

・韓国語を話せる技術も大事だけど、伝えようとする気持ちでもなんとかなることを学んだ
・韓国人同士の会話が聞き取れなくて、自分はまだまだだと思った。ネイティブとの交流は勉強になる
・もちろん語学の授業であるので言葉は大切だが、その根底には気持ちがないと伝わらないことを知った
・(パンフレット紹介をする時)行ったことがない人にどのように説明したらわかりやすいか、よく伝わるかが勉強できた
・うまく話せなくても、韓国語を使ってみると仲良くなれる。

学生の目が今学期の結果だけでなく、未来の学習に向かっていることを実感しました。

このプランに対する自己評価を教えて下さい。
また、学習のめやすを取り入れた授業を試みるにあたって、どんな課題や効果があると思いますか。

私はこれまで評価を研究してきたのですが、評価はどんなに妥当性や信頼性があっても、どんなに手軽に実施できる実用性があったとしても、それが学生の未来の学習に対する支援にならなければ意味がないと考えています。質問3に書いた学生のコメントからもわかるように、めやすを取り入れた授業は、学生の未来の学習につながると考えています。

同業者仲間に向けて、ワンポイントアドバイスや感想を一言お願いします。

このようなプロジェクト学習は、教師も学生も、未知の世界への挑戦ですので、予期せぬ出来事も必ず起きます。 そんな時、学生が教師にあまりにも頼りすぎるのも良くないのですが、教師は常に「寄り添う」という気持ちを持つことで、学生と協働しながら問題点が解決できるのではないかと思っています。

執筆者

中川正臣(なかがわ  まさおみ)

中川正臣(なかがわ まさおみ)

「外国語学習のめやす2012」作成プロジェクトメンバー。「めやす」マスター研修の修了者(2014)。参加当時、目白大学非常勤講師。「めやす」式授業実践の研究がきっかけで「外国語授業実践フォーラム設立メンバーの一人となる。警察官から語学教師に転向した体験をTJFのメルマガ「わやわや」の「んじゃめな」で紹介されている。http://www.tjf.or.jp/jp/wayawaya/bak/20.html

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