教学設計
 
第21号 2004/10
概要
日本の回転寿司を知ることを通じて、食文化が変化することや、食文化も経済のグローバル化を反映していることに気づく。
目標
情意目標
○日本のすし文化について理解を深める。
○日本への魚の輸入先を知ることを通して、経済的相互依存関係に気づく。
言動目標
○ゲーム活動を通した、語彙、文型の導入と定着(スリーヒントゲーム)
○順序を表す文型の導入と定着(順番当て)
○ゲーム活動を通した、語彙、文型の総復習(神経衰弱ゲーム)
学習文法・文型
学習項目:形容詞、「~があります」「~ています」、順序を表す表現
対象学習者
中学生
授業のヒント
用意するもの
  • 回転寿司のカラー資料(マウスを右クリックして「印刷」を選び、印刷してください。A3サイズで印刷することをお勧めします。)(鼠标右点击,选择菜单中的“印刷”即可打印.打印时建议您使用A3纸。)
  • 文字カード
  • 準備できれば国旗の絵(スリーヒントゲーム2)
事前準備
  • 寿司に使う材料の名前(日本語で「ネタ」という)を書いた文字カードを作っておく(材料名は、3のヒントを参照)。カードは5の活動で使う。
1. 導入 (10-15分)
【質問例】
教師
(1) ここはどこでしょうか。
 
(2) 回転寿司店ではどのように注文するのでしょうか。
 
(3) お茶はどうやっていれて飲むのでしょうか。
 
(4) 料金はどのように支払うのでしょうか。
 
(5) この寿司ネタはどんな魚(貝)か分かりますか。
【回答例】
 
(1) ここは回転寿司店です。
 
(2) 目の前に食べたいお寿司が来たら、そのお皿をとって食べます。
 
(3) お茶は自分でいれて飲みます。一般の寿司屋では、お茶をサービスで出してくれます。
 
(4) 自分がとったお皿の数で料金が決まります。お皿の色で料金が分けられています。
  • 比较受欢迎的寿司材料请参照3的表格。
  • 除以上介绍的寿司材料以外,在不同的地区及不同的店铺还使用其它一些鱼贝类等作寿司材料。回转寿司店里的寿司一般是在醋拌米饭上放材料的 “” (手攥寿司)和在醋拌米饭上放材料后再用紫菜卷包起来的 “” (寿司卷)。“寿司卷” 有卷金枪鱼的 “” (铁火卷)、卷黄瓜的 “” (河童卷)、以及卷纳豆的 “”(纳豆卷)等等。
2. スリーヒントゲーム (10-15分)
(1)
寿司ネタの名前をいくつか黒板に書く。
(2)
教壇の前に椅子を一つ置く。
(3)
生徒を一人指名して、黒板を背に座らせる。
(4)
教師は黒板に書かれた寿司ネタを一つ指差す。
(5)
ほかの生徒はそのネタのヒントを三つ言う。
(6)
黒板を背にした生徒はヒントを聞いて、それが何かを当てる。当たらない時はヒントを加える。
【例】
ヒント:
「やわらかいです」「足が8本あります」「骨がありません」
答え:
「(それは)たこです」
ヒント:
「魚です」「長いです」「川に住んでいます」
答え:
「(それは)うなぎです」

这个 “三个提示游戏” 是为了巩固寿司材料的日语说法而进行的。所以,在导入环节中要针对材料的日语说法进行充分的练习。此游戏里教师的角色也可以让学生来扮演。

3. スリーヒントゲーム (10-15)
(1)
教師は黒板の左側に寿司ネタを書き、その魚介類を日本が多く輸入している国の名前を右側に適当に書く(または、国旗の絵を張る)。
(2)
教壇の前に椅子を一つ置く。
(3)
生徒を一人指名して、黒板を背に座らせる。
(4)
教師が寿司ネタを一つ決めて、そのネタと輸入先の国名を線で結ぶ。
(5)
ほかの生徒は、輸入先の国名のヒントを三つ言う。
(6)
黒板を背にした生徒はそれを聞いて、どの国かを当てる。当たらなかったら、さらにヒントを加える。
【例】
ヒント:
(「うなぎ」の場合)「大きいです」「人口がいちばん多いです」「歴史が古いです」
答え:
「中国です」
  • 通过进行此项 “三个提示游戏”,能够练习一些国家名称的日语说法,以期能够熟练掌握。同时可以使学生了解到,日本的传统料理寿司所使用的材料实际上是从其他一些国家及地区进口的。由此让学生意识到,日本在饮食文化上也同世界其它国家存在着相互依赖的关系,同时引导学生重新认识自己国家的饮食文化,尤其重要。
  • 如果不能用日语表达,可以让学生用汉语说出心得体会。
    魚介類 主な輸出先国
    うなぎ(鳗鱼) 中国
    しらうお(银鱼) 中国
    あじ(竹荚鱼) オランダ (荷兰)
    たこ(章鱼) モロッコ (摩洛哥)
    いくら(鲑鱼子) アメリカ (美国)
    まぐろ(金枪鱼) オーストラリア(澳大利亚)
    あなご(星鳗鱼) 韓国、中国
    たい(鲷鱼) ニュージーランド(新西兰)
    えび(虾) インドネシア(印度尼西亚)
    いか(墨鱼) タイ(泰国)
    うに(海胆) ロシア(俄罗斯)
    ほたて(扇贝) 中国
4. 順番当て (10-15)
(1)
黒板に寿司ネタを5~6つ書いて、番号を付ける。
(2)
教師が、下の文章の○○○に好きなネタの名前を入れて文章を読む。
(3)
生徒は文章を聞いて、食べた寿司ネタの順番を考える。
(4)
教師は生徒を指名して、答えを発表させる。
(5)
教師役を生徒にさせる。
〈文章例〉 【発展】

不同的寿司店寿司的价格会有所不同。另外,相同材料的寿司也会因为季节的变化价格有所不同。这里给大家介绍的是一家回转寿司店的寿司价格例。每碟100日元的有:あじ、たこ、いか、しらうお。每碟200日元的有:うなぎ、まぐろ、たい、えび、ほたて。每碟300日元的有:いくら、うに

5. 神経衰弱ゲーム (10-15)
〈カードの準備〉
(1)
グループに分かれて、机をいくつか合わせて場所を作り、生徒はその周りに立つ。
(2)
文字カードを裏返してばらばらに置く。
(3)
生徒は順番に2枚ずつカードをめくる(カードの位置は変えない)。
(4)
めくった2枚が同じネタを表す日中のペアだったら、めくった生徒がその2枚のカードを獲得。ただし、その際に、その日習ったこと(例えば、「うなぎ」なら、「川に住んでいます」「日本は中国から多く輸入しています」など)を日本語で言う。ペアのカードをめくった場合は、同じ人が続けて次の2枚をめくる。めくったカードがペアでなかったら、カードを元の位置に裏返して、次の人と交代する。
(5)
どの位置に何のカードがあるのかを覚え、自分の順番になったら、カードを2枚めくる。これを繰り返し、机にカードがなくなったら、ゲーム終了。手元にたくさんカードのある人の勝ち。
執筆:山口敏幸(2001~2004年6月まで国際交流基金派遣在香港日本総領事館日本語教育アドバイザーを務める)