昨年5月に内蒙古自治区甘旗卡第二中学で第1回校内スピーチ大会が行われました。その時のスピーチ原稿の一つ「忘れられないこと」を読んで、日本の関東国際高校の中国語を学んでいる2年生と韓国語･ロシア語を学んでいる1年生が感想文を寄せてくれました。

●この作文を読んで、私は涙が出そうになりました。日本では、ほとんどの人が学校に行くのは当たり前だと考えています。しかし、日本のようにはできない国があるのです。今、自分がどれだけ幸せかを感じました。今こうして高校生でいられるのも両親のおかげだと思います。私は両親に感謝して、学校に行く意味と両親の期待に応えていかなければと、考えました。（1年　椎根　利恵）

●親子がお互いを思いやる気持ちを読んで、すごくあたたかい気持ちになりました。私は学校に行くのが当たり前だと思っていた時期がありましたが、最近になって心から親に感謝できるようになりました。私も劉くんのように勉強に頑張りたいと思います。（2年　三島　真梨子）

●「勉強をさせてもらっている」という意識があるのに驚きました。日本だと「親が子に教育を受けさせるのは当たり前」だと考えがちだし、私もそう考えていました。劉くんを見習わないといけないと思いました。（1年　平林　由香里）

●劉くんをはじめ中国の生徒の勉強に対する考え方は大人のようにしっかりしたところもあり、小さい子どものように純粋なところもあると思います。勉強するということの本当の意味を教えてもらった気がしました。（2年　久保　千尋）

●勉強はいやなものだと思っていましたが、この作文を読んで、劉くんたちは勉強できることを大事に思っているんだなと感じました。私も勉強に対する考えを変えようと思いました。（2年　江幡　美咲）

●私は1年ちょっと、中国語を勉強していますが、こんなにスラスラとは書けません。まだまだ勉強不足だなあと改めて考えさせられました。そして、中国語を学ぶ日本人と、日本語を学ぶ中国人との、「学ぶ」ということに対する意識の違いに驚きました。これからは向上心を持って学ばなければならないと思いました。（2年　田川　真澄）

私が小学生の時、家が貧しくて学校をやめそうになりました。学校が始まる前、父は外から嬉しそうな顔をして帰ってきました。うちに入ると私に「あなたは勉強し続けることができます。」と言って、ポケットからたくさんのお金を出しました。5元、2元､1元もあります。あわせて45元です。その時、私はなんとなく泣きそうになり、父の様子を見ているうちに私は大きな声で「お父さん、ぼくは勉強しないで、家でお父さんとお母さんを手伝って働きます」と言いました。父はしばらく黙っていて、手を私の顔の上に乗せて「勉強しなくてはだめですよ。私は小さい時、家が貧しくて学校へ行けなかったんです。とても後悔しています。そのため私は思い切って自分の子供を学校へ行かせます」と言いました。それからまた「あなたは自分の夢を実現するだけではなく父の代わりに希望を達成してほしいんだ」と言いました。私は涙を流して大きくうなずきました。この事は今でも覚えています。私は努力を怠る度にこの事が私の頭に浮かんできます。そして、自分に「あなたはどうしたんでしょうか、父の希望があるんですよ」と言い聞かせます。だから、私は毎日しっかり勉強しています。父はまた、私のために一生懸命に働いています。しわもだんだん多くなっていきます。私も高校3年生です。けれども、この事はずっと私に生活の力をくれています。