ヒント箱:日本語の学び方・教え方
 
2001年10月号
1.文体の不一致

例:私が住んでいるのは阜新です。阜新は瀋陽からバスで4時間ぐらいの町だ。(-->町です)

2.時制の間違い

例1:子供の頃、夏休みはいつも友だちと川で泳いで遊びます。( -->遊びました)
例2:私は生まれてからいままで、大連に住んでいました。( -->住んでいます)

3.「ある」と「いる」の間違い

例1:人口の大多数は朝鮮族ですが、ほかの民族もあります。( -->民族もいます)
例2:小さい時は、林でカブト虫をとったりしましたが、今は林がなくなり虫もほとんどありません。( -->虫もほとんどいません)

4.「~ている」の使い方の間違い

例1:新年や国慶節には、ふるさとへもどって家族と一緒に過ごしています。( -->過ごします)
例2:ふるさとに帰るたびに「もし小さい時に戻れればいいが……」という気持ちを持っています。( -->気持ちになります)

5.指示詞の間違い

例1:私は「把梨」という梨が大好きです。あの梨は柔らかくていい香がします。( -->その梨は)
例2:田中さんは私の古い友人です。あの人は中国語がとても上手です。( -->田中さんは中国語がとても上手です)

6.敬語の間違い

例1:私は私のふるさとがますます豊かになることをお祈りいたします。(-->祈っています)

例2:ふるさとに電話をすると、いつも両親は「都会の生活は疲れるだろう」とおっしゃいます。( -->といいます)

7.中国語を直訳してしまった間違い

例1:ホテルに住みます。(-->泊まります)

例2:山を下がった時、大雨が降ってきました。( -->おりた時)
例3:全国人民の絶えず努力のおかげで、2008年のオリンピックは中国で開催すると決定しました。( -->絶えず努力したおかげで)

例4:私たちは、涙が出ながら離れた。( -->涙を流しながら別れた)

本田弘之
杏林大学助教授