お地蔵さま
おじぞうさま
Ojizo-sama


 地蔵菩薩のこと。路傍などに置かれている地蔵菩薩像のことを親しみを込めて「お地蔵さま」と呼ぶ。地蔵菩薩はインドにその起源をもち、平安時代に唐から日本に伝来されたと言われている。平安時代の末法思想と結びついて、地蔵信仰は貴族にまず広まり、ついで民衆の間にも広まっていった。釈迦入滅後から弥勒菩薩が如来となって救世を始める長い間、地蔵菩薩が孤軍奮闘して人々を救うとされた。その後、鎌倉仏教が登場すると、地蔵菩薩信仰はその勢いをなくしていったが、地蔵像が村境や四辻、路傍に置かれるなど民衆の間では身近な信仰として残った。とくに子どもの守護神として地蔵をとらえ、呼称も「地蔵菩薩」から「お地蔵さま」に代わっていったと言われている。よだれかけを掛けているお地蔵さまをよく見かけるが、これは幼子を亡くした親が、その子の使っていたよだれかけをお地蔵さまに掛けて祈れば、お地蔵さまに地獄でその子を守ってもらえると信じられていたからだと言われている。子どもの守護神としての地蔵の行事には、江戸時代以降、京都を中心とする近畿地方で地蔵盆の風習がある。これは子どもが地蔵を供養するとされているが、子どものためのお祭りでもある。京都には地蔵が5,000体以上ある。


*『観音・地蔵・不動』速水侑(はやみたすく)、講談社、1996年




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