編集部log

【あの人は今】大学へ進学 パラリンピックの夢を追い続ける 池田樹生さん

2016.06.01

文字サイズ+拡大 ±標準
  • プリント

ikeda_daigaku (1).JPG
©河原由香里

2020年の東京パラリンピックでの活躍を目指す池田樹生さん(20歳)は、「My Way Your Way」の取材時(2014年4月)高校3年生だった。あれから2年、池田さんは中京大学スポーツ科学部へ進学し、専門知識を学びながら、夢を追い続けている。

高校生の時と比べてもっとも大きく変わったのは、体つきだ。陸上の短距離種目(100m、200m、400m)を走るうえで体全体をひとまわり大きくすることが大切だと考えた。大学生になってからはウエイトトレーニングを重点的に行い、体重は3キロほど増えている。特に注意して取り組んでいるのは、障害のある右半身の筋力強化だ。

池田さんは、「筋力がなければ義手も義足もうまく使いこなせません。僕の場合は、障害が右半身に偏っていますので、単に体を大きくするだけでは駄目で、右半身を鍛えて左右のバランスをとることが大切です。たとえば足の筋力を鍛えるためのスクワットをする時、あえて左足は使わないように椅子に置いておき、右足だけでスクワットするなど右半身を強化するトレーニングをしています」と話す。

高校時代には陸上部の先生にアドバイスをもらっていたが、トレーニングのメニューを自分でつくるようになった点も変化の一つだ。筋肉や骨の働き、ケアの方法など大学の授業で学んでいることや、同級生たちからもらうアイデアを参考にしているという。

義手は、義肢装具士と相談して、大学に入ってから使い始めた。義手をつけたことで、スタート時の姿勢が変わった。高校時代は、左手、左足、右足(義足)の3点で体を支える姿勢だったが、義手をつけたことで右手も地面につけ、4点で体を支える姿勢でスタートするようになっている。姿勢が安定したことにより、スタートダッシュに磨きがかかった。

池田さん自身、義手の有る無しで走っている時の感覚の違いを感じている。

「義手をつけていなかった時は、障害のある右手はポケットに突っ込んだまま、走っているような感覚でした。義手をつけたことで、腕をしっかり振っている感覚があります。腕を振れることで自然と足も大きく動くようになりました」

ikeda_daigaku (2).JPG
©河原由香里

■義手・義足で走れることをアピールしたい

 大学入学当初は、池田さんが走る姿を見て驚き、義手や義足に興味を持って話しかけてくれる同級生が多かった。

「自分の走りを見て、それまで義手や義足を知らなかった人が常識を覆されている感じでした。僕と出会うことで、義足でもこんなに走れるということを知ってもらえるし、それは、どんどんアピールしていきたいと思っています」と池田さん。自身も大学内でさまざまな人と出会いたいと考えている。

明るく前向きな池田さんだが、この2年間は順調なことばかりではなかった。タイムは自己ベストを更新し続けていたが、アジアパラゲームス(2014年、韓国で開催)、パラ陸上世界選手権(2015年、カタールで開催)など、障害者陸上の主な国際大会で日本代表選手に選ばれなかった。

池田さんは「記録は伸びていてもほんの少しでした。日本代表には選ばれず、いろいろな人の期待に応えられませんでした」と振り返る。リオ・パラリンピックが開催予定の今年は、これまでの自分に足りなかったものを洗い出し、徹底的に取り組もうと考えている。

ikeda_daigaku (3).JPG
©河原由香里

ikeda_daigaku (4).JPG
©河原由香里

「My Way Your Way」
池田樹生さん「チャンスをいかす」
http://www.tjf.or.jp/clicknippon/ja/mywayyourway/05/post-12.php

取材・撮影:河原由香里
(障害者スポーツ情報サイト パラスポ!http://paraspo.info/


文字サイズ+拡大 ±標準
  • プリント

Page Top